穿つ剣
そのいくつもの剣はモンスターの胴体に突き刺さる。サイコエンチャントのおかげでダメージはかなり入っているようで、モンスターの胴体から血が垂れてくる。
「よし、成功だな。ただ……別にこれだけなら遅延は必要なかったかな」
俺は刺さった後も残り続ける剣を見てそう思う。
「な……なんだあの剣は!? 一瞬であのモンスターどもに重傷を……!」
「か、彼も冒険者なのか!? 少なくとも騎士団ではなさそうだ……!」
「あ、あいつはさっき……モンスターどもを率いていた人間を倒したやつだ! 俺は見ていたぞ!」
そんな声が騎士団や冒険者の人々からあがる。
(さて、あの時はサイクロプスを倒すのはセツナに任せっきりだったけど……今ならあれ級のモンスター数体くらいなら一人で倒せるはずだ)
そう思った俺は、スキルでモンスターを攻撃する。
「ねんりきっ!」
俺は一体のモンスターに狙いを定め、光線を放つ。その光線は綺麗にそのモンスターに命中する。
「ギュオォォォァォオ!!」
それを受けたモンスターは俺の方に、血を垂れ流しながらも全力で駆けてくる。
(お、俺の背後にちょうどいい岩があるじゃないか。利用しちゃうか)
そう考えた俺は突進してくるそいつを回避するため、スキルを使う。
「グラビティコントロール!」
俺は自身の身体を軽くし、モンスターの突進がギリギリ当たらないくらいの距離で宙に浮かぶ。
「グォォォ!?」
結果モンスターは岩に激突をする。
(さらに利用できそうだな、この岩。ほんと便利で都合の良い岩だな)
俺は空中からモンスターに向かってスキルを放つ。
「引き寄せ!」
すると俺の手から紐のようなものが放たれ、俺の手とモンスターが紐によって繋がれる。そして俺はそれをグイッ! と空中で引っ張る。するとモンスターは岩の真上に引き寄せられ……紐から解放されたそいつは尖った岩に突き刺さるように落下した。
『レベルが101になりました』
「さて、次は……ってよく見たらあれから4体程度倒されてる! さすがは騎士団! 俺が一体倒す間に4体も倒すなんて」
俺は振り返って視界に映る状況を見てそう口にする。
「さて、そろそろ具現化とかもまた使えるようになったはずだ。ってことで具現化! 念動力! サイコエンチャント! そしてコピー!」
俺のスキルの効果で先程と同じように10本の、桃色に光りプラズマを纏う剣が現れる。
「さっきは8体のモンスター全員に突き刺したが今度は2体のモンスターに絞ってみよう……。さあ! 10本の剣よ! 2体のモンスターを穿てッ!」
その言葉と共に10本の剣は宙に浮かび、そしてギュンッ! と音を立てて、空中を突き進む。そしてその剣は2体のモンスターに突き刺さる。
「「ギュグォォォ゛ォオ゛!!」」
そんな断末魔を上げながら二体のモンスターは地にふせる。
『レベルが102になりました』




