なんか増えました
「私は、コルトルス王国第一王女であり、王位継承権第一位のアクアリウス=リー=コルトルスと申します。気軽にアクアとお呼びください。」
そう言うドレスの女性。
この二人のステータスを確認する。
Name:アクアリウス=リー=コルトルス(コルトルス王国第一王女)
Age:24
Level:8
Name:フォン・テスター
Age:32
Level:38
うん、鑑定の結果が間違えているわけないし、確かに第一王女みたい。
つか、鑑定ってまじプライバシーとかガン無視なのな。
ちなみに騎士の方はフォンというらしい。
「私はフォンと申す。姫様の近衛騎士をしている。」
はい、知ってます。
先にステータス見てしまいました。
「アクア様にフォンさんですね。私のことは当面はプーさんとお呼びください。こちらはピカ〇ュウとでもお呼びください。」
「ピカッ!」
ルナさんや。
打ち合わせもしていないのにノリ良いですね。
いつの間にポケ〇ンみたんですかい?
「それではプーさんにピカ〇ュウさんですね。よろしくお願いします。」
「はい、よろしくお願いします。それと、顔見せ出来なくて申し訳ありません。」
「いえいえ、そちらも何か事情があるんでしょう。」
「あ、はい。」
嘘です。ほんとはただ面倒なことが嫌いなだけです。
「それで、第一王女であるアクア様がなんで襲われていたんですか?」
「それに関しては私が話そう。姫様は王位継承権第一位ということで、何もなければ次の王様に選ばれることになっていた。今の国王様がもうそろそろ国王様の座を譲ろうとしていると、国民の間にも噂として流れていることもあって、国中で騒がれていた。」
うん、まぁここまで来たら流れは読めた。
多分襲撃の相手は宰相か第二、第三王子とかだろう。
もしくはそいつの後見の貴族だろう。
そいつが王位を奪うために、このお姫様を殺そうとしているんだろう。
「つまりは、その座を奪おうと何者かが刺客を送ってきているわけですね。」
「おそらくはそういうことだ。具体的には王様以外の王族、貴族は全員敵と考えても問題ない。」
「それで、その刺客から逃げてここまで来たけど、まさか盗賊にまで襲われるとは思ってなくてこの現状なわけですね。」
「……まるで見て来たかのようだな。」
そりゃまぁテンプレですからねー。
とは、口が裂けても言うわけにもいかないだろう。
「今の話を聞いてそうじゃないかと思ったんですよ。」
「なるほど。」
しかし、第一王女か。
想像以上に面倒だな。
でもこの人達は悪いわけではなさそうだし、協力はしてあげたいな。
ウザい人だったら即切ってたが。
「ところで、あなたたちはこれからどうするのですか?馬車は壊されて、増してや他の騎士の方々もやられてしまって。」
「えぇ、さすがに困ってしまいどうしようかと思っているのですが。どうしましょう?」
「いや、あの、アクア様。自分に聞かれても。」
「あらそうでした。」
やっぱこの人天然だな。
てか、そもそもどこに向かうつもりだったのだろうか。
「あの、そもそも自分に会う前ってどこに向かっていたんですか?」
「あら、そういえばどこに向かっていたのでしたっけ?」
「えぇ、イルサの町の協力者のもとに行こうとしていたのですが、そのものもおそらくすでにやられてしまっているでしょう。これからどうしましょう……。」
なるほど。
協力者のもとに向かおうとして、でもその人たちもやられてしまって。
状況としては四面楚歌だったわけですと。
ふむ、まぁ折角の縁だし少しは手助けでもしようかね。
「じゃあ今あなたたちは帰る場所もなく、完全孤立していると。」
「えぇ、困りました。」
「それなら、もし良ければですが私たちに着いて来ますか?」
正直な話をすると、人数は多い方が旅は楽しいしな。
ルナは最近アニメにはまりっきりだし。
二人よりも四人の方がね。
それに女の子と二人はいつか道を踏み外しそうでね。
「えっ?あの?」
