一撃
次の日、俺はいつものようにギルドへとやってきていた。
現在、9時57分。
いつも通りの時間だ。
待ち合わせの時間よりは少し早いが、本当に少しってくらいだし特に問題はないだろう。
さて、ギルドのどこにリコはいるのか。もしくはどこで待っていればいいのか。
そんなことを考えながら俺はギルドの中を移動する。
そして、ギルドの端の方の席に座っているリコを発見したので俺は声をかける。
「おはよう。己を鍛える準備は済んだか?」
「おはよう。レベルを上げることをそう言い表す人を初めて見たわ」
なんだろう。一瞬、変な人を見る目を向けられた気がしたがまあ気のせいだろう。
まあとりあえず本題に入るか。
「それじゃあ今からクエストを受けるつもりなんだけど、クエストって冒険者じゃない人とも一緒にできるのかな。それとリコってもう冒険者登録してる?」
(レベルがほとんど上がっていないから冒険者登録してないと思うけど……いやけどこの前、ここで飯を食べようとしてたよな。や、それは根拠にならないか。ここって冒険者じゃなくても飯は食べることができたはずだからな。それにクエストにはモンスターと戦う以外のものもあるから、別にレベルが上がってなくとも冒険者登録してる可能性もあるし。ひとまずリコの答えを待つか)
「私はまだしてない。あと冒険者じゃない人と一緒にクエストをするのは可能だと思う。だからとりあえずは登録せずにやろう」
「了解。それじゃ適当にクエストを受けてくるよ」
そうして俺はクエストを選び始める。
(今回はリコがいるからあまり強いモンスターはやめた方がいいよな)
ほとんど俺が相手するからリコがダメージを負うことはないとは思うけど、リコがダメージを負ってしまったら強いモンスター相手だと致命傷になる可能性だってある。
幸い俺も最近は金に余裕が出てきてわざわざ難しいクエストをして稼ぐ必要はないし、さすがにリコもレベル上げの効率を落としてでも命の方を優先だろう。
多分。
ということで俺はとりあえずオークを討伐するクエストを受けて、リコと共にオークを発見していた。
「それじゃあ適当に私が一撃攻撃を与えるから、そのあとはお願い」
「分かった。ちなみに一体どうやって一撃与えるつもりなんだ?」
リコに攻撃をする手段はあるのだろうか。いくら一撃だけとはいえ、攻撃手段がなさそうなリコがどうやるのだろう。
するとリコは地面に落ちている小石を拾いながら俺の疑問に答える。
「そこらへんの小石を投げて当てる。それだけ」
そしてリコはその小石をオークに向かって投擲した。
その小石はオークにコツっと命中する。
「ねんりき」
直後、俺はオークに向かってビームを放つ。
オークはその一撃で胴を貫かれるのだった。




