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本編

ここは、な~んっちゃってファンタージーの世界♪。

この物語はこの世界で暮らすある一人の新米女冒険者のとある物語・・・。


彼女の名前は『シャリアン』

髪型は短いポニーテールで、目は神秘的な灰色。

健康的な色をした赤い髪が彼女の動きに併せてぴょこぴょこと揺れ、格別美人というわけ

ではないが、どこか可愛らしいと思わせる雰囲気をまとっている・・・そんな女の子。


冒険者ギルドに加入して早数ヶ月・・・未熟ながらも冒険者として生活していた彼女は、

一つのシャウト発言によって人生の大きな節目を迎える。

彼女にとってそれは、幸だったのか不幸だったのかは・・・・・・・・・彼女のみが知る。




<シャウト(イヤホンを通して全体に聞こえる声:使用制限有り)>

今から合コンやります。

興味がある方、相手を捜している方、シティーヌ国のティファニーカフェに来てください。

皆さんのご参加お待ちしてます!!!



私はこの会話を聞いたとき盛大に吹いてしまった。

だって合コンだよ?普通そうゆうのって事前にメンバーを集めておいてやるもんじゃん?

なのに、シャウトでいきなり勧誘って・・・シャウトってそういう使い方もあるのね笑・・・

と、ある意味感心してしまった。


私はその時モンスター狩りをしていたのだけど、ちょっと興味を惹かれその合コンとやらを

覗いてみることにし、さっそくシティーヌ国に行くためのテレポートアイテムを使って、

さくっとシティーヌ国に行く。

この世界ではこうゆうアイテムが普及していて、遠くに行ってもすぐに帰ってこれるし、

いろんな国にすぐに行けて結構便利なのだ。



そして、数分後・・・ティファニーカフェの扉を開けて私が見たものは

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

男だらけのカフェ内だった・・・・・。




<一対一会話(相手を特定して脳内同士で行われる会話:拒否することも出来る)>

シャリアン:ちょぉ、聞いて!さっきシャウトで合コンやるってゆーてたやん?

今行ってきたんだけど・・・・!


ティムティル:えー、行ってきたの?あんたも物好きだね~。で、どっだったの?!


シャリアン:物の見事に男ばっか!!恐くなってすぐに開けた扉閉めちゃった・・・orz


ティムティル:ありゃりゃ・・・男ばっかって・・それはそれですごいね・・・。


シャリアン:一人じゃ恐いからティム、一緒についてきて!!!


ティムティル:私一応既婚者なんだけどね・・・まぁ、面白そうだし、今丁度暇だしいいよー。


ちなみにティムは冒険者じゃないけど、私を冒険者ギルドに誘った人。

年齢は私と一緒の16歳。

肩にかかるくらいの長さの黒の髪を綺麗にそろえて切っていて、見た目も性格も姉御!といった

感じの人で、困ったことなんかがあると相談に乗って貰っている人なのだ。



そして・・・カフェ店内。

ティムという味方をつけた私は堂々(若干ビクビク)と店内に入った。


さっきはすぐに閉めてしまったのでよく見ていなかったが・・・、さっきと変わらず店内

男性のみが数名いた。にしても本当に男ばかりで女性は一人もいない。


その数名を観察していると・・・その中に11、12歳頃の男の子も混じっていた。あん

な小さい子も冒険者やってるんだ~という驚きと、物珍しさから男の子をまじまじと見て

いると、男の子がこちらを見てにこっと笑った。


『かわいぃぃ!!』


花が咲いたような~というのはああいうのを言うのだろう。

側に行って、薄茶色のくせのあるふわふわの頭をなでなでしてあげたくなる可愛さで、彼

のまん丸い大きな翡翠色の瞳が彼の可愛さを更に倍増させている。

背は私と同じくらいだろうか・・・?あの年齢ならこれからが成長期だろうし・・・成長

期がほぼ終わってしまっている私と違ってもっと伸びるんだろうなぁ~と考える。


私は、とりあえず軽く会釈して彼の笑顔につられてこちらも満面の笑顔を返しておいた。


しばらく彼とじっと見つめるのは失礼なので・・・店内と他の人を観察していたが、一向

に合コンらしき物が始まる気配がない。まぁ、それはそうだろうな・・・男の人数に対し

て女は2人しかいないし・・・ティムは既婚者だし。


そんなティムは店内を好き勝手に動き回って他の人としゃべっている。私はというと・・・

何をしゃべっていいかわからずぼけーっとしているだけでる。


はぁ~なんしに来たんだろう・・・帰ろうかな・・・?・・・と考えていると、さっきの

男の子が他の男の人と会話している声が聞こえてきた。何とはなしに会話を聞いてみる。



<普通の会話>

男の子:俺さ、婚約するとしたら、後方支援の子としたいなぁ~。


相手の男:あ~わかるわかる。お前、戦士だからっていって後先考えずに

     敵につっこんでいくもんな~ 魔法使いとかお似合いじゃね?


