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神々の樹海―――叛逆の女神たち―――  作者: クファンジャル_CF
【資料集】
41/41

【設定資料】

"神々"

樹海の星を支配する高等知的生命体。

そのネーミングは、人類が自らを"霊長類"と名付けたのと同程度の感覚。

種全体が非常に高度な遺伝子改造を施されており、その寿命・知能・身体能力は人類を大きく上回る。しかし過剰な改造故にその出生率は大幅に低下しており、滅亡は目前であった。

彼らの生存戦略は、まず人体を用いて個体の寿命を大幅に引き上げ、それで稼いだ時間を用いて次世代の種を生み出し、社会を拡張していくという長期的なものだった。

生命構造は人類に極めて近く、食性もほぼ同じ。可聴範囲等ほとんどの条件が人類と合致しており、記憶移植による代用の肉体として人類は極めて都合がよかった。

元々は地球で言う鳥類に似た肉食生命から進化したが、火を覚え、肉類の栄養が壊れるようになったために植物性の食品も副食として摂取するようになった。現代ではほぼ地球人と変わらない食生活を送る。


"神格"

巨大な不定形の流体―――巨神を自在に操る機能を付加された戦闘用神造神。「巨大な神の人格―――神格を司る」故に神格と呼ばれる。

旧型は神々のクローンから建造されており、それ故のネーミングである。

一般的には「生体の脳に組み込まれるとその肉体を改造し、巨神の制御機能を付与する」システムを神格本体といい、本体を組み込まれた生体―――神々のクローン、人体、知性強化動物―――を神格と呼ぶ。このうち神々に仕えるものを特に"眷属"と呼び、人体を用いてかつ人類に味方するものを"人類側神格"ともいう。

その身体能力は、素手で装甲車をスクラップにし、時速二百キロで走り、対人火器を弾く頭蓋を持ち、千切れた手足が数日で再生するほど。知能も高く、更に脳内に高度な戦闘技術や科学的知識、芸術、哲学、礼法、その他知識化されたあらゆるデータが書き込まれている。

神格本体は無数の微小生体を寄生させており、それを制御する事で神格の肉体を改造・維持する。高い身体性能を発揮しつつも生命に異常をきたさないのもこのため。

人体を用いて製造される神格は、クローンをいちいち製造せずにすみ低コスト。かつ高性能化できるため人気。その代り忠誠心を担保するものがなく、洗脳の必要がある。



"巨神"

「巨大な神」神々が生み出した巨大神像型兵器。

その名の通り本来の巨神は神々の姿を忠実に再現した巨像だった。

これらが建造された目的は、樹海の星に迫る災厄―――超新星爆発後に高度な工業機器を残すこと。災厄後、世界全体を復興するためのリソースを残すために巨神は建造された。単に兵器というだけならば機械制御で十分だったが、高度な自己判断能力・自己管理能力・自己保存能力を備えるとなれば知的生命体―――神々自身が最も適任だった。故に神々のクローンに教育を施し、その肉体を改造して巨神の制御ユニットとした。

災厄後、彼ら神のクローン、復興のための神造神はその役割を十全に果たし、樹海の星を復興させる。

構造的には微細な自己増殖型分子機械の複雑な合成物質である。その総和は流体として振舞い、物理的性質は液体・金属・セラミックのものを兼ね備えている。不定形だがそれでは神格の脳で制御しづらいため、基本的には神格の脳で制御しやすい形状(肉体と同じ形)を取る。

均一構造だが、分子間結合は可動部と不可動部で大きく差があり、「柔らかい」部位は攻撃で比較的破壊しやすい(巨神の武器が壊れにくいのは可動部が完全に排されているからである)。神格の集中力で維持されているため、神格が疲弊した場合も防御力が低下する。そういった事情があるので関節技は有効。無理な力をかけられれば関節部が破断する。(接触した相手を吹き飛ばせる相もあるのでお勧めはしかねる)

巨神は事実上壊れることがないため、搭乗している神格を殺害する事が対巨神戦の基本戦術となる。神格に対するダメージは巨神の損傷具合に左右されるため、小さな力で大きな範囲を破壊できる刃物が効果的。

第二種永久機関であり、また量子論的不確定性を持っていて、神格の観測がなければ物理的に存在しないかのようにふるまう。巨神の亡骸が砕けて蒸発してしまうのはそのため。とはいえ"死んだ"分子機械がその場に残存するため、破壊された場合は後で現場検証を行う事ができる。

神格が破壊された巨神は長期間"揺らいだ"状態で可能性宇宙を漂うが、管理のないそれはやがて壊死して神格が死亡した場所に少しずつ積もっていく。



"相"

アスペクト。

言語学、文法学上において、動詞が表す出来事の完成度の違いを記述する文法形式。あるいは、気体・液体・固体等、物質の状態のこと。

転じて、神格が対応している権能。備わっている独自の能力の傾向を指す。人類側神格"天照"の友人によって意訳された言葉である。


"知性強化動物"

