知識
それぞれ、【特技ノ間】に入っていくと
後ろの扉が閉まる。
そして目の前には大理石のような立方体の上にスタンドのようなものがありそこに薄いクリーム色のような紙が置かれていた。
そこに指を付け、指紋がくっきりと紙に付く
すると、
その紙に赤色…いや青色、?黄色…と
色が変わりながら文字が浮かぶ。
貴方の特技は【知識】です
貴方は科学者、研究者などの先人が積み上げてきた知識がその頭に全て入っています。
ただし、知識を得る過程の記憶は戻りません。
なんだこれ…知識って特技と言えるのか…
と、考えていると
アンクの頭の中の穴にナニかが詰められたかのような感覚が襲いかかる。
そして、外に出ようと後ろを振り向いたとき、この部屋に入ったときには確実にあったふすまに付いている取っ手がなくなっていることに気づく。
その代わり、扉の部分に、
特技を使い生きてここから脱出せよ
という文字を見る。
やばい…急にそんなこと言われても、
と焦っていると、後ろにあった大理石の台がパックリと半分に割れ、中からいかにも凶暴そうなイタチのような生き物が顔を出す。
何これ…?
ここ、【記憶の迷路】に来てから不思議なことや、疑問は無限に浮かんだが、身の危険に陥ることはなかった。
その平和ボケがアンクを油断させていた。
そう、ここでは何が起こるか分からない
想像したものが創造されるという奇妙な現象に慣れを感じ、それがさも当たり前かのような環境で3日も過ごせば人間誰しもそうなる。
そんな言葉がツラツラとアンクの頭を駆け巡る。
すると、そのイタチが鋭い爪を突き立ててこちらに飛び込んでくる。
やばい!
そう思ったとき、既にアンクとイタチの間に椅子が創られていた。
そう、油断はしていてもアンクの生存本能はまだ生きていた。
反射的に防御行動をとったのだ。
イタチは創られた椅子にぺしっと当たり、後ろにのけぞる。
警戒はしているもののやはり、餌だとしか思われていないと本能的に察知してしまう眼を携えている。
戦うしか、戦わないと死ぬ!
そう思うと、以外にもアンクの頭は冷静にかつ、迅速に回る。
アンク「まずはこれ!」
と水風船を創り、様子見をしているイタチに投げつける。
1つ目は避けられ、壁に衝突して破裂する。
その中身が無害であると分かると2つ目3つ目を避けることなく全て爪で、身躯で、割っていった。
水風船を無視してまたもやアンクに飛び交ってくる
すると、上からズンッと重く鈍い音を携えて
金属板が落ちてくる。
全ては作戦だった。
まず、最初に水風船を3つ創り、1つ目で無害だと思わせることで無視して突っ込んでくる、そこに金属板を落として、イタチが圧死。
それがアンクが今の数秒で思い付いたプランであった。
だが、落ちてくる金属板の真下に位置するイタチは潰れてはいなかった。
アンク「持ち上げてる…?」
そう、いくら凶暴そうに見えても、人間の体躯の3分の1もない小さなイタチが、
数百キロの鈍重な金属板を持ち上げていた。
そしてその金属板は上にひょいっと投げられ、
イタチが飛んで拳を当てる。
パラパラと飛んでくる欠片から粉々になったことが容易に想像できた。
「は…?はぁ?いや、え?ちょ…」
言い表せようのない動揺と恐怖に包まれて動けなくなる。
目の前であり得ない光景が映っていたのだ。
その恐怖の対象が目の前に佇んでいる。
体の大きさは小さくてもそこに詰まる力は思いもしないものである。
それがこちらに歩ゆみ寄ってくる。
し…死ぬ…?
死の恐怖に心が揺れる。
脳が回る。
気がつくと、恐怖が解析に変わっていた。
目の前にいるのはイタチではなく、ハクビシン
テリトリー意識が強く、イタチ程ではないが凶暴性も備えている。
ここはハクビシンのテリトリー…?
ハクビシンの力とは到底思えない。
あれはハクビシンから着想を得たのか…
それともモチーフ、元になったのがハクビシンなのか?
解析…いやここでの表現は【知識】…
【知識】を使う…そのとき、アンクレットから、
赤、青、緑、黄、白、黒、橙、など様々な色の光の粒が回り、交差し、移動する。
そしてアンクは眼に正気を取り戻す。
ハイライトが戻る。という表現もできるかもしれない。
そして、1つの膨らんだゴム性の袋を創る。
そしてそれをイタチ…いやハクビシンに投げつける。
ハクビシンは先程同様、何かしたかというかのように爪で切り裂き割る。
当然中に入っている水分が体にかかる。
すると…ばたっとハクビシンがいきなり倒れる。
アンク「これは麻酔だ…熊が一滴で眠るものを全身にかけたんだ…流石に眠るよな…」
と、アンクはハクビシンに近づく。
そしてナイフを創り、手に持つ。
アンク「お前のお陰で、【特技】を取り戻せた。
殺されかけたお前に言う事じゃないかもしれない。だけど、ありがとう」
アンクは眠っているハクビシンに笑いかけたあと、ナイフを突き立てる…
よし、これで終わりだ…
やっと出れる…そう思ったとき
目の前の壁に穴が空き、そこからなにか尖った物が確認できる。
あれって…矢?もしかして飛んでくるとか?
と考えていると、頬をかすり自分の後ろの壁に刺さる。
そして四方八方から同じ物が生まれていく。
次は矢かよ!
アンクは咄嗟に粘土を創造して壁を築く
その壁にひゅんひゅんと矢が突き刺さる
しかし、数十秒もすれば粘土の壁も土くれと化す。
ポロポロと崩れる粘土の壁
その時…アンクレットの回りをクルクルと何粒かの赤、青、緑、黄、などの光が交差する。
粘土の壁の下側から白色のなにかに覆われていく。
その土くれが完全に白色に包まれたと同時に地面をつたい壁に侵食する…
その白には矢が刺さる前に弾かれやがて、アンクが入った【特技ノ間】の部屋全体を包み込む。
やがて、ひゅんひゅんという音が止み、扉があった方からずずずと音がなる。
扉が開いたのだろう。
そしてアンクは音のする方へ歩き出す。
粘土壁を土塊にするほどの矢を受けても傷1つつかなかった白の中をするっと通り抜ける。
元の通路には既にチョークが待っていた。
チョーク「予想よりお速かったですね。」
そういってチョークはアンクの扉の先を覗き込む。
チョーク「あちらはなんでしょうか?」
アンク「あぁ、あれは片栗粉と水を溶け合わせたやつ、いわゆるダイラタンシー現象ってやつ。いきなり矢が壁から飛び出てきて、壁に使ったんだよ」
チョーク「そのご様子だとアンク様も特技を得られたのですね。しかし…私の所と部屋の仕掛けが違いますね。」
アンク「まぁ特技に合わせた仕掛けが仕掛けられる。という考えが正しいだろうな…」
と言っているとずずずとまた1つ扉が開き、中からブレスと一匹の犬が顔を出す。
はい!merp1eです!
いや〜特技パート始まりましたね!
これからはやっぱり、キャラクターの根幹に関わる部分ですし、今後に大きく関わっていくので深く書きたいんですよね〜
今回はアンクでした!
いや〜それにしても知識か…アンクも言ってたけど特技って言えるのか?
というか…いちいち調べないといけんから面倒くさいんですよね正直、
まぁでも結構お気に入りのキャラですししっかりしたいんですけど…僕が馬鹿なので、キャラの魅力を引き出せきれないかもですね…
まぁそんなことは置いといて、
では!次回をお楽しみに!