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ダラダラ異世界チート食べ歩記  作者: なすびいふん
15/26

新しいものとの出会いは、良い時もあれば悪い時もある

 





 乗り物を車に変えて半日。

 バイクよりは速度が出ない(出るけどエンジン音がうるさいから嫌だ)ので、行軍スピードは下がってしまったが、車内で寝れるから野営の準備をしなくて楽ちんになった。

 夕食も作るには外が雨でひどいので、昨日の夕食の時の肉まんを頂くことにした。

 等々、今日はかなり適当に済ませることにした。

 明日もこんな雨だと、ご飯の準備が面倒だな。

 今度からこういう時用に、作り置きした食べ物をアイテムボックスに仕舞っておこう。


「それじゃあルナ。電気消すな。」

「ん。おやすみ。」


 車内の電気を消して寝ることにした。

 次の日、朝起きる。

 いまだに雨が降り続けているので、今日もこのまま車だな。

 ルナはまだ寝ているが、車なら別に起こさなくてもいいか。

 身体を伸ばして、寝てバッキバキになった体をほぐす。

 うん、車で寝るのって結構あれだな。

 思ったよりきつい。

 もっと大きな車にしないと狭くて適わん。

 今度調べて違う車創造しよう。

 そんなことを考えながらエンジンをかけ、出発することにする。

 うーん、てか今日の朝食どうするかな。

 肉っ気は無いけど、パンに野菜とマヨネーズでサンドイッチとかでいいか。

 スープは作って飲みきってなかった分がアイテムボックスに入ってるし、それで充分だろ。

 そんなことを考えながら、車を走らせた。






 ――――――――――――――――――――






 あの後、ルナが目を覚ましたので、車内で適当に朝食をすまして行軍を再開する。

 しかし、雨が降っているから外に出るのも億劫だし、周りには何も見えてこないし、何にもやることがない。

 そういえば、ナビにアニメとか移せないかな?

 車を止めて、ちょっと適当にそんな感じのものを創造してみる。

 うん、ナビは出来たけど、そこにスマホの画面を移すことが出来れば……あら、出来ちゃった。

 それじゃあ早速――


「ルナ、なんか暇じゃね?」

「ん。」

「そこで、アニメという物を準備してみた。」

「ん?アニメ?」

「まぁ簡単に言うと、本とかの物語を映像化したものかな。」

「?」

「まぁ見れば分かると思うから騙されたと思って見てみてよ。」

「ん。」


 というわけで、ふむ、何がいいかな?

