偽証
読むときの注意。
1、がんばってください。
2、後ろに気配を感じたら逃げてください
3、一歩下がって二歩下がってください
月夜に満月、実にいい。そう思ったのはいつからだろう。
始めは視界から入る闇が身体を止めていたけど、今は違う。
今は、その闇が心地いいぐらいだ。刺さるような風の冷たさに身ぶるう
この感じはいい。まるであの日のようだ。
雲が晴れ、大きな、真ん丸の月が顔を出す。
シャワーのように注がれる月明かり、この明かりも好きかもしれない。
見透かされるようなこの感じ。嫌いではない
そう思うのはなぜだろうか?自分でもわからない。
やはり矛盾する。自分のことがわからないなんてとてもじゃない
笑ってしまう。いままで16年生きてきて自分のことに気付かないなんて
自分を哀れんで笑っているのか、それとも自分の無知に笑っているのか
それさえもわからないなんて。
そろそろ寝床につこう。夜風は身体に悪いらしい。誰からの入れ知恵だろうか。
窓を閉め、カーテンを閉める前にもう一度月を見た。奇麗だ、いつ見ても飽きない
まるで自分を映し出すみたいだ。そういえば僕は誰だっけ?
・・・・そうだった、僕の名前は式、千草 式。