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第1章1ヶ月後

やっと人生の山のひとつを終えたので再開します!後の2小説も同様に

~1ヶ月後~


あれから1ヶ月が経って8月になった。8月というと夏休みの真っ最中だ。今日8月4日の天気は快晴。気温は31度とかなり暑い。


この1ヶ月であの首切断事件はなくなった。犯人が逮捕されたわけではなく、あの日からぱたりと起こらなくなったのだ。警察は今でも捜査を続けてはいるが、一向に犯人の手がかりは見つかっていない。迷宮入りの未解決事件になった。


「はぁ〜。疲れたー。鈴汝、そろそろ休憩しよ?アイスあるけど食べる?」


華美と鈴汝は今、華美の家で夏休みの宿題をやっている。


「うん。ありがとう。」


2人はその後も時折休憩をはさみながらも宿題をやり続け、山のようにあった宿題を終わらせることができた。


「まさか本当に終わるなんて……。ありがと!!華美!8月中に全部終わらせたのは初めてだよ!なんか気持ちが晴れ晴れするね。華美、去年もこんなに早く宿題を終わらせたの?」


華美と鈴汝の高校での夏休みはこれで2度目になる。つまり、2人とも高校2年生だ。もう17歳である。

華美は首を横に振って言った。


「うんん。8月中旬までには終わらせてたけど、こんなに早く終わらせたのは初めてだよ。1人じゃなかなか終わらなくて。勉強会やって良かったね。」


時間はもう20時。13時からやっていたので、7時間くらいやっていたことになる。休憩も入っているので正確にはもう少し短いのだが…。

鈴汝は帰る支度をした。華美は鈴汝を家まで送って行くことにした。


「別に送ってくれなくてもいいのにー。」


「いいのいいの。1人で家にいてもやることないしつまんないから。」


「あ…………。じゃあ、お願いしようかな。」


一瞬しまったと思い、華美に送ってもらうことにした鈴汝。華美のお母さんは今は病院で入院中。

数十日前、お母さんに異変があり検査をしたところ、大腸癌が見つかった。大腸癌は癌の中でも亡くなる確率が高い。手術をしても完全に取り除くのは難しいどのことだ。大腸癌というものは早期の症状からでは癌だと疑いしにくい。下痢や便秘、腹痛、お腹の張り、貧血や体重減少など、知らなければ癌だとは疑わないし分からない。他の癌もそうだ。


助かる人が少ないので、華美は治ることを祈りながらも覚悟をしていた。当時は受け止められなくて数日間ショック状態が続いたが、お母さんの言葉で強く生きると決めた。因みに、華美の父は華美が5歳の時に事故で亡くなった。その頃から女手ひとつで華美を育ててきたお母さん。


「華美、今日は色々とありがとうね。もう暗いし、気をつけて帰ってね。それとも今日は泊まってく?」


「いや、大丈夫。じゃあまた今度ね。」


鈴汝を家まで送り届け終わり、さよならという挨拶を交わす2人。


(あーあ。もう1日が終わっちゃった。……お母さん大丈夫かな…。)


1人暗い夜道を歩きながらそう思う華美。とそんな時、一瞬だが屋根の上を移動する2人組の男の人が見えた。


「え?!今の何?!」


(今確かに屋根の上に人がいた。よくは見えなかったけど男の人?それに2人…。嘘、屋根の上を…走っていたような…。)


気味が悪くなり怖くなった華美。とっさに走り出しながらも、1ヶ月前にあった不思議な体験のことを思い出した。


(男の2人組…前の男も2人組だった…。もう!なんでよ!なんで私ばっかり!お母さんも癌になるし!不幸しかないじゃん…。もうやだよ……。)


目から涙が流れた。恐怖の涙と悲しみの涙、無力からの悔しみの涙。

走っていた足を止め、ハァハァと息切れをしながらひざに手を置く。

3分ぐらい経つと、息が整ってきた。ひとまず落ち着こうと深く息を吐き、胸を撫で下ろす。


(大丈夫!まだ何も失ってない。落ち着けー。……よし!もう大丈夫!……にしても本当にさっきのはなんだったの?なんかほんと変なことばかり起こるな~。)

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