 うん、個人的な趣味だけどコードギ○スとか流すかな。

 早速流して、鑑賞しながら行軍を進めることにした。

 そんなこんなで、アニメを流し始めて早3時間。


「おにぃ、次、見よ!」

「お、おぅ、分かったから落ち着けな。」


 目をキラキラさせながら、画面に食い入るように見ている。

 うん、喜んでくれたのは良いんだけど、ちょっとはまり過ぎな気も……。

 まぁ楽しんでくれてるしいいか。

 暇も潰れたから行軍も苦じゃないしな。


「ルナ、そろそろお昼の時間なんだけどどうしよっか?外は雨止まないし。」

「ん。大丈夫。まだそんなにお腹減ってない。」

「そうか。まぁお腹減ったら言ってな。」

「ん。」


 しかしルナさん、あなた絶対アニメにはまってて飯どころじゃない状態だろ。

 別にいいけど、頼むから引きこもりにはならないでくれな。

 ルナが特にお腹が減ってないなら、俺は一食や二食くらい抜いても平気だし行軍を続けるかな。

 その後は、延々とアニメを流して行軍を続けたが、暗くなってくるまで、結局ルナはお腹減ったということはなかった。

 これはあかん。






 ――――――――――――――――――――






 暗くなるころには雨も上がっていたので、外のぬかるんでいない地帯を探して、夕食を作ることにした。

 ちなみに、ルナは完全にアニメにのめり込んでいる(なんせ一期の最終回間際だったので)ため、車内でアニメを見続けている。

 その傍ら、黙々と夕食を作り続ける。

 今日の雨で実感したが、雨宿りできないとご飯が作れない。

 というわけで、ルナさんもアニメに夢中で夕食はそんなに急がなくてもよさそうだったので、作り置きをすることにした。

 お好み焼きにシチュー、野菜炒めに野菜スープと卵スープ等々。

 それと、パンばかりでは飽きるので、パスタやうどん等の麺も作ってみた。

 うん、これだけ作れば一週間は雨が降り続けても平気だな。

 これらはアイテムボックスに仕舞う。

 そして、テレビとかを見ながらってなると真っ先にピザが思いついたから、今日はピザを作ってみた。

 幸いチーズは売られていたので、シンプルにマルゲリータもどき。

 トマトもどきを使ってトマトソースを作り、チーズを散らして香りが高い葉っぱをバジル代わりに。

 ちょっとアクセントに薄く細かく切った肉を散らして、窯にぶち込めば、あとは待つだけ。

 待っている間は、ルナと一緒になってアニメを見ることに。

 その後、約15分程して焼き目を見てみれば、丁度良さそうだったので完成。


「ルナ。さすがにそろそろご飯にしよう。今日の夕食は別にアニメ見ながらでも食べれるからさ。」

「ん。分かった。」


 その後は、夕食を食べて体を拭いて寝ることにした。

 ちなみにスマホの使い方は教えていないので、もう少し見たがっているルナを叱りつけて寝させた。

 なんというか、これはやばいな。

 明日からは一日の制限を決めておかないとな。






 ――――――――――――――――――――






 次の日の朝、ルナにアニメは一日に5話までと告げた。

 告げた瞬間に絶望した表情を見せるが、これがもとで人生をダメにしたやつの末路を告げると、青い顔をして理解してくれた。

 今日も車で行軍する。

 すっかり車も気に入って、今ではバイクよりも気に入ったようだ。

 昼を過ぎ、しばらくしてようやく山脈の端っこが見えてきた。

 あそこを過ぎたら、また東に向かい始めるかな。

 そんなことを考えてたら、なにやら遠くに馬車の影らしきを見かけた。

 おぉ、久しぶりに人を見かけたな。

 また面倒な貴族とかだと嫌だったので、車を降りて近づくことにする。

 丁度アニメを見ていたためにルナが若干不機嫌になったが、今日は多めにアニメを見て良いからと説得すると、「早く!」と急かしてきた。

 車を降りて馬車に近づいて行くと、どうやら馬車が襲われているのが目に見えた。

 しかもあれ絶対盗賊に襲われてるだろ。

 ふむ、まぁ変な貴族だったら無視するかな。

 近づいて行ってみる。

 すると、馬車から二人の人物が飛び出て盗賊から逃げ出し始めた。

 うん、見るからに騎士様といった雰囲気の男性と、ドレス姿の女性だった。

 これは完全にどっかの国のお姫様だよね。

 他の騎士たちはどうやらすでにやられた後みたいだった。

 うーん、放っておくのも忍びないけど絶対に面倒事だよねー。

 顔でも隠して助ければ、面倒そうなら逃げれるか。

 そう考えて二つほど仮面を創造する。

 片や、ルナが着けるようにピ○チュウの仮面を。

 片や、自分が着けるようにくまの○ーさんの仮面を。


「ルナ、あの人たち助けるから取り敢えずこの仮面つけてもらっていい?」

「ん。」


 それじゃあ、これで正体を隠せるだろうし、助けに行くとしますかね。

 まずは先制攻撃としてルナが麻痺効果を持った霧を吹き付ける。

 これで雑魚はあらかた麻痺しただろう。

 効いてはいないが、周りが倒れていくのを見て動揺しているところに、足めがけて銃を撃ち無力化をしていく。

 うん、道中の練習のおかげで手加減も出来るようになっているみたいでよかった。

 全員を無力化し、縛り上げていく。

途中、お姫様と騎士の麻痺は治しておいた。

 盗賊どもを縛っていると、お姫様が騎士を連れて近づいてきた。


「助かりました。ありがとうございます。」

「いえいえ、困ったときはお互いさまですよ。」


 騎士様は、気高い感じもなく感謝の言葉を告げてくる。

 それに続いてお姫様も口を開く。


「本当にありがとうございます。」

「いえいえ、騎士様にも言いましたが困ったときはお互い様ですから。」

「ところで、そんなヒーローさん方の素顔を見たいのですが駄目ですか?」

「あー、まぁあなたの素性とか知らないことには、面倒事は勘弁なので顔を見せたくないのですが。」

「あら、ダメですか?」

「いやいや、面倒事だったら顔バレするだけで指名手配とかあるじゃないですか。」

「あらあら、随分とシャイな方なんですね。」


 この喋り方、さてはこのお姫様は天然系かな?

 騎士は騎士でお姫様の言うことは絶対という感じなのだろう。

 こちらの対応を見ては、表情をちょくちょくと変化させている。

 悪い人たちではなさそうだし、別に顔出しても大丈夫そうかな。


「ところで、なぜこんなところに?」

「はい。実は家の事情で色々なところから命を狙われていまして。」

「あらら、やっぱり騎士様なんて連れてるなんて、偉い身分の方なんですね。」


 うん、まぁ顔出ししなくて正解だな。

 絶対に面倒なことこの上ない。


「それで逃げてきたって感じですね。」

「はい。騎士の中でも私だけ助かってしまって、他の奴らには悪いことをしてしまった。」

「私のせいで……。」

「いえ、我らの力不足のせいです。」

「あーまぁ、なんとなく事情は分かった。」


 自分の家の奴らに狙われているのか、他の家の奴らに狙われているのかは分からない。

 が、命を狙われているのに間違いない。

 ここで問題になるのは、こいつが良いやつなのか悪いやつなのかがいまだに分からないということ。

 これで、悪いやつだった場合は後が面倒だから慎重にならないと。

 まぁどちらにせよ、お家騒動には変わらないだろうし、深く関わらないに越したことはないな。


「ところで、まだ聞いていなかったんだけど、そちら様の名前とか聞いても大丈夫かな?まぁこっちがこんな身なりだから、答えられなければ別にいいんだけど。」

「あ、そういえばまだ名乗っていませんでしたね。」


 一呼吸置いて名乗りを始める。


「私は、コルトルス王国第一王女であり、継承位第一位のアクアリウス=リー=コルトルスと申します。気軽にアクアとお呼びください。」








【現実では、運転をしながらアニメ等を見るのはやめましょう。】

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