鋼の瞳・2
午前の授業が終わり、昼休みに入った。今日も食堂へ向かおうと思ったが
昨日のこともあったので祭にパンを買ってきてもらうことにした。
「パシリかよ、まぁいいけどさ。で、何がいい?」
「できれば軽いやつ。こってりしたのは午後に触るからね」
了解、と教室をあとにする祭。そのついでに沙耶も頼んでいた
待っている間、沙耶と話していた。こうやって女の子と話してる男子は
クラス内で僕だけだった。かなり気まずかったが、沙耶は関係ないみたいだ。
すると、沙耶が・・・
「さっきね先生に聞いたんだけどね、明日、転校生が二人来るんだって」
「ふぅーん、女子?男子?」と、とりあえず聞いてみた。
「なんかね兄妹なんだって〜。楽しみだね」
満面の笑みをくれた沙耶。こちらも そうだね、と相槌をたてた
実際、どちらでもかまわなかった。クラスが増えるだけなんだから
でも、彼女の笑みを裏切れはできない。なんていうか、幼いのだ。
「おーい、お二人さん。親友さしおいて団欒か?いい関係だこと」
こいつはなんてタイミングであらわれるんだ。
「・・・・いつから見てた。正確に答えてくれ」
「あぁ、お前が沙耶の笑みに答えてたとこからだ」
恥ずかしい、いっそここから消えたかった。
―ドクン、ミシッ!
「がっ・・・!あ、ぁぐ・・・」
来た、昨日のあの感じだ。
「おいおい、いくら逃れたいからってその演技じゃ無理だぜ」
笑いながらこちらを見る。無理だ、息ができない。
「ねぇ・・ちょっとおかしくない?いくらなんでもこれは演技じゃ・・・」
潰される、眼が焼ける、臓が裂かれる。イメージが伝わってくる
「おい・・・しっかりしろよ。おい、千草!!」
「ほ・・保健室に・・・つれていこ、ね?」
駄目だ、足が・・・動かない。
―ミシッ、ミシミシッ!
「が、はぁぁ・・!ああぁぁ・・・」
くそ、まただ。また視界の色が・・・きえ・・・る・・・
二人は、肩に身体を乗せ、保健室に連れて行った。