2.狼狽する若者 5
早暁。
寝不足の頭を振って、ユレイオンは塔長の部屋の扉を叩いた。
「おはようございます」
部屋に入るとすでに他の参加者は揃っているようだった。
暖炉の前のソファに三人の老人、それから机の塔長。
「その顔だと遅くまで祭祀長にしごかれておったようじゃの」
ユレイオンがうなずくと、塔長は笑いながら立ち上がった。
「まあ、分からぬことがあったらこの三人に聞くがよい。みなベテランじゃからのう。火のラマカ、地のスーラ、風のエスターじゃ。彼がメルニーの代わりに水を担当するユレイオン・フォーレル。ユレイオンはこの三人、よう知っておろう?」
「はい」
ソファに腰掛けた三賢人は、塔の者なら誰もが知る重鎮ばかりだ。授業を受けたこともある。
剃髪で肌の色が浅黒いラマカ師は見た目と同じく厳しくて怖い。白いあごひげとにこやかな笑顔のスーラ師は怒ったことがないことで有名だ。緑色のベレーをかぶったエスター師は芸術家肌で神経質。
「ご無沙汰しております」
礼を尽くすと、三人は黙ったままうなずいた。
「それから、もう一人同行者がおるのじゃが、遅いな」
「わいならここにおるで」
きつい南方訛りが部屋の隅から飛んでくる。




