第四話 後の世を訪ねて400年
がやがや…
がやがや…
ここはどこなん…?
警察を呼んだほうが良いかしら…
やめとけ、面倒なことになるぞ
これ…ほんまに…
「私…死ぬんかな…?」
日も傾き市場の賑やかさも引いた頃、石那は退屈そうにしながら、帰路についていた…
石那「もうあかん…足疲れた…っと!?」
バーン!
顔がどんどん熱くなっていく
「イテテ…転けた…もう踏んだり蹴ったりやん…疲れたし、頭から転ぶとか今日は雪でも降るんかな…」
膝を曲げ
目線を上げながら起き上がる。地面の右端、あからさまに不自然で細長い陰を見つけた。
?????ほんまに?
石那「え……やったああ!頑張った甲斐があったわ!」
ついつい体が熱くなってしまった…
棚から牡丹餅とはこのこと、なんならその牡丹餅を今から二十個は食べれるわ!
石那「これで後の世に行けるんかな…取り敢えず巻物を開いてみよっか!」
手に取ったら分かる布と装飾の重さ、期待が膨らんでく
石那「それじゃあ早速、ご邂逅!」
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これは…………?
石那「絵…なんかな」
見て取れるのは、縦長の建物、それも将軍様のお城なんて比べ物にならんくらいの大きさで、いくつも建っていた
これが後の世の絵…?
「いやいやいや…これが後の世は流石に嘘やろ!?こんな量の石とか鉄が、こんな高さまで積んだり、加工できるわけないやん!でも、ここまで来て触らへんのも失礼やし…
よし、触らんかったら多分後悔する、触ったら良い後日談になる!よし触ろっか!」
疑問を一度振り切って指先を絵に当ててみた
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あれ?
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指が無くなった
どこ行ったん私の指?それどころか手とか腕まで絵の中に吸われてる
どうしようどうしよう
お店の時間も近いのに、お客さんが待ってるのに
お客さん…
土工さん…
お父さん…!
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がやがや…がやがや
(日差しが強い…地面が熱い…
ここはどこなんやろ…?
家も、周りの人の服も、なんも違う…いつもと違う…
でも…なんやろこの匂い…銭湯…?)
がやがや…がやがや
警察を呼んだほうが良いかしら?
ほっとけほっとけ
面倒な事になるぞ
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(どうしよ…死ぬんかな…喉も渇いたし…お腹も空いた…怖い…死にたくない、死にたくない…!)
意識が…
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???「…すか」
???「ですか…」
???「大丈夫ですか!?」