第0章動き出した物語
この小説には不快な言葉が使われている場合がございます。
今回が初めてなので初心者の小説ですが、読んでいただけると幸いです。
これは暗殺の世界でのお話。
ようこそ暗殺の世界……Bloody Wouldへ。
「昨日の17時40分頃、川見奈の川見奈公園付近の路地裏で遺体が発見されました。発見されたのは、川口 野利子さん36歳。遺体は首が切断されており、凶器はまだ見つかっていないとのことです。警察は先日の事件の犯人と同一人物だと考え、連続殺人として調査を進めています。次のニュースですーー。」
………1件のニュースが私の耳に入ってきた。
「あら、これ家の近くじゃない?物騒な世の中ね。
華美、貴方も気をつけるのよ!」
私と一緒にニュースを見ていたお母さんが私に言ってきた。
「うん、大丈夫だよお母さん。それよりもお母さんの方が気をつけてよ。」
私はお母さんの方が心配だ。狙われているのは…大人ばかり…だから。
「そうね。お母さんも気を付けないと…あ!華美!もう学校に行く時間でしょ?早くしないと遅刻するわよ!」
時間は8時を回っていた。
「あ!じゃあ行くね!いってきまーす!」
「行ってらっしゃい!走ると危ないわよ!」
こうして私とお母さんの平凡な朝の会話は終わった。
~25分後~
遅刻ぎりぎりのところで私は学校に着いた。
「華美がぎりぎりに来るなんて珍しいね。なんかあったの?」
学校に着いた途端、友達の鈴汝が話しかけてきた。
「何にもないよ。ただ朝のニュースを見ていて遅くなったの。なんか…気になっちゃって。」
「朝のニュース?あぁ、あの首が切断されていたっていうやつ?」
鈴汝はニュースのことを知っているようだった。
「知ってるの?!」
「う、うん。私も朝見て来たし……。でも私はあまり気にならないかな」
鈴汝はこの事件に対してあまり興味が無さそうだった。だが、華美にとっては気になってしょうがない。何故自分がここまで気になっているのかは自分でもよく分からなかった。ただこの事件が頭から離れない。
~部活終わりの放課後~
キーンコーンカーンコーン♪
「最終下校の時間になりました。部活をやめ、速やかに下校しましょう。」
「華美!一緒に帰ろ!」
部活が終わって帰ろうとした時、鈴汝が誘って来た。
「あ、ごめん…この後寄りたいところがあるの…。」
そう言って私は鈴汝の誘いを断った。
「寄りたいところ?……分かった。また明日ね!」
「うん、ごめんね。また明日。」
華晶が寄りたいところとは‥……路地裏だ。事件があった場所ではないが、やっぱり何かが気になっていた。
しばらく考え込んだ後、自分が何に気になっていたのかが分かった。気になっていたと言うよりは、疑問に思っていたと言う方が正しいだろうか?
華美が疑問に思っていたのは…凶器についてだ。
人の首を切断することが出来るほどの凶器。半端な刃物では首を切断することなんてできない。かと言って大きな刃物などを持っていたら、確実に他の人に見られている。ましてや今は夏だ。ニュースが言ってた死亡推定時刻は17時前後。路地裏とはいえ、いつ人が通るかも分からない中、明るい時間に、しかも首を切断するなんてことをするだろうか?‥……んー。
華美はそんな事を10分間ずっと考えていた。…………
10分経っても答えは出ないまま時間だけが過ぎていった。
「やっぱり分からないな…。暗くなってきたし…もう帰ろうかな。」
時間は19時を回っていた。元々部活が18時半までだったので、帰る時間的には問題は無かった。
華美が帰ろうとしたその時、耳が痛くなるほどの耳鳴りがした。
「 っ!!痛……い…なにこのひどい耳鳴り!」
耳鳴りは段々酷くなっていき、同時に誰かの声が聞こえてきた。その声は耳からではなく、直接頭から響いて聞こえてきた。男性だ…かなり若い人の声。10代後半から20代前半ぐらいの……。雑音が酷くて内容を上手く聞き取ることができなかった。
私はあまりの痛さに途中で気を失ってしまった。
月夜 華美
年齢:16 高校一年生
部活:合唱部
趣味:読書、歌、ハープを弾くこと
特技:運動、音楽&美術全般、理系
家族:母親(父親は事故により他界)
竹内 鈴汝
年齢:16 高校一年生
部活:テニス部
趣味:運動
特技:運動、文系
家族:母親、父親、弟