大ダメージ
ただ、肉弾戦は得意じゃないんだよな。いや、得意というより俺は拳での戦い方を知らないんだ。生まれてから俺は剣の道を歩まさせられていたからなあ。
そして俺はもう一度姿を隠したモンスターがどう攻撃を仕掛けてくるかを考える。
後ろか、横か、それとも上か正面か。
「今までと同じなら、後ろだろ!」
そうして俺は前に一歩飛び出し、振り返る。そして拳を突き出す。
「あ、外した?」
俺の拳は空気以外に命中はしなかった。そして俺から離れた位置に姿を現したやつは俺に向かって頭をブンとふる。
「え、そこから!?」
そう俺が思った瞬間、やつの頭部に生えた立派な角がピカッとひかってそこから光線が放たれた。
「! こいつ、ビームまで撃てたのか!」
しかも早い。このビーム、ねんりきよりも早いスピードで飛んでくる。
「反……!」
俺はビームを反射しようとするが、間に合わずモロにビームを受けてしまう。
「ッ、ぐぁ……!」
(威力、高すぎるだろ……! ローブの一部が焦げてやがる……)
「しかも……俺の身体まで熱が……! ローブの防御力を完全に上回ってるじゃないか……。―――ッ! 消えた!」
俺がダメージを受けて怯んでいるうちにやつは姿を隠す。
「またか……! くッ! 今度はどこからくるんだ!?」
遠距離、近距離、どの方向から攻撃がくるか分からない。だったら、どこからきても対応できるようにしないと!
そして俺はその場でドンと構える。それでどう攻撃に対応するか。反射だ。さっきは光線の速度に間に合わなかったが、くると思って構えていれば間に合うはずだ。
さあ、どこからだ……!?
そう身構えていた俺の、すぐ背後にそいつは現れた!
「きた!」
そうしてやつは頭部の角をピカッと光らせる。その角は光を纏ったようになり、そしてやつはそれを俺に向かって振り下ろす。
「反射ッ!!」
タイミングは完璧。その攻撃は反射された。はずだった……。
やつは俺に当たる寸前でピョンッと宙で後ろに小さく飛び跳ねることで攻撃を外した。
「反射の仕組みに気づいたのか!?」
直後、やつはもう一度前に飛び跳ねて俺に攻撃を仕掛ける。咄嗟のことでそれに反応できなかった俺は、モロにその攻撃を受けてダメージを負う。
「な……ぐあァッ!」
俺のローブが小さく切り裂かれて、そこから俺の血がピッ! と飛び出す。
ダメージを受けた俺は地面に膝をつけてしまう。そんな俺にさらにダメージを負わせようと、やつは角に光を纏わせる。
(クソっ! やばい……やられる! ま、まじで死ぬかも……!)
そう俺が思った瞬間、「加熱!」という声が上空から聞こえてきて、直後にモンスターはバゴーン! という音と共に頭を叩かれるのだった。




