レベル100
『レベルが100となりました。スキルを一つ選択し、強化することができます』
そう、ギリアムを倒した俺の視界には映っていた。
「スキルを強化できる……か。なんか今はそれを喜ぶ気分にはあまりなれないな」
ギリアムを手にかけた俺の心はあまり良いものではなかった。別にギリアムは良いやつってわけじゃあなかった。むしろ悪いやつ、悪人という言葉に相当する人間であろう。だけど俺の気分は沈んでいる。
(多分俺は……俺に対してさまざまなことを教えてくれたやつのことを完全な悪としてみれていない。ギリアムは結局己の、戦闘欲求に従って行動をしていただけ。その過程で多くの人間を巻き込もうとも、自分ファーストで生きていたのだ)
「……これ以上こいつの事を考えても別に何もうまなさそうだ。さっさとスキルを強化して騎士団の人たちの手助けをしよう」
そうして俺は強化するスキルを選択する。
(あまり普段から使わない、使う機会が少ないスキルを強化しよう。正直普段から使ってるやつをさらに強化しても、クールタイムが問題になってくる。そのスキルがクールタイムの時が俺の隙になってしまう。だから俺が選択するスキルは……)
そうして俺は、『コピー』を強化する。直後、俺の視界には文章がうつる。
『コピーが強化されました。触れた物体をそのままの状態で増殖させることができるようになりました』
「触れた物体を……? 増殖ってどれくらい増やせるんだ? てか前にスキルを強化した時はこんな説明なんてなかったぞ。なんで今回だけ? まあ考えても多分わからないよな。とりあえず考えるよりも……あのモンスターを倒すのが先だな」
「さて、残りのモンスターの数はだいたい8体か。強さは全員サイクロプスくらいかそれより少し下か。ただ……一体、桁違いなやつがいるな」
それは巨大な狼のモンスターで、現在前にドラゴンにトドメを刺した騎士団の人と交戦中だ。
(あの人はだいぶ強いし、とりあえず俺は他のモンスターを倒すのに助太刀しよう)
「具現化! サイコエンチャント! そして念動力! さらに遅延! そして俺の予想が正しければ……コピー!」
俺は先ほどと同じように剣を具現化し、さらにそれに四つのスキルを作用させる。サイコエンチャントを受けた剣は薄く桃色に光、念動力を受けてサイコエンチャントと同色のスパークを纏う。遅延を受けたため消滅までの時間が遅くなる。そしてコピーをしたその剣は、先のふたつの効果を受けた状態で大量に現れた。数はぱっと見10本くらいか。
そしてそんな10本の剣を俺はスキルで動かす。
「さあ、全ての剣よ! モンスターどもを穿て!」
その言葉を受けた10本の剣はモンスターに勢いよく向かっていくのだった。




