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ダラダラ異世界チート食べ歩記  作者: なすびいふん
9/26

観光してみた

 





 異世界四日目


 朝起きると、すでにルナが目を覚ましていた。

 昨日のことを聞いてみると、どうやら部屋に戻ってきた記憶がないらしい。

 ルナさん、甘え上戸なんですね。

 変な奴に甘えて勘違いとか生みそうだから、あんまり外でお酒飲ませないようにしよう。

 朝食を食べながら今日何するかをルナに聞いてみることにした。


「ルナ、今日なんだが、もうお金も結構手に入ったし依頼はやめようと思うんだけど、正直他にやることがないんだよね。なんかやりたいことある?出来れば魔法の練習以外で。」

「ん、分かんない。」


 ふむ、これは困った。

 異世界に来て早々に暇になってしまった。

 まぁダラダラするの好きだからいいんだけど。


「なんだい、あんたたち。そんなにやることないんだったら街でも見て回ればいいじゃないの。」

「なるほど。」


 確かに、この町に来て4日目になるが、必要な店を回っただけで何にも見ていなかったな。

 これから旅をするのに世界各地を観光もしていこうと思っていたし丁度いいかな。


「ルナも今日は観光に行くってことでいいかな?」

「ん。おっけ。」


 じゃあそうと分かれば、今日は一日観光だな。

 部屋に戻って着替えたら早速出発するか。

 その前にちゃんと出された朝食は食べないと。






 ――――――――――――――――――――






 朝食を食べて着替えた俺たちは早速街に繰り出していた。

 目的地しか目指してなかった昨日までとは違い、街がすごく新鮮な光景に見えた。

 大きな通り沿いにはいくつもの露店が出展されていたり、何か人溜まりが出来ているかと思えば、冒険者同士が殴り合いをしていたり。

 あの殴り合いみたいのは多分実力試し的なものなのだろう。

 観客はどちらが勝つかの賭けをしてる人もいたりと、大きな盛り上がりを見せていた。

 そんな勝負にはあまり興味がないので、盛り上がりを他所に通りを進んでいく。

 進みながら色んな露店に目を通していく。

 普通の食べ物を打っている店もあれば、ゲテモノみたいなものを売っている店もある。

 食べ物以外でも、アクセサリーのようなものや本、わけ分からん壺みたいなものを売っている店もあり、フリマと屋台が同じ場所で展開しているようなところだ。

 いくつか見たところで、綺麗なガラス細工のようなものを売っている店を見つけた。

 商品を手に取り綺麗だなぁなどと考えていたら、隣にいたルナもネックレスの先にガラス細工の付いたものを手に取り目を輝かせていた。

 うん、そういえば昨日大したご褒美をあげられていなかったし、ちょうどいいかな。


「ルナこれ欲しいの?」

「ん、でも高いよ?」

「昨日ルナがいっぱい稼いだから大丈夫だよ。昨日大したご褒美あげられなかったし折角だから買っちゃうよ。」

「ん、ありがと。」


 ルナが持っていたネックレスを受け取り、値札を見てみる。

 うげっ、確かに高いな。

 これ一つで150000ファルってそんなに簡単に売れるのか?


「すみません。これください。」

「はいはい、あれま?どっかの貴族様でしたか?」

「いえ、違いますけど。」

「へー、こんなものにお金使う余裕あるなんて随分とお金持ちなんだね。」

「あぁ、大きな仕事が成功したんで、妹にプレゼントとでも思ってね。」

「へぇ、良いお兄さんで良かったね。」

「ん!」

「それじゃあ、150000ファルだよ。」

「あ、はい、これで。」

「はい確かに。ありがとうございました。妹想いのお兄さん。」


 あはは、なんか変な思い込み入ちゃってるな。

 購入したネックレスをルナに渡してやる。

 嬉々とした様子でネックレスをかけ、それに見とれるルナ。

 うん、こんなので喜んでもらえるようならよかった。

 ルンルン気分で街中を行く妹様。

 ただルナちゃんよ、嬉しいのは分かったから前を見て歩いてくれ。

 その後も美味しそうな串焼きを露店で購入したり、色んなヘンテコなものを見たりして楽しく観光を楽しんだ。






 ――――――――――――――――――――






 色々なものに目を引かれながら歩いていたら、いつの間にか街の端まで来ていたらしい。

 来た方向と別の方向を見てみると、ボロボロな教会のようなものを見かけた。

 なんであんなにボロボロなんだろう?

