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ダラダラ異世界チート食べ歩記  作者: なすびいふん
17/26

米、酒!

 





 あの後は夕食を食べて寝るのみとなった。

 最初は車で寝ようと思ったのだが、良く考えたら大人4人が車内で寝るのはきつい。

 というわけで、テントを張って寝ることにした。

 勿論男女は別にした。

 フォンが夜の番をすると言って聞かなかったが、結界を張るから平気だと説得した。

 説得するまでに30分もかかったとこは、さすが騎士様だなと思った。

 そんなことはあったが、無事夜を明かした。

 朝食はパンなどで軽く済ませた。


「それじゃあこの後はベイルの町に向かうのな?ただまぁその車?とやらに乗っているだけだけど。」

「うん。そうだね。」

「ふむ、では少し休んだら早速向かうとしよう。」


 テントを片付けて、早速車に乗り込む。

 昨日は二時間くらいは車を走らせていたので、多分あと300kmくらいかな?

 そんなことを考えてアクセルを踏み込む。

 少し走ると、魔物の群れが現れた。

 昨日は、車に乗っている時は魔物に遭遇しなかったから少しレアだな。


「よーし、ちょっと前方に魔物の群れがいるから、降りて戦おうか。」

「ん。」


 いつも通りに戦闘準備をして、車を降りる。

 アクアとフォンはやや遅れて車を降りる。

 今回の魔物は牛型の魔物のようだ。

 ふむ、丁度これから米がある町に行くんだから、牛肉を調達して豪勢に焼肉もいいな。


「ルナ、あいつらとっ捕まえて焼肉しようぜ。」

「ん、おけ。」

「しかし、カズキ殿。あの数を一度に相手というのは……。Eランクとはいえ、仮にも魔物なのだが。」

「そこはまぁ見てれば分かるさ。ルナ、思いっきりやっちゃって。」

「ん。」


 ルナが詠唱を唱え始める。

 周囲に魔法陣がいくつも浮かび上がり、そこから土の槍が出てくる。

 相も変わらず正確な狙いで、牛型の魔物を蹂躙していく。


「これはなんというか……。ルナ殿は魔法が凄いのだな。」

「えぇ、教えた自分が引くくらいの天才ですね。」

「あらあら、ルナさんはどこかの高名な魔法使いさんだったのですか?」

「んん。魔法、覚えたの最近。」

「あらあら、それはそれは。」


 始末が終わったので、魔物をアイテムボックスに収納していく。

 焼肉をするには、焼肉のタレが欲しいし、あとで持ってる材料使って作ってみるか。


「しかし、車?とやらを持っているわ、魔法も強いわ、良く分からん術で牛の魔物をしまうわ。カズキ殿たちは本当に何者なのやら。」

「それは聞かない約束だよ。」

「うむ、思っただけだから気にしないでくれ。命の恩人に無理な追及はしないさ。」

「それならいいさ。」


 魔物の群れを蹴散らして、収納も終わったので車に戻る。

 すでに車内には、戻ってきてアニメを見ていたルナとアクアの二人。

 そういえばアクアは一日5話までって制約作ったの知らないよな。

 また同じ説明をすることになる気がする。


「それじゃあ出発しようか。」

「ん。」


 その後は、また車に乗ってベイルに向かうことにする。

 しかし、車移動だと俺しか働かないから、長期間の移動はつらいな。

 フォンくらいには今度運転の仕方でも仕込もうかな。






 ――――――――――――――――――――






 あれから3時間。

 他の魔物には合うことなく、ベイルの町に到着した。

 アニメの一日の上限を超えてしまったため、アクアが絶望したりはしたが、この前のルナ同様の説明をしたら、青い顔をして凄い勢いで首を縦に振ったりといったことがあったが、他に大きな問題もなく到着した。

 町に入るのにドレスや騎士の格好は、正体がばれたりと大変だから適当に着替えさせた。

 馬車は壊されたが、荷物は無事だったようなので、そこにあった着替えに着替えていた。

もちろん車は隠しました。


「ふむ、それじゃあまずは飯だ!」

「ん!」


 今度こそまともなおかずがあることを祈って、店を探す。

 適当に良い匂いがする店を探して、入る。


「すみません。今やってます?」

「あいやってるよ。」

「それじゃあ4人でお願いします。」

「あいよ。それじゃあそっちの席ね。」


 席に着いてメニューを見る。

 ふむふむ、なんか良く分からない名前の料理ばっかだけど、まぁ適当に選べばいいかな?

