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青春エトセトラ  作者: 羽柴 歌穂
第1章
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36.恋する幼馴染

「ん!」

「部長いつの間にそんなに買ったんですか……」

「なんて言うか雅也先輩、ものすごくお祭り満喫してますね……」

「ハッハッハ!お前らがごちゃごちゃしてる間にパパパッと見繕ってきたのさ!ほら、熱いうちに食え食え。」


 そう、得意気に話す部長を見て何と返すか言葉が出てこない俺たちの事なんてお構いなしに部長は言葉を続ける。


「そういや向こうの方に射的とかスーパーボールすくいの屋台があったぜ!俺得意なんだよね、あー言う屋台。」

「スーパーボールすくい……」

「雅也、近所の屋台やってるおじさん達からは屋台荒らしの坊って呼ばれてるもんねー。」

「全く失礼な話だよな。別に好き勝手遊んでるだけで荒らしだなんだ言われたらたまったもんじゃねーよ。」

「そりゃ根こそぎ景品取っ手いったら商売しているおじさん達からしたら荒らしと同義だって思われても仕方ないよ。」


 そう笑いながら深月先輩は何てことないように言うけれど


 いやいや、屋台荒らしってなんだよ

 どんだけ景品取ってたらそんな風に言われんだよ……


 颯希も俺と同じことを思ったのか苦笑いを浮かべている。

 その隣でヒロ先輩は「雅也先輩本当、さいっこう!」と、腹を抱えて爆笑していた。


 この人は笑いの沸点低すぎじゃねーか……


 そもそも部長ってこういう所ガキっぽいって言うか、純粋に楽しんでるってか、人生好き勝手生きてるっていうか……


 あぁそうだ、健兄に似てるんだ。



 初めて会った時から嵐みたいな人だと思っていたけれど、どことなく憎めない感じを醸し出していて、全然先輩らしくないのに何故か親近感みたいなのがあって、それってきっと自分の身近な人間に似ているから自然と一緒にいてもしんどくないって思えてたんだな。



 そう考えだしたら確かに部長と健兄の共通点って結構ある……?


 祭りって言葉がつくものは大体好きだしいつも人の意見なんて聞かないで突っ走るし、けれど何故か周りに人が集まってて、吸引力があるっていうかなんていうか……


 部長のストッパー役って深月先輩だけど健兄にもいたのかな、ストッパー役になってくれる人。


「そうちゃん何か考え事?」

「あー、健兄と部長って似てるなーって。」

「え、今更?」


 なんて颯希が笑うから、何だよと、声を出そうとした瞬間、一気に人が押し寄せてきた。


「う、わ。」

「大丈夫か?颯希。」

「ありがとう、そうちゃん。」

「何か人増えてきましたねー。」

「もうそろそろ花火が始まるからじゃないからかな。」

「こりゃ早めに移動した方がいいみたいっすね。」

「だな。」


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