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轢いちゃった

「で、母と父はどこまでついてくるんですか?」

「いやーたまたま王都に用事があってだあ」

「どんな用事ですか?」

「それは……ハハハ、アハハハハ」

父は何も言い訳を考えてないようだ。


「まったくもう、あなたはダメダメね。いいライス……この世界には魔獣は蔓延っているの」知ってます。

「それに、悪い人も大勢いるの。きっと小さく可愛いライスを騙そうとする悪い人がきっといるわ。だからね安心して旅ができるように、私たちがサポートすることにしたのよ」

それは……ただの家族旅行なのでは?


しかし、いくら神から与えられた力があるとはいえ、俺もただの1人の人間。ちょっとしたことが取り返しないことになる可能性がある。ここは様子をみるか。親が必要なければ、丁寧にお帰り願おう。 


さてと、そろそろ王都につきそうだ。

一週間という長い道のりだったが、この世界には前世にあったバスのように、馬車が定期便で動いており、市民はお金を払うことで馬車に乗れるのである。


馬車はときどき、ゴブリンなどの魔獣に襲われそうになったが、そこは神に与えられし最強の防御技【絶対無敵パーフェクト障壁バリア】により、難を逃れているのだ。


「た、大変だ!お客様!」

回想に浸っていると馬車を引く亭主の声が聞こえた。何やら慌てた様子だ。


「どうしたんですか?」

「前をみろ前を!火竜が目の前にいるだろうが!」

本当だ。目の前には火竜が、猪の魔獣の死体を食い漁っている。口から火を出して、ちゃんと焼いて食べてる。実に賢く器用だ。


「止めるぞ!掴まれ!」

馬車の亭主がそう叫ぶ。しかし、その時、俺の脳内で一つに妙案が閃いた。


「止めないでください!」

「何を言ってやがる!死ぬぞ!」

「自分に考えがるんです!そのまま突っ込んでください!」

(なんて澄んだ目をしてやがる!それに手で口元を隠しているが、こいつ、ニヤついてやがる!信じてみるか。この小僧を!)

馬車の亭主は覚悟を決めたようで、火竜はこちらに向けて火を吹いてくる。


ボオオオオ!!!

その様子を見た俺は馬車の前に【パーフェクトバリア】これにより馬車は衝撃から守られて、逆に【パーフェクトバリア】にぶつかった火竜はすごい衝撃と共に吹き飛ばされるだろう。


俺は前世のテレビで見た人形が時速100キロを超えた車にぶつけられて木っ端微塵い吹き飛ぶ映像が脳内で流れた。


「母と父、馬車のおじさん!どこかに捕まって!」

火竜と正面衝突した。【パーフェクトバリア】のおかげで馬車に被害はなく、代わりに火竜は吹き飛ばされて血を身体中から吹き出している。


様子を見るにもうすぐ亡くなるだろう。南無


グルル!グルルルルル!!!

火竜は馬車に向けて火を噴くが【パーフェクトバリア】で防がれる。諦めれ切れない火竜は直接向かってきたが、その間に命が尽きたようだ。

可哀想だが、この世は弱肉強食、君ーの肉は俺が美味しく頂くよ。


「火竜をたいしちまった……何が起きたんだいったい……坊主のお陰なのか?」

「そうだよ。【パーフェクトバリア】で倒したんだ」

「そうか。やるな坊主、お前はきっとすごい冒険者になる!」

「いやっ、冒険者は目指していません」

「えー折角の才能が勿体ねえ」

「自分の道は自分で決めます」

「それもそうだな。道は一つだけじゃねからな、自分だけの道を見つけろよ!」

馬車のおじさんは俺の頭をわしゃわしゃと撫でる。そして、地面に倒れている火竜を見た。


「で、これどうするよ」

「僕にいい案があります。【アイテムボックス】」

「消えた!」

思った通り、【アイテムボックス】に収納できたようだ。どんな大きなものでも取り込み、いつでも取り出すことができるのは、とても便利だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【火竜の死体】【火竜の卵】がアイテムボックスに追加されました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ん?【火竜の卵】?もしかして今倒したのはメスだったのか?


【火竜の卵】をアイテムボックスから取り出し手に取ると卵の周りには赤い粘膜が張り巡らせており、卵から熱気を感じる。ついでも後ろから親の視線を感じた。


「ライス……それはまさか卵?」

「ライス美味しそうねえ、独り占めはダメヨォ」

「「じゅるり」」

父と母が口からヨダレを垂らして近寄ってくる。おそらくゆで卵を1人で食べると勘違いしているだろう。仕方なくアイテムボックスに非常用の入れてあるゆで卵を取り出し、塩を上に振って父と母の口の中に放り込んだ。



「「ん〜うっまー!」


ついでに馬車のおじさんにも

「モグモグモグ、ウマシ!何だからわからけどウマシ!そろそろ王都につくぞ!」

 王都の城壁が目の前には迫ってきた。


【火竜の卵】は一旦、ズボンのポケットに入れて。さあ、王都に突入だ。

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