 みんなも決まったみたいだし、早速注文。

 その後、待つこと15分。

 お盆に乗せらてて、料理が出てくる。

 おぉ、ご飯にスープ、肉野菜炒めのようなものに加えて煮物のようなものが乗っている。

 いや、まだ騙されてはいけない。

 前回はこれでガッカリしたからな。

 そう考えて、恐る恐る料理を口に運ぶ。

 ……おぉ、これは塩味が効いていて、また、火を通した野菜や肉汁が絡んでいていい。

 かすかに感じるのは味噌ではないか?

 前回と違って米に合う料理だ。

たまたまあの店がおかしかったのかな?

 取り敢えず、これは、これは、手が止まらない。

 しかも、野菜炒めの味付けからなんとなく分かっていたが、このスープは味噌汁じゃないか!

 この町には味噌がある!

 煮物も前回の甘ったるいものじゃなく、甘辛くてご飯が進む。

 なんでこんなにご飯に合うのに、最初の街だとあんなに合わないおかずを出していたのだろうか。

 いや、しかしこれは至福だ。

 ここまでやって来た甲斐があった。


「ルナ。米はやっぱ美味いな!」

「ん!」


 だけど、米を食うに当たって一つだけ問題がある。

 大した問題ではないが、気になるのは――


「あら、これは美味しいですね。初めて食べました。」

「ふむ、しかしこの米?という奴はスプーンにくっ付いて食べづらいな。フォークでは掬いづらいし。」


 そう、箸がないのです。

 ご飯をスプーンで食べるのは、カレーとかでやってるからおかしくはないが違和感が……。

 てかマイ箸作るかな。

 ぶっちゃけ一番使い慣れているし。

 うん、あとで作ろう。

 しかし、なんか俺食い物に関してだけなんかいつも思考が激しい気がする。

 あと、お米が手に入ることが分かったら、次はラーメンが食べたくなってきた。

 あれは多分ないから作るしかなさそうだな。

あぁ、あのドロっとした豚骨醤油の太麺のラーメン食いたぃ。

黄身が半熟の味玉とかとろとろのチャーシュー。

よし、暇になったら作ろう。


「いやぁしかし美味かった美味かった。これだけでも遠くからベイルまで来た甲斐があった。」

「カズキさんは本当に食べるのが好きなんですね。」

「町の外での食事にも力が入っていたな。」

「まぁ美味いもの食べて、美味い酒飲んで、ダラダラして過ごすのが俺の人生の楽しみだからな。」


 ふむ、しかしこうして考えると最近酒飲んでないな。

 人が増えたお祝いに、今日辺りにでも飲みにでも行くか。

 それに米があるなら清酒、つまり日本酒があるかもしれないな。

 うん、今日の夜は居酒屋的なとこ探すか。

 そんなこんなでお昼を堪能した。






 ――――――――――――――――――――






 その日の夜、適当に宿を取って飲みに行くことにした。

 あんまり騒がしい所だとアクアが不慣れだろうし、そう思って比較的に落ち着いてお酒が飲めそうな店を探した。

 見つけたのは現代で言う割烹風な店。

 ちょっと高いらしいけど、正直ボックス内の魔物売ったら金なんていくらでも出て来そうだったので行くことにした。


「いらっしゃいませ。」

「あ、四人でお願いします。」

「はい四名様ですね。お席に案内します。」


 ふむ、異世界の居酒屋がどんなおつまみを出しているか楽しみだな。


「よーし、じゃあ今日は無礼講だ。お金は気にせず飲もう。アクアたちも追ってはいないだろうし、来ても魔法て教えてくれるし、今日は気を抜いてくれな。」

「はい。カズキさん。」

「うむ、お酒などいつぶりであろうか。」


 そう言えば聞いてなかったけど、この二人もお酒は大丈夫そうだね。

 ルナは以前そこらのおっさんと馬鹿みたいに飲み合ってたし大丈夫だろう。

 早速色々と注文してみる。


「それじゃあ、まぁしばらく仲間になることを祝って乾杯!」

「「「乾杯!」」」

「ゴクゴク、ぷはぁー。久しぶりのお酒はやっぱりいいな。」

「うむ、久しぶりに飲んだが美味しいものだな。」


 酒に飲んでも飲まれるなと言うが、たまには飲まれてもいいと思う。

 てかこの世界はお通しとか席料って概念はあるのかな?