男の子:魔法使いはダメ!俺絶対後ろの人とか気にしないし守るのめんどいし、

    魔法以外である程度は自分で自分を守れて魔法も使える人がいいなぁ~。


相手の男:そうなると弓師?でもさ弓師も魔法使い同様、接近戦弱いぜ?


男の子:弓師は素早さが高いから囲まれても自力で逃げれるじゃん?戦士並とはいか

    ないけど 防御力もそこそこ高いしね。


などという会話をしている。

ちなみに私は『弓師』だ!・・・これは、話しかけるチャンスではないか?!

これは天の恵み!さぁ、話しかけるんだシャリアン・・・いけ!・・・と、自分で自分に

話しかける。



<普通の会話>

シャリアン:あのぉ~私、弓師なんですけど・・・・。

弓を持って矢を持っているんだから、どこからどう見ても弓師にしか見えないだろうけど・・・ 会話を成立させるため、自らそう進言してみる。


男の子:あ、こんにちは。お名前お伺いしてもよろしいでしょうか?

僕はジェイムズって言います。


シャリアン:私はシャリアンって言います。どうぞよろしくお願いします。


彼・・・ジェイムズ君がにこっと笑うので、私もにこっとした笑顔で返して握手をした。 やっぱり彼は戦士とは思えないほど可愛い。天使だよ天使。

腰に斧なんって物騒なものが2本も差してあるのが見えるけど・・・気のせいだ気のせい。 あの細そうな腕であれをぶんまわすのだろうか???


相手の男:俺は・・・むぐぅ


ジェイムズ:ところでシャリアンさん、年下って恋愛対象内ですか?!


ジェイムズ君は相手の男を押しのけて私に会話してきた。 『相手の男』という呼び名では彼が可哀想なので、仮にAさんと呼んでおこう。


シャリアン:・・・・・?!え・・えっと、私は年下でも年上でも気にしないけど・・・・

あ、名前・・・シャリアンって長いから気軽に『シャリ』って呼んでね。


ジェイムズ:わかりました。俺の名前、言いにくいでしょうからシャリさんも『ジェイ』

      って 気軽に呼んでくださいね。


シャリアン:ジェイ・・ジェイ・・ジェイ君・・・

『ジェイ君』って言った方がなんかしっくりくるから、『ジェイ君』って

      呼んでいい?というか・・・『さん』はいらないよ。


ジェイムズ:いえいえ!年上の方に呼び捨て何って失礼ですから・・・

僕の方は好きに呼んでくださいね?


小首を傾げ、少し顔を赤らめて上目遣いで言う彼は文句なしに超絶可愛い。

このまま家に持って帰って家に置いておきたいくらいの可愛さだ。

ちょっとしか会話してないが・・・この時点で私は、彼にかなりメロメロ状態になって

しまっている。



この時、二人の会話を聞いていたA(仮)は思った・・・俺(一応年上)には会った最初

からタメ語だったくせに!しかも普段おジェイムズそんなこと言わないじゃん!

てか、丁寧語でしゃべってるの初めて聞いたよ。

てか・・・前から男の癖して可愛い顔しているな・・・と思ってたけど・・・マジ可愛い

なお前・・・・。シャリアンって子もそこそこ可愛いけど・・・。



<普通の会話>

ジェイムズ:シャリさん!当然でびっくりされるかもしれませんが・・・ あなたが一番最初に入ってき て驚いた顔してすぐに出ていっちゃ時・・・年上の方に

失礼だけど可愛い人だな・・・って思って気になってて・・・会話してみて核心しました!

俺と、婚約・・・いえ、結婚してください!!


シャリさんの手を両手で掴んで一気にそうまくしたててしゃべってから、シャリさんの顔を

見ると・・・ぽかーんとした、かわい・・・いや、魂が抜けたような顔をしていた。



<一対一会話>

シャリアン:どどどどどど・・・・どないしよう?!!!


ティムティル:慌てて、どうしたん?


シャリアン:プ、プロポーズされた!?ど、どうしたら????


ティムティル:え、うっそ~本当に?やったじゃん、おめでとう!


シャリアン:あ、ありがとう・・・って、ちゃうわー!!(心境的にはちゃぶ台替えし状態)

何って返事すれば???!!


ティムティル:思ったように返事すればいいよ!頑張ってね!!


肝心な時にこいつ役にたたねーーー!!!

あー、こうしている間にも期待している目でこっちみてるよー!!

あー、なんって返事すれば??!!

確かに彼は可愛い!し、私は彼にメロメロだ!

でも、それはぬいぐるみが可愛いというのと同じ感じで・・・恋愛感情は今は全く無い!

