第一話 此処とは違う何処か
瞼に光を感じ、意識が深層から浮上していくのを感じる、俺はいつもどうりに、手だけ動かして目覚ましを探した。
えーと、なんだっけ、今日の目覚めの良さは……確か、
学校/仕事が早く終わ……。
今なんか教室と仕事場が二重に重なって……?
「…………寝ぼけてるな、これは」
目を開いて身体を起こす、なぜかすごく軽く感じた、いつもならもっとこう、ゲームのしすぎて/飲みすぎて、身体が重たい感じだが……?
「……おかしいな、ここはどこだ、まったく見慣れないものがいっぱい置いてある」
ベットよし。布団よし。自分のと違う気がするが。
でだ、傍においてあるテレビが、昔のドラマとかにでてくるような、白黒テレビなんだが……。
「……イタズラか……?」
置いてある家具が全体的に古い、電球がそのままぶら下がっているなぁ、その割に石材で積んだ暖炉とか、写真/旅行で見たことあるような、欧州っぽい感じだ。
「お、メイス。目を覚ましたのか」
「え、どちら様……?」
木製の扉が何の躊躇なく開いたと思ったら、見慣れない赤い髪を逆立てた整った顔立ちの青年がいた。
「そっか……。オレがわからないって事は、魔法は成功したんだな……」
急に整った顔立ちの青年は、俺のことを見て寂しそうな顔をする。
「え、えと」
「ああ、悪い悪い。オレの名前は「クレイモア・イクリプス」
お前さんの身体とは、同じ孤児院で育った……、まぁ兄弟みたいなものだな」
……? 何を言っているんだ?身体?孤児院?
「ほら、鏡見てみ、」
差し出される手鏡を見てみる。
「え、これ誰?」
鏡に映っていたのは青い髪をした中性的な存在だった、記憶にある十代/二十代頃の黒髪黒目をした、どちらかと言えば不細工よりの顔でない。
「お、女?」
「あ~、よく言われるけど、メイスはれっきとした男だよ」
俺、□□□□□はおかしな夢をみているらしい。