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三
最初に声をかけてきた男は、年齢が判別できなかった。
「動けるか」
私はうなずいた。それで十分だった。
飯場では、偽名を名乗った。朝は同じ時間に起き、同じ車に乗り、同じ動作を繰り返す。親方と呼ばれる存在は、指示を出さない。人数を数え、金を渡す。視線には期待も失望もなく、それが安心だった。
夜、街は光る。飲む者も、動かない者もいる。私は歩いた。
路上に座る男がいた。私が来た日も、季節が変わっても、同じ場所にいた。街の一部のようだった。
「ここは、落ちた場所じゃない」
彼はそれだけ言った。




