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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

童話

ユニコーンは処女が好き

作者: 千路文也


 とある王国に強欲な王様がいました。そして、王様は家来を呼び出して、こう言うのです。


「ユニコーンが欲しい!」


 ユニコーンとは幻獣です。とにかく捕獲が困難な。


「ですが、ユニコーンを捕獲するのは不可能です」


「なぜじゃ?」


「ユニコーンは処女にだけ従います。私は男なので角で刺されるでしょう」


 もちろん、肛門的な意味です。王様の家来はジョークが好きなのです。


「ならば、わしの娘を連れて行くと良いじゃろう」


 王様は娘を呼び出しました。王様の娘は容姿端麗の美少女です。まだ、十四歳なので肌もピチピチで、きっとユニコーンも気に入るでしょう。


「よろしくお願いします」


 王様の娘は家来に一礼しました。


「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします」


 家来は王様の娘を連れて森に行きました。ユニコーンは森の門番であり、比較的に入り口に近い場所に居ました。ユニコーンは真っ白な肌に美しい角を生やしています。王様が欲しいと思うのも無理はないでしょう。


「おいで」


 王様の娘は座りながら手招きしました。すると、ユニコーンが近づいてきて頭を擦り付けてきました。まったく敵意を感じられません。


「すごい、噂は本当だったのか」


 ユニコーンは処女に弱いと言われていましたが、それは本当だったのです。とにかく、王様の家来は驚いた様子で口を開いています。


「良い子ね」


 ここで、ユニコーンの頭を撫でます。


「それでは、城に連れて行きましょう」


 二人は城に戻り、王様にユニコーンを見せました。


「お、おう。美しい!」


 ユニコーンの首元を撫でる王様でした。


「それでは、私は部屋に戻りますね。お父様」


「うむ。ごくろうじゃった」


 王様の娘は自分の部屋に戻りました。王様の娘の後姿を悲しげな眼で見つめるユニコーンです。


「お前は可愛いの」


 王様は十分以上、ユニコーンと遊びました。しかし、ユニコーンは王様の娘と遊びたいのです。そんなユニコーンの心情を察してか、王様は部屋に行っておいでとユニコーンに言ってあげました。利口なユニコーンは人間の言葉を聞き取り、嬉しそうにスキップしながら王様の娘が待っている部屋に入ったのです。


「!」


 しかし、ユニコーンは見てはいけない光景を見てしまいました。王様の娘が使用人の男達に挑みかかられているのです。まだ十四歳というのに、王様の娘は使用人を食べているのです。ベッドの上では、若い肉体が踊っています。


 ユニコーンは激怒しました。扉を突き破って、王様の娘と使用人達を八つ裂きにしました。部屋は血の海になっています。


「ウオオオオオオオンンン!!」


 そして、ユニコーン自身も発狂しながら自害しました。ユニコーンは処女にしか従いません。王様の娘が処女でないと分かった時点で、王様の娘は敵でしかなかったのです。









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