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ダラダラ異世界チート食べ歩記  作者: なすびいふん
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テンプレ?ただの日常ですが何か

 





 街の外に出て3時間。

 妹様の魔法の覚える速さは絶対異常です。

 あの後氷属性に加えて、雷属性までも魔法書に載っていた魔法全部覚えちゃいました。

 ちなみに魔法の属性の優劣は火→氷→風→土→雷→水→火、光⇔闇となっている。

 あとは特殊属性が色々あるらしいが詳しくは知らん。

 ちなみに妹様の魔法は、錬度とかはまだまだ全然なんだろうけど、圧倒的なMPの量で一人で弾幕張れるから、このまま魔法覚えさせたら下手したら一人で軍隊相手も出来るんじゃなかろうか。

 そのくらい強くなってくれれば、そこまで心配しなくてしなくてもいいだろうから安心だけど、仮にも妹になったわけだから守ってあげたり出来なくなるのは残念かもしれない。

 あと応用に関するセンスも半端ないことが分かりました。

「氷槍に雷纏わせたり出来たらカッコいいし強いんじゃね?」とか言ってみたら、10分後にほんとに完成させてましたよこの娘。

 しかも、着弾直後に炸裂して拡散弾みたいになるオプションも付け加えてました。

 もう魔法に関しては口出ししなくてもよさそうだな。

 と、まぁそんなこんなでそろそろ査定も終わっただろうと思い、魔法の練習を中断してギルドに戻ることにした。

 夕方になって人通りが減った表通りを通ってギルドに向かう。

 ギルドの倉庫に到着してカウンターに向かいお兄さんに話しかける。


「すみません。」

「あ、カズキさん。査定は問題なく終わりましたよ。肉、爪、翼等、合計で416,000ファルです。これに討伐報酬300,000ファルも合わせて716,000ファルになります。細かい方が良ければ銀貨に崩すことも出来ますがいかがいたしますか?」

「あ、そのままで平気です。」

「そうですか、それではこのままで。あとこれがワイバーンの肉20kgになります。それとギルドカードの更新をしますね。――はい、これでお二方はDランクになります。」

「ありがとうございます。」

「それではまたお待ちしております。」


 これで報酬は全部貰ったな。

 討伐で300,000ファル、素材で416,000ファル、あと肉を20kg。

 なんという美味しい仕事なのだろう。

 これ一回であの宿に半年近く泊まれるよ。

 本来なら大人数で狩ったり、万全の準備の上で犠牲覚悟で戦ったりするみたいだからまぁ妥当なのかな?

 そして、やっぱワイバーンは強かったのか、ランクが一気に二つも上がった。

 登録して一週間しないでDランクって結構凄いんじゃね?

 そんなこんなで、肉とお金をアイテムボックスにしまい、二人で宿に戻る。

 しかし今回はルナが頑張ったんだ(というか俺何もしてない)し、今度何かご褒美あげないとだな。

 ご褒美を何にしようか考えていたらあっという間に宿に到着した。


「ただいま戻りましたー。」

「ただいま。」

「あら、カズキさん、ルナちゃん、お帰りなさい。」

「あ、これお土産なんで宿の皆さんに振る舞ってあげてください。」

「あら、こんな大きなお肉どうしたの?」

「今日ルナがワイバーンを狩ったんで、その報酬として少し分けてもらってきました。」

「ワイっ!?……これはまた凄いものを狩ったんですね。もうあなたたちには驚かない方がいいかしらね。」

「その方が楽だと思いますよ。あ、これがワイバーンの肉ってこととか俺らが持ってきたことはあんまり言わないでくださいね。」

「分かりました。あ、もういつでも夕食食べれますので食べたくなりましたら食堂にどうぞ。」

「はーい、ありがとうございます。」


 そう言い残して部屋に戻る。

 部屋に入り、装備を外してそこらに放り投げてベッドに飛び込む。

 戦闘しなかったとはいえ片道一時間を往復するだけで結構疲れるし、なによりルナの高性能っぷりを見て精神的にも疲れたわ。

 ベッドにダイブして伸びをしていると、ルナも同じベッドに飛び込んでくる。

 いやいやあなた、自分のベッドあるでしょうに。

 まぁ別に構わないけど、あんまりくっつくとベタベタして気持ち悪いと思うぞ?

