ゴールドマシナリー
「なんだか珍しい感じの人だったなあ」
「うん。名前もあなたと似たタイプで珍しいし、天職も料理人だしね」
「……言われてみれば俺と似た名前だったな。ということは大翔もあの島国出身の子孫なのかな」
「そうなんじゃない? 私にはわからないけど」
まあ考えても仕方ないよな。
「よし! それじゃあ次のクエストに行こうか」
「わかった」
そうして俺たちはギルドへ行く。
するとある一点に人が集まっていた。
その一点を見つめると俺の目の先には青色の張り紙がされていた。
「なんだこれ?」
「ゴールドマシナリーの目撃情報だってさ」
「ゴールドマシナリー?」
「なかなか見つかることがない黄金の機械型モンスターって聞いたことがある。倒すと経験値がたくさん手に入るらしい」
「なるほど。経験値がたくさんってのは気になるな。どれくらい強いのかわからないけど探してみるのもありかな」
「私もそう思う。あなたの遅延があれば勝てなさそうでも逃げれるだろうし」
発見場所は書いてあるしそこそこ探せば見つかるだろう。
「よし。行ってみるか。カイウンコウザン!」
「それで見つける方法はあるの?」
到着早々リコが俺にそう聞くがそんなものはない。
故に俺は答える。
「手当たり次第に探す!」
「わかった。できるなら使いたくなかったけどこのままだとだいぶ時間がかかりそうだし」
そうしてリコは自身のアイテムバックから円形の道具のようなものを取り出す。
「それは?」
「前に錬金術で作ったやつなんだけど探してる人とかモンスターを見つけれるアイテムで、これの真ん中にある針が探したいものの方向を指してくれるの」
「さっすが錬金術!」
そうして俺たちは針がさした方向へ進んでいく。
数分たち、俺たちはコウザンの中の大きな空間へと辿り着いていた。
「この辺のはずだけど……」
「おぉ! 鉱石がゴロゴロ転がってるぞ!」
俺たちの足元には青色の鉱石がたくさん転がっていた。
これを全部売り払ったら何ゴールドになるのかな。
「鉱山って言うだけはあるね」
「っと鉱石を集めるのは後かあ。あいつだよな?」
「うん。そのはず」
俺たちの視線の先には黄金の外装をした二足歩行の機械が立ち尽くしていた。
「それじゃあ攻撃するけど準備はいいか?」
俺がそう問うとリコはうんと答える。
「遅延! ねんりき!」
俺のねんりきはゴールドマシナリーの肩に直撃する。
「あんまり効いてないみたいだ」
俺のスキルでこちらに気がついたゴールドマシナリーはこちらへゆっくり振り向く。
「ジェット」
ゴールドマシナリーがそう口にするとやつの脚の後ろから青い炎がふきでてこちらへ直進する。
「遅延の範囲から抜けられた!」
遅延の範囲から抜けたゴールドマシナリーはものすごい速度でこちらへ向かってくる。
「ロックオン」
その言葉を口にしたやつの目が赤く光る。
「バスター!」
その言葉と同時に、ゴールドマシナリーの右腕が変形し、発射口のような形になり、そしてそこから赤色のビームが発射される。
「反射!」
俺のスキルによってこちらに向かってきていたビームは一気に進行方向を変えてゴールドマシナリーの方へ向かっていく。
「よし! 成功!」
しかしそのビームをゴールドマシナリーは横にステップすることで回避する。
「避けれるのか!」
「攻撃錬金!」
直後、リコがスキルを使い光弾を放つ。
その光弾はゴールドマシナリーに直撃する。
あんまり効いてないな。外装にちょっとかすり傷をつけたくらいか。
「遅延!」
光弾を受け止めたゴールドマシナリーに再使用ができるようになった遅延を使う。
「サイコクラッシュ!」
さっき遅延を使った時は速攻で抜け出してきた。
だったら抜け出した先に攻撃を仕掛ける!
「ってあれ?」
今度はジェットってやつを使ってこないのか?
まあいいや。なら普通に攻撃するか。
「ねんりき!」
ねんりきはゴールドマシナリーに直撃する。
やっぱり外装に傷をつける程度か。
「攻撃錬金!」
リコがそのスキルを発動すると、空中に青色に輝く尖った細い石が浮かび、それはゴールドマシナリーに向かって飛んでいく。
あれは! そこらへんに転がってる鉱石を錬金したのか。というより前からたまに思ってたけど媒体によって出来上がる攻撃は変わるんだな。
ほんとに便利なスキルだ。
飛んでいった石はやつに命中する。
うーん。あれでもダメなのか。っと遅延が解除された。
「ソード!」
やつの右腕が変形し、今度は光剣へと変化し、ゴールドマシナリーはこちらへ向かってくる。
「ねんりき!」
桃色のビームがゴールドマシナリーに向かっていく。
っ! 構えた!?
ゴールドマシナリーは右腕の光剣をねんりきに対して振るう。
「スキルが斬られた!?」
「ジェット」
直後、ゴールドマシナリーは俺の前まで高速で距離をつめる。
ジェットがあるからずっと遠距離から攻撃はさせてくれないのか……!
そして俺は剣を手にとる。
「サイコエンチャント!」
カァァァンと音が鳴り響き、俺の剣はやつの光剣を受け止め、そのまま受け流す。やつはすぐさま切り返し、またも俺に向かってきてその腕を振る。
「自己暗示!」
そして俺はスピードを高めてゴールドマシナリーの背後に回り込む。
「はあ!」
やつの脚に剣を打ち込む。
クッソ! やっぱりダメージが全然通ってないな。
っと下段に!
振り向いたゴールドマシナリーは俺の足に向かって剣をふる。
俺はジャンプをすることでその攻撃を回避する。
「はっ!」
ジャンプをしながら俺はやつの頭部に剣をふる。
お?今こいつの頭がちょっと傾いた?
こいつはちゃんとダメージを受けてるのか?
だったらもう一発!
「ねんりき!」
俺は地面に着地し頭に向かって放つ。
うーん。傾いてはいるけどさっきくらいは傾かないな。打ちどころが悪いのか?
「とりあえず遅延!」
「さっき頭を狙ってたけど頭に何かあるの?」
リコはそう俺に問いかける。
「分からないけどさっき剣で頭を打ったときにぐわっと傾いたように見えたんだよな。だからもしかしたら頭が弱点なのかなって」
俺がそう答えると、リコは「だったら……」と言ってある言葉を俺に投げかける。
「いっそあいつのこと鑑定しようか?」
「鑑定? あいつを?」
「そう。私のスキルの鑑定はモンスターにも使えるから。まあ触れなきゃいけないから難しいけど。でも弱点とかがあるなら鑑定すればわかるし。必要ならどうにかして触れてくるけど?」
「うーん。危険じゃないか?」
「智也の遅延があれば大丈夫だと思う。多分」
確かにリコはそこそこレベルも上がったし遅延があれば大丈夫かも知らないけど……それでも危険だよなあ。仕方ない。
「だったら俺がリコを抱えてやつに最大限近づくから触れてくれ。そっちのが安全だと思う」
「分かった。それでいこう」




