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青春エトセトラ  作者: 羽柴 歌穂
第1章
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3.恋する幼馴染

「あ!そうちゃんここ、ほら名前あったよ!俺達同じクラスな上に席も前後っぽいよ!やったね!!」

「颯希うっせぇ。お、まじだ。」


 入学式も滞りなく終わり、学校の壁に貼られたクラス割りの、書かれた大きな模造紙を見ながら騒ぐ颯希に促されて俺も模造紙に目をやると、確かに俺と颯希の名前が続けて書かれている。


「ふふ、松永と向井だから同じクラスになると比較的前後になるの嬉しいね。」

「あ~中学の時1回だけ松村とか松山が俺らの間に挟まれたことあったけどな。」

「あれは悔しかったな~。だってあの時ちょうど松山君が一番後ろの席になったから俺一番前の席になっちゃったんだもん!」


 そんなくだらない話をしていれば、クラスを確認できた生徒からそれぞれのクラスに移動して下さい、と言う生徒会の支持が出たので今確認したクラスへと颯希と二人向かった。


「では、皆さんこれから1年間よろしくお願いします。」


 そう言って、担任が締めくくり高校初日は終わった。


 いや、終わるはずだったんだ。


「松永奏汰君!是非、是非我が柔道部に入ってくれたまえ!」

「いや、俺達と一緒に甲子園目指そうぜ!!」

「何を言う、松永は中学時代からサッカー部に所属していたんだ。当然サッカー部に入るよな?」

「いやいやいや、松永君はこの町一番の剣豪、負け無しと呼ばれる彼は我が剣道部に入るのが当然だろう。」


 さぁ、帰ろうと、学校の外に一歩出た途端学校の門で待ち伏せしていたのだろう、男子生徒の集団がこちらに向かって来た、と思えば周りを囲まれやいのやいのと部活の勧誘をし始めた。

 周りの男達のあまりの気迫にすごい…と隣の颯希がポツリと零す。

 俺も思わずその言葉に頷いていた。


 運動は好きだ。

 いや、体を動かす事が好きだ。

 颯希からは「そーちゃんはスポーツ馬鹿だよね。」と、言われ両親からは「奏汰はねー頭が残念な代わりに神様がその素晴らしい運動能力を授けて下さったんだわ。」と、言われる始末。


 そんな俺は、親戚のやっている道場で剣道、柔道、空手を習いながら中学ではサッカー部に所属していた。

 けれど元々どのスポーツも世間一般の男子学生よりかは、こなせた俺は、時々野球部やテニス、バスケ等他の部活にも助っ人として入ったりしており、剣道、柔道、空手は幼い頃からやっていたので流石に弱い者いじめになると思い自ら助っ人を買ってでる事は無かったが、それでも同じ道場だった奴らからの情報で俺がそれなりに強い事が広まっていたらしい。


 が、まさか高校の部活勧誘がこれ程やばいものだとは思いもしなかった…


 本音を言えば、高校に入っても中学時代からやっていたサッカー部に入るつもりだった。

 だったのだが、この殺気迫る先輩達の前で一つの部活を選んでしまったら何だかやばいような気がして


「颯希…逃げるぞ!!」

「え、ちょ、そうちゃん!?え、早!!」


 颯希へ一声かけ、俺は全力ダッシュ、後ろから聞こえてくる声は全て無視して逃げた。







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