「いや、俺らも二人だとやっぱ寂しくてさ。まぁあくまでもしよければですけど。ピカ〇ュウもそれでいいか?」
「ピカっ!」
「ということらしいが、どうする?」
再び姫様に問いかける。
「えぇっと。フォンはどうしたらいいと思いますか?」
「私ですか?私は例え国が相手でも姫様に着いて行きます。」
「えっ、その、あ、うー。」
姫様は完全に悩んでいる。
てかもうこれは連れて行くか。
「アクア様。悩んでいるなら取り敢えず来ないですか?俺は君たちが着いて来てくれると(人が多いと旅行が楽しい的意味で)嬉しいんですけど。」
「えっ!?その、あの……はい///」
なんで顔が赤くなっているそれかは知らんが、取り敢えず着いて来てくれることになるらしい。
うん、これで旅の仲間が増えたし、こちらのお二方も危険から逃れられるしで問題ナッシングだね。
「うん。じゃあ、フォンさんもアクア様と一緒に着いてくるでオッケーかな?」
「姫様の決定とあらば。」
「それじゃあ、旅の仲間になることだし、それなら素顔も含めてちゃんと自己紹介をしないとだな。偽名もなしでな。ほれ、ルナも。」
二人で仮面を外して改めて姫様とフォンさんに向き直る。
ふう、仮面って結構熱籠るのな。
「改めて、俺の名前はカズキ・ヒラノ。今の職業は根無し草の旅人かな。そしてこっちは妹のルナ・ヒラノ。まぁ血が繋がっていないけど、れっきとした家族のつもりだ。」
「ん。アクア。フォン。よろ。」
「ちなみにこの話し方の通り、一緒に旅するからには敬語だとか固っ苦しいの無しな。そうじゃなきゃ今すぐお別れだ。」
普段から敬語とかマジ無理だから。
それがダメなら絶対に連れて行かない。
「うむ、構わぬ。ただ私は騎士という職業柄、このような話し方になるが、ある程度許していただきたい。それでもよければ、こちらこそよろしく頼みたい。カズキ殿、ルナ殿。」
「まぁ基本的にこっちが敬語を使わなくていいなら構わないよ。よろしくな。フォン。」
フォンは、騎士という割に意外に馴染みやすくてよさそうだな。
姫様の方はどうだろうか。
「あら、私も敬語が出てしまうのは許していただきたいですね。ただ、そちらはタメ口で構いませんのでよろしくお願いしますね。カズキさん、ルナさん。」
「うん、よろしくな。アクア。」
うん、姫様も問題はなさそうだな。
これなら面倒な家絡みのことがあなければそんなに面倒ではなさそうだね。
「あ、あと二人にはお願いしたいけど、俺とルナに関しては色々と秘密があるんだ。だから、もし気になることがあってもあんまり深く考えないでほしい。てかむしろ知らなかったふりしてくれ。これも着いてくる絶対条件だ。出来ないなら今すぐにでも記憶なりを消すつもりだから。」
「はい、大丈夫ですよ。」
「私も姫様がそうおっしゃるのならば平気だ。」
「うん、それじゃあいつまでかは分からないけど、しばらくは仲間だね。」
「二人とも、よろ。」
そんなこんなで、二人程旅の仲間が増えました。
ちなみに現時点でこのパーティは異世界人、元貴族(天才)、第一王女様、近衛騎士。
うん、これは近衛騎士が一番しょぼく見える、何とも濃いパーティだな。
これもまたテンプレなのか?
――――――――――――――――――――
「よし、それじゃあ二人とも正式に仲間になったことだし、出発しようか。」
「そうですね。でも、どちらに向かうのでしょう?」
「うん、取り敢えずベイルって町に向かう予定なんだけど、いかんせん道が分からない。二人とも知ってる?」
「うむ、今いる場所からならおおおよそ東北東に約500km程なはずだが。」
「ごひゃっ!?そんな遠いの!?」
「確かそのくらいなはずでしたねぇ。カズキさんたちはベイルの町に御用で?」
「はい。俺が個人的になんですが、米が欲しくてですね。」
「米というと、あの良く分からん粒々のか。」
「はい。あれが是非とも欲しくて。」
まぁ、旅の目的自体は他にもあるんですけど。
しかし500kmかぁ。
あれ、意外にすぐじゃね?
