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隅の奥の回想

こちらも残酷描写になります。

苦手な方はスルーしてください。

 確実に自立できる看護師を仕事に選び、指定校推薦で県内の看護大学に入学が決まった。


 いつもはお風呂上りにはすぐ自室に戻るけれど、そのまま誰も居ないリビングのソファに座ってうとうとしてしまったのは、気が緩んでいたとしか言いようがない。


 体に重みを感じ、唇に何かが触れた。目を開けると鼻が触れる距離に嘲笑をうかべた美也子の再婚相手の顔があった。体を起こそうとしたけれど、押さえつけられて身動きできず、声をあげようとすると、口元を手で抑えられた。

 息が苦しく、全身が粟だった。汗が噴出し、足をばたつかせ、肩をよじる。あまりの苦しさに目が霞み、茉莉子が意識を手放しそうになった、まさにそのときに美也子がリビングの戸を開けた。


「何をしてるの!」


 美也子の大きな声が響く。一瞬にして身体の自由を取り戻した茉莉子は大きく息を吸い込み、起き上がれず肩で息をしていた。

 美也子は茉莉子のに掴みかかり起き上がらせると、振りかぶって頬を打った。

 あまりのことに茉莉子は頭が真っ白になり、ジンジンと熱い左の頬を押さえたまま、しばらく動くことが出来なかった。

 あっちが誘ってきたんだ、俺は嫌だって、何度も困るって言ったんだよと信じられない言葉が聞こえて、立ち上がり自室に戻った。

 着替えて、簡単に荷造りをしてから、家を出ることが出来たのは、いつかこうなるかもしれないと、心のどこかでほんの少し予想していたからかもしれない。


 その後、伯母夫婦の家にしばらく世話になり、一人暮らしを始めた。

 経済面で援助をしてくれた伯母夫婦に茉莉子は深く感謝している。生活費はアルバイトでまかなってはいたが、彼らはいつも多すぎるお小遣いを渡してくれた。就職後、学費は全額返却し、多すぎたお小遣いは受け取ってもらえなかった。

 自分には親はいないと父も母も死んだと思って、生きていくことにした。なんの未練もなかった。もう、会うことも無いと思っていた。






これまた、残酷描写にしていいものか、

迷いましたが、とりあえず。


次の更新は明日の12時を予定してます。

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