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SF小噺

【SF小噺】老舗のヂャスコ

作者: はまさん
掲載日:2024/06/25

 時は四百年前、江戸は寛永。

 お伊勢参りの門前町問屋に寺屋安彦なる跡継ぎがおった。

 みなは親しみを込め、「ぢゃすこ」さんと呼んどったそうな。


 ぢゃすこさん、お伊勢参りの参拝客を目当てに、土産物長屋を一所へ集めた。

 そうして土産も売る、食い物も、日用品も売る。

 「も売る」から「もうる街」と呼ばれた。


 この商売が大当たり。上方、江戸にまで店を出しての大主人となった。

 後に黒船でペリーさんが来港した際も、食料補充の仕事を請け負ったのは「もうる街」だと言われておる。


 ペリーさん、もうる街での買い物をたいそう喜んだ。

 そこでメリケン語で買い物を意味する「ショッピング」が加わり、「ショッピングもうる」と人々は呼んだ。


 しかし明治維新。鉄道開通により、人の流れに変化が起きた。

 旅篭町の価値は減少してしまう。


 と同時に東京でも百貨店に押されて撤退。

 一念発起、満州へ進出したものの敗戦と同時に店を失った。

 以来、ショッピングもうる街は、地方に根付いた経営を目指すことになる。


 そいつが今のショッピングモール、ヂャスコって寸法よ。

 そしてヂャスコは本日より開店四百年記念。大安売りセール!

 なんと感謝の、ひとり一パック、卵大安売りだよ!

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