 昔働いてる時にお通しってお客様が来た瞬間に出してたけど、あれって注文完了の合図だから間違いだったんだよね。

 少しすると、色々と料理が出て来た。

 ジャーキーのようなものや焼鳥、焼豚。

 他にはサラダや魚の塩焼きなど、まぁよく見るようなおつまみが多い。

 なんか肉の丸焼きとかみたいのとかばっかかと思ったけどそうでもないみたい。

 ふむ、しかし今までの食事を見て来て思ったが、揚げ物って全然見てないな。

 唐揚げとかポテトフライとかあれば酒進むんだけどな。

 結構色々頼んだつまみだが、考え事してるうちにもうほとんど残ってない。

 遠慮すんなとは言ったが、ほんとに遠慮のえの字もないのな。

 適当に追加注文を入れる。


「しかし、これで旅の目的の一つが達成されたわけだが、お前ら、これからどっか行きたいとことかあるか?」

「ん。おにぃに任せる。」


 ルナはいつも通り。

 まぁ俺とルナはほんとに世界を観光しているようなもんだからな。


「うむ、私は姫様が行くところならどこでも。」

「うん。この安定感。」

「えぇっと、私は……どこでしょう?」

「うん。こっちも歪みないな。」


 この二人、俺らと会わなかったらどうする予定だったんだろう?

 そもそも盗賊に捕まってる奴隷とかにでもされてるか。

 うん、しかしこのパーティはなんというか、物事が決められなそうなパーティだわ。

 人頼りが二人、優柔不断(俺)、良く分からん(姫さん)ので誰一人これと言った意見がない。


「そういえば国王の座とかなんとかって話だったけど、国に帰らなくてもいいの?第一王女様なのに。」

「えぇ、まぁ王様の座が欲しかったわけではないので構いません。それに、こうしている方が私には合っていますね。」

「ふーん。フォンもそれでいいのか?」

「うむ。姫様さえよければ私は何でも。ただ、もしその選択で姫様が傷つくようならば、絶対に止めます。」

「あらら、フォンはほんとに姫様が好きなのな。」

「すっ!?な、何を言ってるんだ!?」


 あらまぁ、シャイボーイなんですね分かります。

 しかしこうなると本格的に行き先が決まらん。

 しばらくはこの町で食っちゃ寝して過ごすかな。

 そんなこんなで、しばらく話しをしながらお酒を進める。

 ――それから約二時間。


「おにぃ!おにぃ!」

「あははー、カズキさんがいっぱいいます―。」

「ううっ、ひっく。えぐっ、ぐすっ。」


 なんという混沌カオス

 ルナは前同様に甘えまくる甘え上戸に。

 アクアは何やらさらに天然に拍車がかかっている。

 フォンはなんというか、騎士の威厳ゼロだな。

 大の男の泣き上戸は見ていて酷い。

 俺はどうやら酔ってふわふわした感じはするが、身体能力は肝臓にも影響しているのか、まだまだ意識がはっきりしていた。

 うん、今度からはこいつらには頻繁にはお酒を飲ませるのはやめよう。

 たちが悪い。

 結局帰る頃には三人とも酔って寝てしまったので、宿までの帰りが超大変だったのは言うまでもないだろう。

どうやって帰ったって?

ルナとアクアはおんぶにだっこで、フォンは引きずって帰ったよ。

朝、フォンに後頭部に鈍痛がとか言われたけど僕は知りまてぇん。

 ちなみにその後、正直飲み足りなかった俺は、宿に帰ってアニメを見ながら酒を飲むことにした。

 気付いたら寝ていたので潰れたのだろう。

 こうして、宿には四人の潰れた姿が横たわることとなった。

 ちなみに、俺は酔うとよく喋るらしいが、一人だったので特に問題はなかった。






日本酒の話したのに、使い忘れてた。

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