 立て直せばいいのに。

 そう思って教会に足を運んでみることに。

 近くまで行くと、教会の庭のようなところに小さな家屋のようなものがあった。

 庭では子供たちがわいわい騒いでる。

 子供たちの遊び場なのかな?

 教会に入って聞いてみることに。

 教会に入ると、外だけかと思ったら中の設備もなかなかにボロボロで、ほんとに教会なのか疑問を感じた。

 中に行くと神父さんらしき人がいたので、折角だから話を聞いてみることにしよう。


「ようこそ。こちらの教会にどういったご用ですか?」

「あ、すみません。ちょっと気になって入っただけなんです。」

「そうですか。まぁゆっくりしていってください。」

「あ、はい。――あの、なんでこの協会はこんなにボロボロなんですか?」

「あぁ、そのことですね。今、世の中で信仰されている宗教をご存知ですよね。」

「えっと、すみません。分からないです。」

「今は、世の中では光の神レイス様を信仰しています。しかし、そのレイス様を信仰する考えというのは、20年前に突然現れたのです。いきなり現れたのに関わらず、周りの人々や教会の人々は、そのことに違和感を感じることなく受け入れているのです。」

「はぁ。」

「ですが、それは明らかにおかしいと感じ、以前より信仰していたリリス様のことを人々に思い出してもらおうと必死に布教を行いました。しかし、何故か他の人々はリリス様のことを忘れているようで、寄付も途絶えてしまい、教会本部からの援助も途絶えてしまったので、このような状況になってしまったというわけです。」

「なるほど。」


 それって世界規模でってことだよね。

 この世界大丈夫なのか?

 神様に聞いたら何か分かるかな?

 てか今思ったけど、俺のことこっちに送ってくれた神様の名前聞いてねえや。

 後で聞いてみよう。


「あと教会の裏で子供たちが遊んでいたのですがあれは…。」

「あれはですね、帰る場所の無い子供たちを引き取って裏の家屋で面倒を見ているんですよ。このような世の中ですから飢えに苦しむ子供たちが多くいますからね。私が信仰しているリリス様ならきっと見捨てないだろう、と思いまして。せめて私の目の届く範囲の子供たちでもと思って始めたのですよ。幸いそこまで多くはないので、なんとか保護できているのですが。」