地球の人類が生み出した、神格の素体。遺伝子操作と外科手術で生み出され、概ね二年で成熟し、神格本体を埋め込まれて神格となる。

人類をはるかに上回る知能を持つ。

人類の模倣でしかない第一世代。

人体構造を脱却し、かつ非人間型の脳を持つ故に非人間型の巨神を実現できた第二世代。

植物採用型や、見た目は人体に近くとも根本的に異なる高性能化を果たしたタイプなど様々な発展を見せる第三世代。

の三世代が現在存在する。


"遺伝子戦争"

西暦二〇一六年に勃発した、人類・神々史上初の世界間戦争。二年弱継続した。

戦端は三月十六日に神々の手によって開かれた。

世界各地に開かれた"門"という構造体より地球へ攻め込んだ神々は、まず人類の都市を制圧。そこに住まう人々を連れ去り、占領地を橋頭保として世界中の生命・遺伝子資源の採集を開始。

地球側は当初科学技術の格差によって敗退を重ねていたが、人類側神格"天照"と彼女が連れ帰った捕虜より得た情報から神々の兵器の脆弱性を研究。その戦略目的である遺伝子資源の奪取という点を最大限に突いて大きな戦果を挙げた。

この戦果によって神々の捕虜・科学技術情報・兵器などの捕獲が出来たことで後の復興に大きな弾みをつけたと言われている。

最終的に世界各国の戦力は全盛期の二割近くまで損耗し、これ以上の戦争継続は不可能と判断されたことで門が破壊されることとなる。


"門"

樹海の星と地球を結ぶ超次元構造体。あるいはその展開のための設備。

基本的には門の展開に必要な座標特定は重力情報が用いられており、二つの星の重力状態は極めて酷似している。これは偶然ではなく、生命構造が同じ生態系は似たような重力状況の惑星に発生するだろう、という推測の上であえて同じ重力状況の星に開くよう設定されたため。位置エネルギー的に門のこちらとあちらは同調しているため、原則的に対応する場所に開いた門が、惑星の移動によって置いてけぼりになったりはしない。

神々にとっても最高水準の科学技術の産物であり、今のところこれを単独で開く機能を持った神格を建造する事は不可能である。

ちなみに地球で三十五年が樹海の星でも三十五年なのもこれが原因。


"パイナップル"

パイナップル科の多年草。熱帯アメリカ原産。美味しい。

神々の食卓にも、地球発祥のパイナップルは頻繁に並ぶほどのメジャーな食材となっている。

メタ的には神々の世界に対する人類文化・文明の侵略度合いを示す尺度として登場した。ちなみに作者が神々の樹海を執筆中肺炎を患っており、パイナップル食いたい…などと考えながらあの戦闘シーン書いていたのが登場理由。ちなみにあのシーン当初、フランが造った生体爆弾にガラス片突き刺したもの投げ込む…とか考えてて我に返ったという経緯が。素材はサバ。あのシリアスなシーンにサバ。それはねえだろ!!となったので冷静に考えた結果パイナップル。当時の私の脳みその茹り具合はお察しください。

というわけで皆さん。神々は普通に地球の文物使いますし地球の食い物食います。なんでジャガイモあるのとかトマト喰ってるのとか言われたら全部地球から持ってきたからです。なので突っ込まないでください。お願いします。(ジャガトマ警察避け設定)


"命名規則"

人類を使用した神格には基本的に地球の神々の名と、そしてそれを元にしたデザインの巨神が与えられる。理由はせっかく人類を用いているのだからそっちの方が整合性があり美しい、と神々が考えているから。もちろん例外はある。

ちなみに特定のデザイナーや営利集団が神話体系ごとに使用権を獲得している場合がほとんどで、神格を新たに建造する場合は彼らに希望のデザインを発注するとそれに合ったネーミングやデザインが完成する。あとは製造中の神格本体にそれらのデータをインプットすると巨神の基本形態が出来上がるという仕組み。


"日本統合自衛隊"

遺伝子戦争終戦時、損耗率八割を超えていた自衛隊はそのままの状態で組織を立て直す事は不可能だった。そのため、再編され、後々に神格を主力とすることを念頭に置いて日本統合自衛隊として再スタート。物語開始時点では第一世代型四十八柱、第二世代型三百六十柱、第三世代型百八柱を主力とする世界的に見ても極めて強大な軍事力を抱えた組織となった。

なおこれらの神格は様々な国でライセンス生産され、戦後日本の復興の財源ともなっている。

ちなみにこの時代の自衛隊はちゃんと暖かいシャワーが出ますご安心ください。その他もろもろの問題点も大方解決しています。(損耗率八割超のせいでほぼ完全な新組織となったのが大きな理由)


"神格支援艦かが"

元は護衛艦"かが"。遺伝子戦争を生き延びた数少ない護衛艦。後に再スタートを切った日本統合自衛隊において、神格を支援するための母艦として類別変更を受けた。幾度かの大規模な近代化改装を経ている。

任務の性質上極めて神格用の医療設備が充実している。


"機械知性体"

本編でもさらっと触れられているが、この時代、自我を持つ知性機械が存在する。彼らもその知性と自意識のレベルによって等級がつけられ、人類の一員として人権を付与された者も存在する。

ちなみに人権を持つ知性機械や知性強化動物は所属組織からちゃんと給料出ます。法的には長生きすると年金も出るはず。その辺はどうなるか、まだ最年長の知性強化動物でも三十三歳のために結論は出ていない。

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