夢物語
あぁ、夢か
ふと切なくなる時がある。
自分も関わっています。そういう類いのことを言えたなら夢から覚めた時、頬が冷たいということは無かったのだろう。
あの時、こうしていればという後悔の言葉は次に合ったときに繋ぐことが出来る経験ともいう、けど関わったその人へは何もすることが出来ないのだから、経験なんて無駄であろう。
「馬鹿息子。隣の子だよ。」
ドアから顔を覗かせて母が言ってくる。
「出たくない。」
「……そう伝えるけどいいんだね。」
「いい。」
そう言ってドアを閉めて階下に向かっていく音が聞こえた。
そのまま母ならば伝えてくれるだろうと思い、もう一度タオルケットにくるまる。
このまま寝てしまえばいい。
大学が始まるとかしったことない。
うん、そうしよう。実にいい考えだ。
「ほら、起きる。」
「やだよ。起きたくないんだ。」
「いやでも、起きる。」
タオルケットを剥がされる。
なんだよ。、そういいつつ幼馴染みを見る。
「よし、起きたな。」
そう実にいい笑顔で見てくる。
「とりあえず、風呂にでも入って目を覚ましてこい。さっぱりするぞ。」
下で待ってるからな、遅刻したらお前のせいだぞ。とそう言われてしまったら行くしかないかと苦笑を漏らして動き出す。
「夢……だよな。」
もぞもぞと動きながら周りを見る。
もしかして、と思いつつリビングを見に行くも誰もいない。
当たり前だ。 出たくない、そう伝えたら、来るわけがない。
はぁっとため息一つ漏らして部屋に戻る。
もう起こった、終わったことなんだ、割りきるべきだとは分かっている。でも、駄目みたいで自分の女々しさが嫌になる。
もう一度転がる。動きたくない。もう一度目を閉じれば眠れるかな、と思うが眠れない。
なんか、駄目駄目だな、そう思う。
「私がどうしたって。」
「いや、君が倒れた、夢を見たんだ。」
なにそれー、そういってクスクスと笑う。
「やだなー。こんなにピンピンしてるのにそんな夢。」
「そう、そうだよね。こんなにピンピンしてるのに倒れる訳がーーー」
息を呑んだ。
救急隊員が彼女をタンクに乗せて運んでいく。
嘘だ。たった今ピンピンしてたじゃないか、そういったじゃないかと手を伸ばすが隊員に止められる。叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ。
そして気付く。コレは夢だ。
目を開ける。頬が湿っていることに気付く。
あぁ夢か、と思う。同時に何時まで引きずるんだとも思う。
そして、顔を横に向ける。
「えっと」
「なんで。」
どうして、いるの。
「ほら、駅前のシュークリーム、好きでしょ」
幼馴染みが紙袋を掲げてくる。
「どうして、うちに」
「あぁ、えっと、おばさんに。」
色んな何故が浮かぶ、そして
「あぁ、もう泣かない。シュークリームたべて元気になって。」
頬を伝うものを気にせず言葉を紡ぐ。
「学校は」
「自主休講、出たくないとかいう我が儘いう子がいるもんだからね」
そう屈託なく笑われてしまった。
「そうそう、夢ってさ。」
買ってきたシュークリームを食べながら言ってくる。
「人が関わるから儚いものらしいよ」
「えっと、どういうこと。」
「いつかは離れる時がある。けど夢では関われるものなんだってさ。」
「ごめん、更にわかんない」
んーっと、そう呻いた後言ってきた。
「儚い付き合い方をした人とは夢で会ったと思えだっけかな。」
やっぱりよく分からなかったけども、そうだね、って笑ったら。
でっしょーと言ってきたその顔には笑顔が咲き誇ってた。
ただし鼻に生クリームを着けながら




