表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソウルエクスチェンジ~来世のボクから前世の俺へ~  作者: 山吹アオサ
迷宮での探しもの
3/140

第二話 知らない世界


「えーと、?」


夢だとわかった俺は、何も考えず流されることにした。その様子を説明を聞く態勢だと思ったのか、クレイモア・イクリプスは、手に持った皮の鞄から、身分証明書らしき、手に収まる程度の大きさのノートを俺に渡す。


「メイス・イクリプス?」


まったく身に覚えのない文字の羅列の割に、しっかりと読めるとても不思議である、さすが夢だ。


「おう、お前さんの身体の持ち主だな、これは士官学校の学生証」

「士官学校?」


軍隊に入るのか、精神的にも肉体的にも厳しそうだ、それとも最近ハマっている、宇宙軍が舞台のアニメの影響なのかなぁ。


「メイスは、実技はダメだけど学科が優秀だったんだ、……でだ、一応お前さんもそのままメイス・イクリプスとして士官学校で過ごしてほしいんだが……もちろん、士官学校が嫌なら出来る限りのことはする、」


うーん、ここで士官学校を断るとどうなるんだ……?孤児院とか言ってたし後ろだても何もないんじゃないだろうか、それにせっかくの夢だし、普段の生活でできない事とかできそう。


「メイス、だっけ? いいよ、メイス・イクリプスとして士官学校に通う」

「本当かっ!よかった、これで約束は果たせそうだ」

「約束?」

「ああ、メイスとの約束なんだ、えと、これを」


ごそごそ、鞄の中をあさるクレイモア・イクリプス。中から水晶できた球体の玉を取り出した。


「これに手を置いてくれ、もしお前さんが記憶喪失のメイスでないなら……メイスの前世なら適性が違うはずだから」

「適正……?」


俺は首を傾げなら、水晶に触れる。一瞬だけ水晶が光ったと思ったらすぐ光を失い、代わりに文字が浮き出てきた、文字は、俺が読もうとした時には消えていた。


「ああ、やっぱり……。これでメイスの意志は報われるのか……でもせめて、メイスが浴びるべき喝采のはずなのに、」


……よくわからないが、このクレイモア・イクリプスと言う青年は先ほどからとても暗い。もっとウェェイとか言ってそうな見た目なのに。


「それじゃあ、行こう、歩きながらでも色々説明するよ」


頷く。ふと気になったことを尋ねた。


「ここって何処なんだ、こんな昔のテレビとか置いてあるし」

「てれび……?ここは軍病院さ、で、その見ているやつは迷宮から出てきたよくわからない絵が映るアイテムだけど?」


迷宮……?





軍病院の廊下を歩いている、退院手続きとかは、クレイモア・イクリプスがさっさとやってくれた、歩きながら俺は思う、軍病院と言うからもっと負傷者とかいっぱいいるのかと思っていたが、すれ違う人もほとんどいない。


「誰もいないみたいだけど……」

「そりゃあなぁ、相当ひどい事にならない限り、だいたいは魔法で治るしな」

「魔法か……」


夢とは言え、魔法とやらが当たり前にある世界らしく俺は戸惑う。


「お前さんがどの時代から来たのかは知らないけど、魔法が慣れないってことは、1千年くらい前からか、すげぇな歴史の人物だ」


賞賛とも侮蔑するわけでもない、ただの感想にどう対応していいかわからない俺だったが、出入り口を出て外の風景を見た時に、意識はクレイモア・イクリプスではなく外の世界に釘付けとなる。


軍病院は山の上にあったようだ、欧州っぽいレンガと石造りの街並みが一望できた。


「宮殿……に、飛行船?見える限りだと……路面電車まである」


その様子はさながら、石炭を大量に使用していた近代、大気汚染がすごかった時代のものに見えた。


「あれ?でも空気が澄んでる、石炭が動力じゃないのか?」

「せきたん?なんだそれ、動力なら魔石しか使わないぞ。お前さんの時代には、そのせきたんが動力だったのか?」

「え、いや……どうだろう」


魔石、どうやらこの夢は、魔法が発達した世界らしい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