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kyu-bu baria【キューブバリア】

【パーフェクトバリア】

天使のエリナさんが襲われそうになっている所をなんとか守ることができた。


『ショップスキル』で瞬足のブレスレットを買い装備しているおかげで追いつけたのだ。


にしても、敵の様子がおかしい。『パーフェクトバリア』が破ることができないのはわかり、考え事をしているのか、立ち尽くしている。


いや、今動いた。何やら地面に落ちている物に喰らい付いているようだ。あれは盗まれた火龍の肉、生の状態で1キロ以上あるのに豪快に飲み込んだ。


敵の方をみると全身に鱗が、背中からは赤色の翼が生えてきた。天使のエリナさんいわく、目の前の敵は吸血鬼の変異種。血を吸った種族の固有スキルを会得することができるようだ。


なんだ……そりゃ、反則技じゃねえか。神から力を貰っている俺がいうのもなんだがな。




「グビビ!グビビビビビィィィ!!!」

「!?」

敵の咆哮で、耳がキーンとした。音は『パーフェクトシールド』では防ぐことはできないようだ。思わず地面に膝をついてしまう。


奴は強靭な翼を羽ばたかせ空に飛び上がった。


逃げるのか?そう俺は思ったが、違った。敵は『パーフェクトバリア』が届いていない上空を飛び、こちらの陣地に入ってきたのだ。


そして敵は、俺に向けて足も向けながら飛び込んできた。まずい『パーフェクトバリア』を貼り直して名乗らなければ、しかし敵が速すぎる。


クッ!

「勇者様!」

天使のエリナさんが、俺を抱きしめて飛んだ。


「うわああああ!!!」

天使のエリナさんと龍の翼を生やした敵と空中戦、

俺は慣れてないせいで、グルングルンと視界が定まらない。エリナさんの巨乳がプニュンプニュンと当たる。柔らかい……


は!ダメだダメだ、精神を研ぎ澄ますんだ俺。俺は幼少期の頃に考えていた【パーフェクトバリア】の派生技を繰り出す準備をする。


繰り出すのは立体的な障壁、その名を【キューブバリア】正方形のバリアは上、下、右、左、前、後ろに全ての位置に貼り、敵の攻撃を完全にガードする。


ガンガンガンッ

なおも攻撃を続ける敵を捕獲しようと【キューブバリア】を反転させて、敵を【キューブバリア】の中に閉じ込めることに成功する。

 


「凄いです!さすが勇者様!」

「だから勇者じゃないって」

「謙遜はおやめください!」

「は~」

諦めのため息をしつつ、捕まえた敵を観察する。奴はやはり正気を失っているようで、白目の状態だ。


「この男はどうしたものか……」

「簡単ですよ。浄化してしまえばいいんですよ」

「浄化?」

「はい、まあ勇者様は見ていてください」

「勇者じゃないんだけどな……」

なんだか勇者じゃないと反論するのに疲れてきたわ。だいたい勇者だと、どうやってわかるんだよ。もしかしてあれか?神のお告げとかあるのかな?


「?なにか言いましたか?」

「いや、一人事だよ」

愚痴をこぼしつつ、天使のエリナさんの浄化を見る。


パラララ、パラララ、パラパラ、パラララ

天使のエリナさんの浄化が始まる。


ラッパを持つ小さな天使達がエリナさんの周囲に現れて軽快なラッパの音を鳴らす。


それと同時に敵の身体がどんどん透明になっていく。


「あれ?俺は何をしていたんだ……なんで身体が透明に……俺、死ぬのか?」

どうやら敵の意識が正常に戻ったようだ。


「ちょちょちょ、ちょっと待ってくれよ!謝るからさ。犯罪なんて二度としないからさ!助けてくれよ」

時は既に遅し。浄化は止めることはできない。


「グアア!グアアアアアア!……あ……」

敵は浄化はされて、空へと肉体と魂が放たれる。


「来世は悪いことするなよ〜」

最後に一言を告げて一連の出来事は、敵を浄化されることで幕を閉じたのだった。


ふわ〜なんだが、疲れたわ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺のはガビル・アルフォート

浄化されて肉体が消滅したはずだが、何故だか意識がある。周りは暗いし、ここは地獄なのか?グビビ


「地獄じゃの〜」

「誰だ!?」

振り返るとそこにいたのは、白髭を1メール以上生やした老人がいた。


「儂の名は『邪神プギプギプギャム』

「『邪神プギプギプギャム』?変な名前だな」

「そう言われてもの。儂を倒した勇者がつけた名じゃ。ふざけてたのかも知れぬの、まあそれは置いといて儂はお主に取引をしようと来たのじゃ」


「取引?何をしようと言って言うんだ」

「なに簡単なことじゃよ。お主を生き返らせる代わりに儂を復活させて欲しいのじゃよ」


「は?自分で復活できないのかよ」

「うむ、そうしたいことはやまやまなんじゃがの。どうやら邪神の儂の身体は地上のあちこちに封印されていりようでの、自力では無理なんじゃよ」


「つまり、あんたの手下になれってことか」

「理解が早くて助かるの。ちなみに断ると大地獄にいき、ありとあらゆる拷問を受けて貰うぞ」


「受けるしかねえのか」

「うむうむ。いい子じゃ」

俺は邪神プギプギプギャムというふざけた名前のコイツを復活させるための手駒に落ちてしまった。


まあ地上に戻れるだけマシか。俺を浄化した天使、小僧、覚えていろよ。お前らに災いを振りまいてやる。


グビビ、グビビビビビィィィ!!!!!!


「あん?もう戻ってきたのかよ」

「え、小僧なんでいるんだ?」

「いやー実はな。お前が邪神と接触してこの世に戻ってくると天使のエリナさんが教えてくれたんだよ」


「そんな、そんなことって……グビビ……」

「安心しろよ。お前は地獄には戻らないように、この世で罪を清算して貰えるにしてくれた。天使のエリナさんに感謝するんだな」


「じゃあ俺は……」

「孤児院で働いて貰うことになったみたいだな」

鼻に手を入れて、そんな重要なことをあっさりと……

邪神プギプギプギャムさん、どうやら貴方の企みは無謀だったようですよ……グビビィィィ……


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