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機動兵器アダムス  作者: ママ友
3/3

三話


 大和が帰った後ソファに座りテレビを付けた元気。

 

 「羨ましいな」 元気の口から自然と言葉がでた。


 彼女は夢や希望がある、人生を謳歌していると感じた。自分とは違うそう思った

 そんな劣等感を抱く自分にまた嫌気が差す。


 怠惰で無気力な毎日を送る自分、こんな事思うようになったのはいつからだろう 死ぬまでこんな毎日を送るのか?


 元気はソファに寝転んだ ふと視線を机の下に向けると大和が忘れていっただろう手帳が置いてあった。


 今からでは間に合わないだろう 



 「明日返せばいいか」


 元気はそう呟く。








 「痛い」 



 またソファで寝てしまった。元気は体を起こし時計を見た。



 「またやった」


 時計は9時を過ぎていた。




 教室では担任が授業に出てない元気に文句を言っていた。



 「あいつは単位をしらんのか」


 元気は優秀な生徒ではないが素行の悪い生徒ではない。

元気は学校では友達もあまり作らず少し空気のような存在だ。

この時、元気の事を思ったのはクラスで三人しかいない担任の先生と親友の佐藤そして大和


 昨日の事で来ないのか少し大和は心配している。佐藤は先生に寝坊だと言って教師もそれに頷いた。

再び授業が始まると思ったがそれは始まらなかった。



 大きな揺れが起こりクラス、いや 学校全体が授業所では無かった。



 「またかよ」


 佐藤は大声でそう叫んだ、黒いアダムスがグランドから大和のいる教室をのぞいていた


そう そして黒いアダムスは三体いた 



 一体は大和のいる教室に向かってきた、大和は席から立ち上がり教室を飛び出した


 廊下を全力で走る大和 その大和に向かって誰が声をかけた。


 その声を聞き大和は足を止め廊下の窓から飛び降りた。大和達二年生のクラスは二階にあり、そのまま飛び降りたら怪我だけでは済まない

 大和は二階から飛び降り駐車場の所に植えてある花壇に着地した。花壇にまだ花が植えてないので花壇ではなくほぐしてある柔らかい土の上に飛び降りたのだ。着地したのと同時に大和は転がる。

泥まみれになりスカートも捲れたしかしそんな事今はどうでもいい大和は自分の体を確認する。幸い骨は折れてないが体は痛くて走れそうにない


 「凄いな、まさか飛び降りるなんて」


 大和に声をかけた誰かが大和に近づく 



 「ええ、緊急事態だったからね」


 大和は痛い素振りを見せず声の主の白いバイクに跨がった。


 「今日は寝坊して良かったかな」


 大和に声をかけた元気はそう言うとバイクのエンジンをかけた。


 「この前の黒いアダムスが三体もいるのよ、このバイクで逃げられるの?」



 「まあ、任してなよ」


 黒いアダムスがこちらに向かってくるのを確認した元気は学校から出た。


 「アイツらこの前も来たんだ、学校側も警察もすぐに来るだろ」


元気の考えはこうだ、同じ事が二日前に起きたのだから警察がすぐ駆けつけるそれまで人や家の少ない学校付近を走り回ればいい あとは警察に任せよう


 「そんなに上手くいくかしら?」


 「大丈夫だよ、俺を信じ」


 しゃべりながら元気は後ろから追ってくるアダムスをミラーで確認する、しかしあの黒いアダムス達が思ったよりも速かった


 「…狭い道と大通りは危険だな」


 黒いアダムス達は一般人を巻き込んでも襲ってくると判断した元気は学校の近くの山に向かった


 「こっちは山よ」


 「ああ、だけど警察が間に合わなそうだ」


 当初の目的とは違う山に向かって走る

 この山は行き止まりがあり、人がいないと判断したのだ


 「でもそれじゃあバイクも使えないんじゃない?」


 「その通り、でも使うのバイクじゃなければ?」


 アイツらみたいに と元気は付け加える


 「あの山に白いアダムスがあるの?」


 「いや、あの山には無いよ」


 「それじゃあ駄目じゃない!」


 大和が珍しく声を荒げた

 


 あと少しで山道に入るという時に元気達の目の前に黒いアダムスが現れる 

 元気はミラーで後ろのアダムス達を確認する。


 「四体め、か」


 前も後ろも黒いアダムスまさに絶対絶命。そんなピンチの時大和は声をかけた


 「光ヶ丘君、ここで私を降ろして」


 「本気?」



 「ええ、本気よ 目的が私というなら私が降りればあなたは助かるかもしれない」


 大和はそう言うが、やはり怖いようだ 何故なら彼女は震えていたから 怖くても彼女は他人を心配し他人を気遣った。 彼女は強い人間だ 元気はそう思った。


 「…確かに君をオトリにすれば助かるかもね」


 「ええ、だから」


 元気はスピードを更に上げる 目の前の黒いアダムスまであと千メートル程


 「光ヶ丘君、あなたは関係ないでしょ」


 「ああ、関係ないよ、けど君一人見捨てる勇気も無いただの臆病者だよ」 


 目の前のアダムスまで残り七百メートルほどに近づいた。目の前の黒いアダムスは武器を構える


 

 「大和さんは強い人だね、俺が持ってない強さを持ってる素晴らしい人だ」 


 元気は続ける


 「だからこそ 君は生きないと」


 

 黒いアダムスとの距離約五百メートル 黒いアダムスは引き金を引いた

 元気達に向かってビームが飛んでくる 人が当たれば死んでしまうだろう



 「さっき聞いただろ、白いアダムスは山にあるかって」


 大和は元気を抱きしめる その力が強まった

 

 「大和さん 君が乗ってるコイツがアダムスだよ」


 白いバイクは変形し二日前の白いアダムスになった。


 間一髪よけそのまま目の前の黒いアダムスの頭を踏み台にした。


 「信じられない アダムスが変形するなんて」


 大和は驚く、大和だけではなくアダムスに関わるまたは一度でも調べた人もわかる話、変形するなんて馬鹿げているとしか思えないのだ。変形するとは機体の装甲を減らさなければいけない

つまりこの白いアダムスは装甲が無いに等しいのだ 先ほどのビームを一撃でも食らえば壊れる そんな機体だ

 

 「さあ逃げるよ」


 危険な状況は変わらずまだ武器を持っている黒いアダムスは三体いる さっき踏み台にした一体はメインのモニターが壊れたのだろう頭から煙を出しその場から動かない 下手に動くと自分や仲間が危ないからだ

 元気達の白いアダムスは踵のホイールを回しその場を離れる


 「とは言ってもいつまで逃げられるかな」


 普通のアダムスは補給無しで一週間は動ける、戦闘になれば話は別だが最低でも一日は動ける

 白いアダムスも六時間くらいなら戦闘出来るが武器を持っていない バイクから人型になった白いアダムスは山を駆け上がる


 「何かいい方法を見つけないと」

 

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