レベル上げのお願い
「ごめん。今回のは戦闘でバラバラになっちゃったから解体できなかった」
ケルピーを倒した後、買い取ってもらうためにリコの元へとやってきていた。
「分かった。いつもより安く買い取ることになっちゃうけどそれでもいい?」
「あぁ。仕方ないよ」
「それじゃあ値段見てくるから待ってて」
そして数分ほど待ち、店の奥に行ったリコが戻ってくる。
「はい。2000ゴールドで買い取るけどこれでいい?」
「それでお願いするよ」
そうして俺に2000ゴールドが手渡される。
「それと今回、ちょっと智也にお願いがあって……」
「お願い?」
「うん。私のレベルをあげるのを手伝ってほしい」
「レベル上げ?それをなんで俺に?」
「私の天職じゃモンスターを倒すのが難しいから。智也がモンスターを討伐する前にそのモンスターに私が1回でも攻撃しておいたら私も経験値がもらえるでしょ? だからあなたに手伝って欲しい」
そんな方法で経験値が貰えるのか! そういえばこの前ドラゴンは騎士団の人が倒したのに俺のレベルも上がったな。
「なるほど。別に構わないけど今のレベルってどれくらいなんだ?」
「今? ほとんどモンスターを倒したことがないからまだ5だけど」
「ほとんど倒したことないのに5までレベルが上がってるのか。一体どうやってそこまであげたんだ?」
「前に智也がