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劣化天職で最強  作者: 春の天変地異
王都編
98/134

VSお父さん③

 (これは当たりだ! 簡単に遠距離攻撃ができるし、確かオンオフもできるんだったよな)

 俺はそのコピーしたスキルについての記憶を思い出している。


 「何をぼうっとしている……! はあっ!」

 そんな俺に対して父は剣を振り下ろす。それを自己暗示によって風をも超えるような速度となっている俺は、父の背後をとるようにして回避する。


 「遅延ッ!」

 そのユニークスキルを俺は発動する。一定の範囲内にいる相手の動きを一気に鈍化させるそのスキルを。


 (このスキルの良いところは範囲内にいても、自分や味方の動きは変わらないところだ! 故にスキルが発動してる間は近接戦において一気に有利になる!)


 俺はディレイクソードを使わぬまま父に剣で攻撃をする。自己暗示と遅延によって、一時的にだが父の動きを凌駕している俺の振るう剣は父の防御が間に合わない速度で父に襲いかかる。


 「ぐうッ……!」

 斬った箇所には傷が生まれ、そこから血が飛び出す。俺の魔力を纏ったその剣は父にダメージを負わせるほどの威力があるのだ。

 そのまま俺は連続で剣を振るう。そのうち自己暗示の効果はきれていたが、それでも遅延の力で俺が優位であることは変わらない。いくつかの斬撃は防御されていたが、いくつかの斬撃は確実に父にダメージを与えていた。

 がそれらが決定打にはならず、いずれ遅延の効果も切れてしまっていた。


 (―――ッ! 遅延が切れた!)


 元のスピードを取り戻した父は、恐ろしいスピードでその剣を振るう。


 「くっ! 反射ッ!」

 そのスキルによって父の剣は弾かれる。その隙に俺は父から距離を取る。


 「ねんりき!」

 俺は手のひらから父に光線を放つが、すでに剣を構え直していた父によって防御される。 

 

 (ディレイクソード、オン! まずは二振りだ!)

 俺はコピーしたスキルの効果を発動し、その剣を二度振るう。まずは右上から斜めに振る。そして左下へと降りた剣を返すように右上へともう一度剣を振る。


 「ぐッ!! まさか……ディレイクソードか!」

 父はその見えない二つの斬撃に対応できず、傷を負う。大したダメージにはなっていないが、それでも確実にその斬撃は父の身体に傷を与えている。

 俺はそのままさらに剣を振る。さまざまな方向から4つの斬撃が父を襲う。

 

 「速度上昇(スピードアップ)!」

 父はその斬撃を、スキルを発動することで速度を高め、その速い動きで剣を動かして全て受け切る。


 (くそ、ディレイクソードは残り2回か……! 一旦ディレイクソードをオフにしておこう……)

 

 父は剣を受け切ったのち、そのまま上昇している速度を活かしてこちらに超スピードで近づいてくる。


 「速いッ! 一度距離をとるか……! グラビティコントロール!」

 俺は自身の肉体に触れてそのスキルを発動させる。触れた対象にかかる重力をコントロールできるそのスキル。俺はそれを使うことで自身にかかる重力を減らして跳躍距離を大きく伸ばし、後方へとジャンプする。

 しかし父は一瞬にしてその開けた距離を縮めてくる。俺はそれから逃げるように何度も後方へのジャンプを繰り返す。

 (とりあえず遅延がもう一度使えるようになるまでこうしてなんとか逃げ続けよう! そのうち追いつかれてしまいそうだけど……)


 「筋力上昇(パワーアップ)! クロスセイバー!」

 ピョンピョン飛び跳ねて父から逃げる俺に対して、父は攻撃力を高めてクロスセイバーの斬撃を飛ばしてくる。


 (―――っ! 避けられないッ! 反射もまだギリギリ使えないし……仕方ない。最後の分身を使うか……! 入れ替われ! 分身!)

 俺は父の攻撃を凌ぎ切って生き延びていた最後の分身を犠牲にその斬撃を回避する。


 「ふぅ……危なかった……。っとのんびりしていられないな」

 俺は入れ替わったその位置から再度父との距離を取るため、跳躍を始める。


 (遅延がもう一度使えるようになるまで後5秒程度……! 反射はすでに使えるようになったし凌ぎ切ってやる!)


 そして俺はそのまま回避を続けて遅延が発動できるようになったため、そのスキルを発動する。

 「遅延ッ!」

 そのスキルが発動したことで、父の動きは大きく遅くなる。父はそのスキルの範囲内から脱出しようと地面を蹴る。


 (逃げるつもりか……! だったら)

 「引き寄せ!」

 俺はスキルを発動させ、手のひらから赤い紐のようなものを伸ばす。その紐は父の胴としっかり繋がった。俺はその紐が伸びている手を、紐を引っ張るように動かす。すると父の体はグイッと紐に引っ張られてこちらに引き戻される。

 「なっ……!」

 

 (もうこの遅延から逃してやるもんか! 今回の遅延でこの戦いを終わらせる! てかそうしないともう勝てない気がする!)

 「自己暗示ッ!」

 俺はスキルを発動して身体能力を大きく向上させる。そして剣を引き抜き、父に襲いかかる。


 剣と剣が打ち合いを開始する。俺の剣と父の剣がぶつかり合い、音が鳴り響く。


 (……こうして打ち合って気づいたが、父はたいして剣術が上手いわけではない。あくまでステータスのゴリ押しみたいな感じだ。剣術だけでみたらうちでメイドをしてくれてるレイラの方が全然強い。もし父が剣術の知識の少ないのなら、あの技でダメージを与えられるかも知れない……!)


 そして俺は父に対して、かつて剣術を全然できなかったころの俺がやられたその剣術を行う。


 (まずは一振り!)

 俺は父に、あえて隙を見せるように剣を振り下ろす。父はその隙という餌に見事飛びついてきた。父は俺に対して剣を振り下ろす。が、その剣は俺に届くことはなかった。


 俺は素早く振り下ろした剣を返し、そのまま振り上げる。餌に飛びついた父はその素早い剣に見事打ち取られる。

 バシンっ! といった音と共に力強く父の顎を剣が叩く。

 

 「燕返しィッ!!」


 「がっ……あ……!」

 その高威力の攻撃に父は大きく耐性を崩し、怯んで隙を見せる。


 (この隙に決める! 最大火力をぶち込むんだ!)

 そう心に決めた俺は、スキルを連続で発動する。


 「具現化! サイコエンチャント! 念動力! コピー!」

 俺がそういくつもスキルを発動すると、桃色のオーラを纏った剣が十本程度現れ、宙に浮かび上がる。


 (父さんを倒すにはちょっと死んじゃいそうだなってくらいの攻撃をするのがちょうどいいだろう!)


 「(つるぎ)よ! 穿てッ!」

 その言葉に応えるように宙に浮かぶ十本の剣はぐるりと父の方を向き、そしてそれらは父を穿つのだった。

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