「なるほど。しかしカズキ殿、これだけの距離を徒歩で行こうとは些か無理があるのではないか?」
「え?あぁ、そういえば面倒事が嫌だから仕舞ってたんだったな。」
そう言って、アイテムボックスから車を取り出す。
さすがにバイクだとサイドカー込みでも四人は無理だしな。
「えっ?」
「あの、カズキ殿。これは一体どこから?」
「あぁ、そこは企業秘密で。」
「きぎょ…?」
「まぁ内緒ってことで。」
アニメがあるから助手席は譲らないであろうルナがいるので、後部座席のドアを開けてアクアとファルを後ろの席に誘導する。
二人は初めは警戒していたが、ルナが平然と乗り込むのを見て、恐る恐るではあるが後ろの席に乗り込んでいく。
乗ってからもあちこちきょろきょろして挙動不審なのを隠しきれていない二人。
二人にはそのうち慣れてもらわないとな。
「よし、まぁ出発するか。レッツらごー。」
「ごー!」
「えっと、ごー?」
「姫様。私もやるべきなのでしょうか?」
固い二人は無視。
500kmなら、半日走り続ければ着きそうだな。
そうと分かれば、高速を走るくらいの速さで車を走らせる。
なんか後ろからワー、キャー聞こえるが、すぐに慣れるだろう。
「カズキさん!この早い馬車見たいのはなんというのですか!?」
「うん、これは自動車って言うんだよ。ただそれだと長いから車って呼んでるよ。」
「くるまですか!これはいいものですね!」
アクアはこの速さをとても楽しんでいるらしい。
そいつは良かった。
「ほう、馬車無しで走る魔道具ですか。しかも馬が引くのに比べてはるかに速い。それでいてここまで揺れないと。いったいどんな技術が……。」
フォンはなにやら色々考えているようだ。
けど多分フォンが何考えても無理だよね。
まず魔道具じゃないし、揺れない機構なんぞ俺も詳しくは知らない。
それなのに再現できてるのは神様クオリティで。
とまぁ、そんなものを騎士様がどうこうできるものじゃないだろうしな。
そもそもまともに観察もさせないけどな。
そんなテンションで新しい仲間と共にベイルの町に向かうことに。
――――――――――――――――――――
それから暗くなるまで、ひたすら車でベイルに向けて走った。
ルナはその間アニメを見ていたが、どうやらアクアも見入ってしまったのか、二人して物凄く集中して見入っていた。
途中、フォンと話していたら「聞こえない。」ってルナとアクアに言われて、それ以降は俺とフォンは殆ど話していない。
なんといいますか、娯楽が少ないからなのか、たまたまなのか。
この世界の女の子はアニメみたいな娯楽が大好きなのだろうかね。
と、そんなことは置いておいて、夕食作りを始めることに。
うーん、今日は人数増えたしパスタが楽かな。
そうと決まれば早速調理開始。
まずは、小麦粉に卵、塩少々とオリーブオイルを混ぜてしばらく休ませる。
その後、生地を伸ばして、軽く打ち粉をしてから細く切っていく。
お湯を沸かしてパスタを茹でていく。
その傍ら、フライパンで絡めるソースを作っていく。
油をひいて薄切りの肉、キノコ(名前は知らん)、ネギを入れて炒める。
火が通ったら水を入れて、塩、コショウ、ダシを入れて煮詰めていく。
パスタは火が通った辺りで水を切っておく。
ソースに小麦粉を解いた水を入れてとろみをつけたら、パスタを入れて絡めていく。
これを皿に持って、スープとサラダを添えて完成。
「おーいお前ら。夕食出来たぞー。」
「ん。」
「あ、はい。」
「うむ、任せっきりで悪いな。」
土魔法でテーブルと椅子を作り、そこに料理を並べていく。
何やらアクアもフォンも目を見開いて固まっている。
ルナはいつも通り席に着く。
「お前ら、固まってどうした?」
「いえ、野営の割に随分と豪華な料理だなと思いまして。」
「私も姫様と同じで。」
「あぁ、まぁそういうものだと思ってくれ。それじゃあ席に着いて食べようか。」
二人を席に着けて、それじゃあ早速夕食を食べるとしますか。
「そんじゃあ、いただきます。」
「いただきます。」
「えっと、いただきます?」
「いた…だきます?」
それでは一口。
うん、まぁまぁな出来だな。
パスタも初めて作った割には、中々良い感じの触感になっている。
ソースもダシが効いていてそこそこ良い感じになっている。
ただこれは正直言って醤油とかコンソメが欲しくなるな。
「ん。美味し。」
「そっか。」
ルナはいつも通りに感想を言ってくれる。
二人は余程お腹が減っていたのか、一言も発せずにガツガツとと腹に食べ物を収めていく。
天然系のお姫様なはずなのに、がっついている光景は中々にシュールである。
騎士様はなんか普通にありそうだからいいけど。
こうして、いつもより賑やかで騒がしい食卓を進めた。
取り敢えずキャラを増やしてみたくなった。




