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青春エトセトラ  作者: 羽柴 歌穂
第1章
121/182

19.恋する後輩

 愁也 side


「今日は、ありがとう、ございました。ヒロ先輩の、お話が沢山聞けて、楽しかったです!っと、送信!!」


 ポコンっ


 と、可愛らしい電子音が鳴って今、打ち込んだメッセージがトーク上に映し出される。

 それを見届けて今度はヒロ先輩とのトーク画面を開いて見たものの、メッセージを打とうとした指は一向に動こうとしない。


 数分そうやってトーク画面と睨めっこをした後、小さくため息を吐き出して画面から目を離した。


 するとすぐにポコンっとメッセージを告げる音が鳴ったので、再びスマホに視線をやれば、先程送ったメッセージに虎徹さんからの返信がきていてそれを読んで小さな笑いが漏れた。


「スタンプ、可愛いやつ使うのなんか意外だな。」


 そんな呟きをしつつ、返ってきたスタンプと似たようなスタンプを俺も送り返す。

 そして今度こそスマホから視線を外して再び小さなため息を吐き出した。


 虎徹さんは初対面がちょっとアレだったので今日、最初に会った時は少し緊張して警戒してしまっていたのだけれど、話しをしてみるとやっぱり根っこから悪い人じゃないってのが分かってきて、段々と打ち解けられて最終的にはすごく話が盛り上がっていた。


 何てったって共通の話題がヒロ先輩の話だしね!


 好きな人の話はするのも聞くのもそれだけですごく楽しいし、テンションがついつい上がってしまうのだ。


 はぁ~虎徹さんから聞いたヒロ先輩の武勇伝かっこよかったぁ……


 話の内容を思い出して思わずうっとりとしてしまう。

 けれど次いで浮かんだ光景にほんの少し気分が沈んだ。


 ヒロ先輩と虎徹さん、仲良かったなぁ……


 2人のやり取りを思い出して段々と気分が落ちていくのが自分でも分かった。


 いや、そりゃ同じ中学でしかもずっと一緒に行動してたりしたんならそりゃ仲も良いよな。


 そうやって自分を納得させようとうんうん頷きながら浮かんできたのはまた別の感情で、


 よくよく考えたら俺ってヒロ先輩の事、何も知らないんだなぁ……


 一目惚れして、好きだと毎日のように口に出しているくせにヒロ先輩の交友関係や、過去の事ってほとんど聞いたことが無かったし、でも別にそれで良いと思っていた。


 だってヒロ先輩を好きだって思う気持ちは本物だし、別に過去とか交友関係とかはいつか知れたらで良いし、知らなくても今のヒロ先輩を1番近くで見てるのは俺だしって思っていたんだ。


 けれどそんな気持ちが今日、虎徹さんと一緒にいるヒロ先輩を見て少し揺らいでしまった。


 優しい顔してたな……


 虎徹さんを見るヒロ先輩の顔を思い浮かべる。


 元舎弟だから?

 それともヒロ先輩にとって虎徹さんは特別だったりするのかな……


 そんな考えが頭に浮かんでモヤモヤしてしまう。


「うぅぅ……。」


 そうやってモヤモヤした感情を持て余しながら部屋で一人、頭を抱えながらうんうん唸っていればポコンっ

 と、再びメッセージを告げる電子音が部屋に響き渡った。


 虎徹さんからかな?


 そう、考えながらスマホを手に取りアプリを開いた瞬間、俺は思わず立ち上がって部屋を飛び出していた。


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