 ルナは、そんなことは知らんとばかりにくっついてくる。

 なんというか出会ってまだ二日なのにずいぶんと懐かれたもんだな。

 あ、そうだ。

「ルナ、今日は頑張ったから何かご褒美あげようと思うんだけど、何が欲しい?」

「ん、なんでもいいの?」

「まー俺が叶えられる範囲でなら何でもいいぞ。」

「ん。じゃあ、おにぃ、今日一緒に寝よ?」


 おっといきなり難易度が高い望みが来たもんだ。

 何か欲しいものとかそういう意味で言ったつもりだったんだけどな。

 まぁ今朝も同じ布団に入って来てたし、子供をあやす気持ちでいれば大丈夫だろう。

 今朝は不意打ちだったから戸惑ったけど。


「おう、良いぞ。でもそれだけでいいのか?何か欲しいものとかあれば買ってもいいんだぞ?」

「ん、いい。」

「そっか、じゃあ今日は一緒に寝ような。」

「ん!」


 なんというか、最近(会ってまだ二日だけど)ルナが小動物に見えてきたな。

 凄くなでなでしてあげたい衝動に駆られる。

 まぁしませんけど。


「よーし、じゃあ荷物も置いたことだし、夕食でも食べに行くか。」

「ん。」


 ベッドから起き上がって、寝転がった時にぼさぼさになった髪を軽く整える。

 ルナの髪も整えてやると、気持ちよさそうに目をトロンとさせた。

 その仕草が、前世で猫の顎を撫でた時に似てるなと思いクスッとする。

 そのままルナを連れて、夕食に向かうことにした。

 下に行くと、何やら食堂の方が騒がしい。

 自分達は関係ないだろうし、気にすることもなく食堂に入る。

 騒がしいと思ったら、まるで宴会のような光景が目の前に広がっていた。

 ルナはこんな場に慣れていないせいか、怯えて俺の陰に隠れてしまっている。

 そもそもなんでこんな宴会みたいになっているのか理解できない。

 食堂のおばちゃんに理由を聞いてみることにする。


「すみません。宴会みたいになってますが、なんかおめでたいことでもあったんですか?」

「いやねぇ、娘がお客様から肉をいっぱい貰ったらしくねぇ。誰かは教えてもらえてないんだけど、折角だから楽しまないとと思ってね。そしてお客様を巻き込んでたらいつの間にかこんなバカ騒ぎだよ。」

「あー、納得。ちなみに夕食はそこら辺のものを適当につまめって感じ?」

「いや、夕食自体は別だよ。あんたたち二人はまだ食べてないんだったね。すぐ二人分作るから待ってな。巻き込まれたくなきゃ端っこでね。」

「あ、はい。」


 言われた通り、あの宴会にはあまり巻き込まれたくないので、ルナと二人で食堂の端っこの席を陣取る。

 たまに絡んで来ようとする輩がいるが、夕食を食べたら参加しますとか適当言ってごまかす。

 そんな空気に少し耐えていると、おばちゃんが二人分の夕食を持ってくる。

 なんか今日の夕食かなり豪勢じゃないっすか?

 そう思ってると、おばちゃんが近くまで来ると耳打ちをする。


「今、娘から聞いたんだが、あの肉を持ってきたのあんたらなんだってね。これはサービスだよ。」


 おぉ、なんか夕食が昨日の数倍豪華なんだが。

 お世話になってたからってノリと勢いで肉を持ってきたけど、案外自分のためになったな。

 これだから異世界は良いよね。

 前世の日本と違ってすぐ結果になって帰ってくる。

 前世なんぞ、税金やらなんやら、生まれた時から死ぬまでほんとの意味での自由なんてないからな。

 そう言う意味でこの世界はほんとにいい世界だと思う。

 まだ分からんけど。

 夕食を食べ終えて、そんなことを考えながら宴会の様子を見守る。

 てかいつの間にかルナも宴会に参加してるし。

 さっき怯えてなかったか?

 うぉ、酒強そうなおっさんと一気飲み対決してるし。

 あっ、勝ったし。

 次はヒョロヒョロなおっさんと早飲み対決をするらしい。

 そんなこんなで、おっさんばかりの宴会にすっかり馴染んでいるルナ。

 こうして見ると、俺より圧倒的に人付き合いのスキル高いよな。

 さりげなくかっぱらった度数の高い酒をすすりながら、宴会の様子を見て思う。


「連れがあれだけ頑張ってるのに、あんたは行かなくていいのかい?」

「自分はゆっくり、いっぱい飲む方が好きなものでね。」

「なんだかおっさん臭いねェ。」

「ほっとけ。」


 そんなこんなで、他愛のない会話をおばちゃんとしてるうちに相当の時間が経っていたのか、すっかり宴会は解散ムードになっていた。

 そこらのおっさんと一緒に飲んでいたせいか、すっかり酔っぱらったルナを介抱する。

 なんで普段はあんなに引っ込み思案(出会ってまだ二日です。)なのに、こんな場には溶け込めるかね。

 今まで楽しめてなかった分って考えると、文句の一つも出ないけど。

 まぁ今日はもう遅いし、考えるのは後日に回して今日はもう寝ようかな。

 酔っぱらって寝てしまったルナを抱えて部屋に戻る。

 今日分かったが、ルナも案外お酒好きみたいだし、これからは一緒にお酒を楽しめるみたいだし良かった。

 お酒大好きな身としては、一緒に旅する友はお酒を飲めた方がいいからね。

 そんなことを考えつつ、ルナをベッドにそっと寝かせてやる。

 布団をかけてやり、おやすみと一声かけてあげようとする。

 ……うん、なんでだろうね。寝てたはずの女の子と目が合っちゃった。


「えっと、ルナ?もう寝ないと駄目だよ?」

「ん!」


 なんか、楽しそうな声をあげながら抱きつかれてしまった。

 その勢いで二人ともベッドに倒れこみ、ルナは楽しそうに両手両足で俺の身体に絡んでくる。

 さすがにまずいだろこれ。

 取り敢えず離れてもらわないとな。

 そう思ってルナに一声かけようとしたら、なんか小さな寝息が聞こえ始めた。

 寝るの早っ!

 寝たみたいなので、ルナの拘束を解こうとする。

 ……ちょっとルナさんや。

 あなた筋力パラメータ大したことなかったよね?

 なんでこんな力強いんですか。

 ビクともしないってどういうことですか。

 それからしばらくもがいてみたものの、全く外れる様子がないのでもう諦めた。

 しかしこうも拘束されちゃ本も読めねえや。

 明日からどうするかでも考えるか。

 そんなこんなで異世界の夜は更けていった。






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