表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君を探して異世界で  作者: KADO
1/1

始まり

「優~、ご飯できたよ~。」

 そんないつも通りの言葉で僕の重たい瞼が半分開いた。今日は日曜日だからもう少し寝ていたいのに。

「いい加減起きないと仕事に遅刻しちゃうよ?」

 優しく語りかけてきてくれる彼女は、愛美。俺が大学三年生の時に付き合い始めた二歳下の女の子。よく人から顔が怖いといわれていた俺が初めて付き合えた彼女だ。ただし、初めてサークルで声をかけたときはあまりの顔の怖さに泣かれてしまった。

・・・そんなに怖い顔してるか?自分だとわからないな~。

「とにかく早く起きてよ。ごはん冷えちゃうといけないし。」

 俺のほっぺをつんつんと指でつついてほっぺを膨らまして顔がかわいい。俺の顔がいまいちなのは認めるが、愛美の顔はアイドルでも行けるんじゃないかってくらいかわいい。髪はセミロングのでおろしていて目はぱっちりしている。

「おはよう愛美。朝から元気だね。」

「何言ってるの!もう10時なんだからね。」

 ん?よく見ると時計の針の短いほうが10と11のあいだに差し掛かっていた。

「ん~。昨日は残業だったからしょうがないさ。ゆっくり寝たかったからまあ良しとしよう。」

「なに一人で納得しちゃってるのよ。今日は結婚式の話をしようって約束してたのに!」

 またほっぺを膨らませて・・・かわいいな。さてはこの子は女神の生まれ変わりか?

「何人の顔見てにやにやしてるのよ。優なんてもう知らない。」

 ついに愛美が拗ねてしまった。

「ごめんごめん。怒ってる顔見てたらついついかわいいなって思っちゃってさ。そんなことより愛美バイトだろ?帰ってきたら結婚式の話をゆっくりしよう。」

「そうね。18時には終わるからそのあとでゆっくり話しようね。」

今日一の笑顔いただきました!

「じゃあ行ってきます。」

「行ってらっしゃい。」

 笑顔で愛美を送り出す。

 

ゆっくりとリビングの椅子に座り朝食をとる。


(俺も結婚か・・・。しっかりしなきゃな。)

 

大学のサークルに入ってきた彼女を見たときは運命を感じた。俺以外の男子もほとんどが目を奪われたことだろう。女子と話すのに慣れてなかった俺は声をかけることは出来ずにずっと見つめていた。

それから数か月してサークルの中では色々な噂がでた。愛美はイケメンな男からの告白も断っているというのだ。その噂で腹を立てたのが同じサークルの二年生で一番かわいいといわれていた和沙だった。愛美に告白した俺の同級生で幼馴染の俊のことを好きだった和沙はそれを聞いては愛美に嫌がらせするようになった。

 

それを後で聞いた俺と俊は愛美を守るように常に一緒に行動した。よして次第に心を開いていった愛美に出会って一年目のクリスマスに告白されたのだ。しかしその時の告白が、

「私と、結婚してください。」

 というものであった。今まで付き合った人がいなく、男子に免疫のない女の子がそんなことをいうもんだから面白くて吹き出してしまった。でも、好きだった気持ちに変わりはないので付き合うことにした。

その正月に一人暮らしのアパートから実家に帰り親に彼女ができたこと、さらに告白が結婚して下さい。というものだったことを話すとなぜか親が盛り上がり、愛美に家にあいさつに行くと言い始めた。必死で止めたが聞かず挨拶に行くと、向こうの両親も、

「お互いが結婚してもいいというのなら、そのようにするのが一番いい。」

 と優しく言ってくれた、ただし学生の間は婚姻届けは出さないという話で落ち着き、結婚してから嫌になったは無しということで愛美が卒業するまでの残り三年間、同棲をするようにという話で落ち着いた。その時の愛美のうれしそうな顔を見たら、絶対に幸せにしてやろうとここらから思った。


 それからもう三年。明日愛美は大学を卒業する。晴れて俺たちは結婚する。


(これからも愛美の笑顔を守るために頑張って働いていこう。)そう思っていた。

 

 食後のコーヒーを飲み、仕事で使う資料を整理していたらもう時計が17時を回っていた。


(そういえば、俊が写真の中で使いたいものを選んでくれと言っていたな。愛美が来るまでにやっとくか)

 

 と思い立ち、愛美とのいろいろな思いでの写真を見ながら結婚式で使う写真を決めていた。

気が付いたらもう20時だ。

普通ならかえって来ててもおかしくない。

(バイトが伸びてるのかな・・・)

迎えに行こうか悩んでいたら1通の電話がかかってきた。俊からだ。


「もしもし俊。結婚式で使う写真のことなんだけど・・・」


「そんなことより優!急いで〇〇病院にこい!」







「・・・どうしたんだよ急に・・・」










「愛美さんが・・・トラックにひかれて意識が戻ってない・・・」










「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え」











 その時俺の世界の景色は灰色に変わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