 やべえ、めっちゃ良い人や。

 自分の生活もままならないはずなのに、人の面倒まで見るなんて。


「お金もないのにそこまでしてて、生活は苦しくないのですか?」

「私みたいな老いぼれの生活なんてどうでもいいのですよ。あの子たちが元気でいてくれれば、それで幸せなのですから。」

「はぁ。」


 前世も今世もそうだけど、なんでひたむきな奴って報われないことが多いのだろうか。

 人生って世知辛い。


「色々とお話しありがとうございました。あ、そういえばあの入ってすぐのとこにある箱って寄付用ですか?」

「はい、まぁ長く使われていませんが。」

「なるほど、色々とお話しして頂きましたので、帰りにでも寄付させていただきますね。」

「おぉ、ありがとうございます。今日は子供たちに少しはましなものを食べさせてあげられます。」

「いえいえ、大した額ではないですから期待はしないでください。」


 その後も少し神父さんと色々お話をして、気づいたら夕方になっている。


「そろそろ遅くなってきましたし、今日は帰りますね。」

「はい、私も楽しい時間を過ごせました。」


 帰ろうとすると、ルナが隣にいないに気付き近くを探す。

 すると、外で子供たちと外で遊んでいるルナの姿を見つけた。

 ルナの人付き合いスキルはほんとにすごいな。

 教会の裏から庭に続く出口を通り、外に出てルナに声をかける。


「おーい、ルナ。そろそろ帰るぞー。」

「ん、分かった。じゃあ、私帰るね。」

「ルナおねえちゃん、バイバーイ。」

「また来てねー。」

「ん、バイバイ。」


 ルナを連れて、教会に戻る。


「それでは神父さん。またそのうち来ますね。」

「はい、いつでもお待ちしております。」


 教会を出る際に寄付箱に金貨2枚程入れておく。

 これで少しは良い生活できるといいけど。

 ふむ、しかし一日観光していて色々とあったな。

 特に教会関連のことは気になる。

 今夜にでも神様に電話して聞いてみるか。






 ――――――――――――――――――――






 宿に戻って夕食を頂き、シャワーも浴びてあとは寝るだけ。

 ルナが寝るのを見計らって、人目につかないように宿の屋根に上る。

 今夜は晴れて月も出ていていい夜だな。

 屋根に腰掛けてポケットからスマホを取り出す。

 連絡先から“神様”を選び電話を掛ける。


「はい、神様なのじゃ。」

「あ、もしもし、三日ぶり。」

「いつかかって来るかなと待ってたのじゃ。」

「そんなにつまらないのか。」

「うむ、休みなく色んな世界を管理し続けるなんて面白いわけないのじゃ。」

「あはは、あ、そういえば聞きたいことがあって電話したんだけど。」

「ん、なんじゃ?」

「あ、それよりまず神様の名前教えてもらっていい?聞きそびれてたなと思って。」

「おお、そういえば言ってなかったの。我の名前はネイトじゃ。」

「ネイトか、覚えておくわ。話は変わるけどネイト、こっちの世界でリリスって神様が信仰されていたらしいんだけど知り合いだったりする?」

「うぬ、リリスか?我の配下の天使にそんな名前の娘が一人おるが、多分そやつのことではないかの。」

「おお、リリス様は実在したのか。じゃあ光の神レイスってのも信仰……と言っていいのかな?まぁ信仰されているみたいなんだけどそっちは知ってる?」

「レイス?そんな名前の者はこちらにはおらぬよ。それがどうしたのじゃ?」


 今日聞いた話をネイトにする。


「ふむ、それなら多分何者かが魔法か何かでそう仕向けたのだと思うのじゃ。」

「それってこの世界的には大丈夫なの?世界に負荷がとかそういうことは…。」

「人間の考えが変わるだけだから、別になんてことはないの。」

「そっか。ちなみにその魔法、ネイトがどうにかすることって出来ない?」

「我は直接世界に関与することが出来ないのじゃ。お主の時のように間接的になら出来るのじゃが。」

「そっか。でも魔法ってことは術者か術式とかを潰せばどうにかなったり?」

「うむ、おそらくは。」


 ってことは旅の目的に、その魔法を使っている、人かは分からん何かをぶちのめすってのも追加だな。

 そんなに人々の生活を害してるものじゃないし、気が向いたらどうにかするかね。

 その魔法をかけた場合に利益があるやつを考えれば、なんとなく教会本部かその関係者だろうとは思うが。


「あ、そういえば今いる街の神父さんが、なんでか知らないけど魔法がかかってなかったんだけどなんでか分かる?」

「うむ、おそらくじゃが、そういう催眠系の魔法は意識の表層を上書きするものだから、本当に深く信じ込んでたりすると効かない場合もあったりするのじゃ。」

「なるほど。じゃああの神父さんは相当に真摯にリリスって天使のことを信じていたってわけですかね。」

「うぬ、おそらくは。」


 まぁあれだけの貧困にも関わらず己の信念曲げないくらいひたむきな人だし、そらぁ効かないわな。

 そんなひたむきな人が不幸になるのはあんまり見たくないし、いつかは解決してあげよう。

 ただ俺にも俺のやりたいことがあるし、あくまで気が向いたらだな。

 別に世界を救う義理とかあるわけでもないしな。

 その後は深刻な話などなく、ルナと知り合ったことだったりワイバーンを倒したことなどを話した。

 そんなこんなで楽しい夜を過ごした。

 ちなみに電話の片手間に先日の宴会中にかっぱらったお酒を飲んでいたのは内緒。

 しかしお酒を飲むときはやっぱつまみが欲しいな。

 今度なんか魔物倒したらジャーキーとか作るのもいいな。

 お酒のつまみをどうするかを考えながら、屋根を後にして部屋に戻ることにした。






いつかこの内容に触れた話をしようと思うけど、それは先の話。

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