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青春エトセトラ  作者: 羽柴 歌穂
第1章
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8.恋する後輩

 愁也 side


「連れてきましたぜアニキ!」


 まさかこんなセリフを自分が聞く日が来ようとは……


 だってそんな漫画の悪役の端役が言うようなセリフをさ、この現代において聞くと思わないじゃん?

 いつの時代の人間だよとか、どこの世界の人間だよとか、色々ツッコミが出そうになるのは仕方なくない?なくない?なくなくない?


 なーんて呑気に俺が考えていればアニキと呼ばれた男が振り返りグイッと俺の肩を掴んで引き寄せる。


「そいつかぁ……笹原さんが目にかけてるガキってのは。」


 いや、近いです、そして地味に力強く引っ張られたのでちょっと痛いです、アニキって呼ばれてるだけに結構大きいですねー。

 これ、殴られたら絶対痛いよなぁ……

 えぇー俺殴られちゃうの?

 痛いのは嫌だなぁ……


 と、一人ぐるぐる考えていれば、俺の耳に聞き慣れた声が飛び込んできた。


「愁?」


 その声の方を向くと


「ヒロ先輩?」


 驚いた顔をしているヒロ先輩と目が合った。


「お前何でここに!?」


 次の瞬間そう、叫んだ先輩にアハハーと笑いかけることしか出来なかった俺に対してヒロ先輩の眉間にシワがよる。


 いやいやそれはこっちの台詞ですよ~

 ヒロ先輩の名前聞いてノコノコついてきたらまさかご本人がいるだなんて~


 ……そんな馬鹿な


 そう心の声を言葉にしようとした俺の声はアニキと呼ばれた男の言葉で遮られた。


「笹原さん、俺ぁ心底失望したっす。俺達のこと見捨てて普通の奴みたいに生活送ってたくせにこんなひよっこい奴を舎弟にするだなんて……」


 いやいや、俺ヒロ先輩の舎弟じゃないから


「そいつは舎弟じゃねえよ!」


 俺の心のツッコミをヒロ先輩が言葉にしてくれて俺も勢いよく縦に首を振る。


 舎弟じゃなくて恋人になりたいっすからね!


 ……なんて思ったが口に出すほど俺は空気が読めない訳では無いのでその言葉は俺の心の中にそっとしまった。


 危ねぇ……

 いつものノリで言いそうになったわ。


 と、言うか今日はよく言おうとした言葉が遮られる日だなー

 俺、ここに来てまだ一言も発せていないんですけども、そろそろ心の中だけでツッコミ入れまくるのも虚しくなってきたんですけど!!


 そんな風に考えていれば俺の肩を掴む男の手に力が入る。


「それでもこいつの事面倒見てやってることには変わり無いでしょ。」

「った。」


 そう言いながらどんどん食い込んでくる爪の痛みに耐えきれなくなって思わず声が漏れた。

 そんな俺の声を聞いて


「おい、そいつは関係ないだろ。離せ。」


 なんて言ったヒロ先輩の言葉に男は一瞬顔を歪ませ口角を少しあげて言葉を放つ。


「もうあんたは俺らのリーダーじゃねぇ。言う事を聞く義理はねぇよ。」

「じゃあ力づくで返してもらうわ。」

「腑抜けたあんたにそんな事できるかな。」


 いや、その人今でも喧嘩すんげー強いです。


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