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学生の1年。

作者: カモノ橋咲

卒業式当日私はなんとも言えない気持ちでいた。


最上級生になることにあまりにも実感がない。


2年前の先輩も、今年の先輩も私にとってとっても立派に見えたから。


卒業式が終わって。先輩がいなくなった後に会場を片付けた。


椅子を触ると少し生暖かくて、さっきまでやっぱりここにいたんだなと実感する。



始業式。


クラス替えから始まった。私は2組。


友達と一緒になれたけど、その日から1回も学校には来ていない。


少し悲しい気もするが、私が友達の立場で、学校来ないのと言われたら悲しくなるからなるべく学校については話していない。


何せ学校は強制的に行くものでもないと思ってるから。



そして



先生も新しく赴任してきた先生だった。


クラスもも半数は知っている顔だけど、残り半分は分からない人だった。


何より1番私が驚いたのは、1ヶ月、数週間前にいたであろう先輩たちの痕跡が消えていたこと。


3年生の教室は1年生の頃から特別感を感じていた。でも実際その部屋に入っても実感が沸かなかった。


毎回だ。学年が変わった途端。その特別は消える。追っかけても届かない。



今日。


学年集会。1年の流れはどうだとか先生が話していた。


生徒が集まってるものだから、とっても暑苦しい。スカートも上手く扱えないまま話を聞いた。


修学旅行とか、進路相談とか。


修学旅行は本当に出来るのかと半信半疑。



進路はひとりひとり変わると思ったら結構面白い。


今まで義務教育(・・・・)だったのが変わるからだろうか。同じ地区で産まれた人と無条件で15年間過ごしてきた。でも県外に行く人。一番近い高校に行く人。専門的なことを学びに学科を選ぶ人。みんな別々だった。


あぁ。もうこれで終わりなんだって。


1年後には絶対にこの学校から私たちはいなくなる。


そんなことを感じて、少しだけ3年生になったことを自覚した。


もうすぐ夏だ。




学生の1年は短くて。早すぎる。

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