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「勇者様……」「勇者じゃないって」

「あなたは……やはり勇者様だったのですね」

「違います。僕は普通の村人です」

「ただの村人が『火竜の死体』を『アイテムボックス』から取り出したりしません」

現在俺は、教会で暮らす美しく巨乳の女性シスターに、教会の庭で抱きしめられていた。


プニュンプニュンと揺れる物体が頭に当たるが、俺は性を知らない純粋無垢な存在(設定)なので下手に興奮して取り乱さずに賢者モードになる。神様にも見られているかもしれないし。


「ふー、『アイテムボックス』のことを何故知っているの?お姉ちゃん」

「私のことはエリナ、そう呼んでください。勇者様」

「勇者じゃないけど……じゃあエリナさんって呼ぶね」

「わかりました。勇者様がそうおっしゃるなら」

「だから、勇者じゃないって!」

美しく巨乳の女性シスターエリナさんは俺の身体を更に強く抱きしめた。


うお……柔らかいものが全身を包み込んでいくが、同時に通気口が塞がれていき、呼吸が苦しくなっていく。激しくもがくと手にコリっと乳首の感触が手に伝わり、「あんっ」と艶かしい声が後ろから聞こえた後に、俺は解放されて肺が破裂しそうなほど、一杯の空気を吸った。


そして庭に置かれている『火竜の死体』の方を見る。


周りには子供たちが興味津々に群がっており、その中にいた赤いバンダナを巻いている吊り目の少年が俺に気づいて手をふる。


「おうお前、やっと解放されたか」

「僕にはライス・キュピロスという立派な名前があるのですが」

「そうか……じゃあライスと呼ぶことするわ」

「そうしてくれると助かるよ……ところで君の名は?」

「俺の名をレッド・キャップ、レッドでもキャップでも、好きにあだ名をつけて呼んでいいぞ」

「……レッドで」

赤いバンダナをした吊り目の少年レッド、その右手には何故か包丁が握られていた。包丁に視線がいっているとレッドが包丁を見られていることに気づいた。


「興味あるのか?これはドラゴン包丁、ドラゴンを切ることの特化した包丁だ」

「では、この『火竜の死体』を切れるんだね」

「おうとも、ライスのドラゴンを切らせて貰うぜ」

「どうぞどうぞどうぞ」

ドラゴン討伐者の了解を得たレッドはドラゴン包丁を使い、火竜を捌いていく。切る姿は乱暴に見えるが、ドラゴンのウロコが硬く、勢いよく包丁を入れないと簡単には切れないらしい。


火竜の頭、胴体、尻尾に切り分けられた。


火竜の頭は一般的に食べられないらしいが、火竜の眼が水晶の材料の使われるらしい。使い所は今はないので『アイテムボックス』に放り込む。


次に火竜の胴体、火竜の胃袋はなにが入っているのか想像したくもないので、『アイテムボックス』にすぐさま入れて、他の不要な部位も『アイテムボックス』に次々と入れていく。


『アイテムボックス』思ったよりも便利だ。ゴミ箱の代わりまでしてくれる。マジパネル。 


「よしっ、これで解体完了だ」

レッドは俺に近づくこうとしてきたが、俺はそれを避ける。周り見物していた子供達、エリナさんも同様には避ける。


「おい!なんでお前ら逃げるんだ」

「レッド……臭い」

レッドの身体中は、竜の血が満遍なく付着していて血が臭いのだ。


「うわっ」

「うわってなんだよ!こうなったら意地でも触れてやるぜ!」

レッドは俺の肩の触れたことにより、臭さがより身直に感じた。取りたくても取れない!


「フハハ、ライスも仲間だな」

「最悪だ……レッド絶交だ」

「そんなに嫌だったのかよ!」

「ハハハ……冗談だよ……」

「それにしては目が笑ってねえぞ」

はー何か竜の血を取る方法はないものか?……脳をフル回転させ、俺は願いの一つである【異世界初心者セット】にある【生活魔法】を思い出した。


【生活魔法】……確か、【浄化】というスキルがあったはず。ものは試しだ……


【浄化】!

パラララララララララ〜!


派手な効果音と共に、俺の身体のみならず、周囲に飛び散った血などが一斉に浄化して消えていく。レッドの身体からも血が消えて臭みがなくなった。


これは凄いぞ。


そしてその光景を見ていた美しく巨乳の女性シスター、エリナは言った。


「さすが、勇者様!聖なる力も使えるのですね!」

「だから勇者じゃないって」

俺が勇者じゃないことを否定した時、


エリナさんの身体に薄汚い緑色の手が伸びて、胸を鷲掴みしながら、首のナイフを当てた。


「キャッ!誰ですか貴方!?私は勇者様のものです!」

「グビビビ、俺様の名はガビル。ギルドからライスとか言う小僧を追いかけせさてもらったのさ。でもまさかこんなところに上玉の女と竜の肉を隠し持っているとはなぁ〜、予想外だったぜ、グビビビビビ」

ガビルとか言う変態は笑う。すぐにでも助けたいが、エリナさんは人質にされていて迂闊にては出せない。


「グビビビビビ、この女と竜の肉をもらっていくぜ〜!グビビビビビ!」

「あっ待て!」

好きをついて緑色の肌のやつは火竜の肉を背中に背負い、エリナさんを脇の間に挟みながら逃げていく。


追いかけようとするが、奴の足の速さは異常なまでに早く、もう数百メートル先にいた。


「うええええ〜ん、お姉ちゃんがさらわれちゃったよ〜」

教会にいた少女が泣き叫ぶ。


うむ〜これはちょっとやばいことのなったな。

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