というか、そういうのは時間をかける物であって・・・ごにょごにょ。

あ~どうやって相手をきづつけずに断るか・・・・。うまく断るスキルなんか持ってないし・・・

というか、初めて告白されたし・・・ここは無難に行くか・・・。


<普通会話>

シャリアン:えっと・・・あの・・・ご・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ごめんなさい」と言おうとした私をジェイ君が握っている手を更にぎゅと握って

泣きそうな顔で上目遣いに・・・そう最強な必殺技『上目遣い☆+涙目』で私を見てくる。

かなり断りづらい雰囲気だ・・・というか断れないぞ・・・これ・・・orz


シャリアン:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よ、よろしくお願いします?


そう言うと彼は大量の花を咲かせたくらいの輝かしい笑顔になった。

うわぁ、まぶしぃぃぃ~にしても、ほんとかわいいなぁ~こんちくしょう!


シャリアン:あーーー、でもいきなり結婚はちょっと・・・・・・・


ジェイムズ:シャリさん!僕、指輪買ってくるのでちょっとここで待っててください!

すぐ帰ってくるので絶対絶対ぜ~ったい待ってて下さいね!

・・・・・・・・・・・・・ま、ここで逃げても名前も分かってるし、

必ず見つけだして逃がしませんけどね・・・ふふ。


あれ?今なんか、黒い発言らしき物が聞こえたけど・・・精神衛生のためにも

聞かなかったことにしよう!あーあー何も聞こえないー。


ジェイムズ:あ、そうだ、指輪買いに行く前に・・・シャリさん、左手出して下さい。


きょとんしながらも彼女は俺の言葉に何の疑いも持たずに、手のひらを出してきた。

そんな警戒心が薄いところも可愛いなぁ~と思いながら俺は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彼女の薬指を

口に含みつつ、顔はしっかりと彼女の顔を見上げ、丹念に下で舐めあげ、そして・・・・

指の根本を噛んだ跡がつくように思いっきり噛んだ。「いっっっ!!」と叫ぶシャリさんの

声を聞きながら俺は又、丹念に指を舐めた。最後に口から指を離して、手をひっくり返して

噛んだところに『ちゅ』っと軽く口づけした。


ジェイムズ:これは仮の指輪代わりです、ふふ。


そういって、舌で自分の唇をちろりと舐めて、最上級の艶のある笑顔を見せると・・・・

彼女は湯気がでそうなくらい真っ赤な顔をして口をぱくぱくさせていた。

やっぱり彼女は可愛い・・・あまりの可愛さに口づけをしたい衝動にかられたが・・・

ここは人目もあるし・・・こんなところでは彼女が可哀想だと思い我慢する。

後で人がいないところで、たっぷりと・・・・ね。



この光景を見ていた後の人々はこう語る。

あの時の彼の笑顔は男でもそれだけで妊娠してしまいそうになるくらい、エロくて艶の

ある顔だったと・・・。




その後、私こと『シャリアン』と彼・・・『ジェイムズ』がどうなったかというと・・・。


結論から言えば・・・出会ったその日に結婚して夫婦になった。

この世界では大がかりにしようと思わなければ・・・教会で指輪を交換するだけで簡単に

結婚できてしまうのだ・・・。


指輪を買って戻ってきた彼が手にしていた指輪は・・・結婚指輪・・・

「いきなり結婚は・・・」と、私はひかえめながらもかなり必死に抵抗したのだが、

あの最強の必殺技であえなく陥落してしまった。


そして、結婚と言えばついてくる『夜のあれ』では彼にたっぷり可愛がられ・・・・

初めてだったのに・・・!



それから、別れる理由も特にないまま彼との関係が続いている。

彼のことは嫌いではないし、どちらかと言えば好きに分類されるのだが・・・それに

恋愛感情があるかと聞かれるといまいちよく分からない。

こんな曖昧な気持ちで一緒にいて良いのかなぁ~と思うのだが・・・


「僕のこと嫌いですか?」


と、必殺技と併せて言われるとどうも弱い・・・なので今まで一度も別れ話が成功し

たことがないし、言ったら最後・・・口は災いの元、という格言があるように後が恐い・・・。



「・・・これって私、幸せなのかな?」

「僕がこ~んなに愛してるんだから、当たり前じゃないですか?・・・シャリさん今、

もちろん幸せですよね?」


彼の言葉は例えるなら『毒』だ・・・。熱い瞳と艶のある声でそうささやきかけられれば、

彼の声は私の体中に浸透し、そして私の答えは一つしか残らない。


「うん・・・・幸せ」


こんな感じで私と彼の関係はこの先ずっと続いていくのだろう・・・。

それが幸か不幸かは・・・・人生が終わってみるまではきっと誰にもわからない。




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