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第1話 待ちに待った…

初投稿です。下手くそすぎるとは思いますが、頑張って時間かけてせっせと書かせていただきます。

「アザレア・エスタール!!

嫉妬に狂い、リリーに行った数々の所業。第二王子であるこの俺が知らぬとでも思っていたか!!」


やっと、やっとこの時がきた。

ずっと、ずっと待っていた。

彼女は彼から貰えるあの言葉を。


「俺が貴様を断罪する!!その数多の悪行と嫉妬に狂った醜い顔。高貴なる俺の妻どころか婚約者としても相応しくない。よって、俺との婚約破棄と学園からの追放を言い渡す!!」


彼…ザイル・フォン・セイジアスが高らかに宣言する


「そして、俺とリリー・アズール男爵令嬢との婚約を宣言する!!」


「ザイル様!!」


嬉しそうに幸せそうににっこりと笑ってリリーはザイルに抱きつく。それはまるで感動の一幕のように、一枚の名画のように美しい光景である。見た者全てが祝福の言葉を送りたくなるほどなのだから。



立場や状況、人物の性格などを含めなければの話だが。


「さぁ、さっさと荷物をまとめて出ていくがいい。

ああ。その前にリリーが受けた痛みをお前も味わえ。やれ。」


「ねぇ、アルフォード。」


その場に甘く毒を孕んだ声が落ちる。


「はい。なんでしょう姉上。

ああ。そんなとこにいては邪魔だよ。退いてくれない?糞王子。」


「な、んだと!!アルフォードお前!!やはりそこの愚かな女の弟「ねぇ、アルフォード。わたくし、婚約破棄されたのね?」


アルフォードを睨み付け、罵ろうと声を荒げたザイルの言葉を遮ったのは彼に今しがた婚約破棄されたアザレアの震えた声



「はい。その通りです姉上。」


アルフォードはにこやかに嬉しそうに自らの姉に現実を教えてやった。


「よく言った!!アルフォ「今日は宴ですわ!!」


「は…?」


「はい。姉上。おめでとうございます。家では宴ですが、再来週からファナカード学園は試験が始まりますのでその準備もしなければなりませんよ。」


「ふふっ。わかってるわ。でも今宵は長年の望みが叶ったの。朝まで飲み明かしましょ?」


アザレアに現実だと教えるアルフォードをザイルは褒め称えようとしたが、それはアザレアの宴会発言で遮られた。


朗らかに笑いながら興奮で頬を染めるアザレアは文句無しに美しい。言ってる事が呑んだくれの親父のようであったとしても。


「ええ。お付き合いしますよ姉上。」



「っ…?」


今まで自分の邪魔ばかりしてきた女に屈辱を味わわせる事ができるとそう思っていたザイルは幸せそうに微笑みあう二人を唖然と見やる。


そんなザイルと途中から話について来れなくなっていた取り巻き達に気づいたアザレアとアルフォードは美しく毒を混ぜた笑みを向けた。


「ん?皆様どうなさったの?わたくしがいなければ皆様幸せになれるのでしょうに。もっとお喜びになって?」


「そうですよ。皆さん。喜ばなければ!!皆さんの願いが叶ったんですから。まあ、今までの全てを魔道具に記録し城に届けさせて貰ったので叱責は免れませんけどね。物事を見極めようともせず、姉上との婚約をこんな形で裏切ったこと、せいぜい後悔してください。」


くるりと二人はその場で回る。すると次の瞬間には服装が変わった。

白を基調としたものから黒を基調としたものへ。



ファナカード学園の…


見ていた生徒の誰かが呟いた。



アザレアがクスリと笑う。

「ああ。そうでした。わたくしは婚約破棄と学園追放をされましたので、この学園の者ではなくなったんでしたわ。なので改めて、王子殿下にご挨拶を。

ファナカード学園生徒会にて[魔導]を賜っております。アザレア・エスタールにございます。」


「それでは俺からも。エスタール侯爵家が一人、アルフォード・エスタール。ファナカード学園生徒会にての座所は[技導]にございます。」


「以後、関わる事はない故」


「覚える必要もございませんがね。」


「この挨拶を最後に」


「お暇させていただきます。」


「それでは皆様さようなら。」


「願わくば皆様が」


「「業火に巻かれて地獄へ堕ちますよう」」



仮にも貴族の使う言葉か?と思うような暴言を残して

アザレアとアルフォードはその場から消えたのだった。

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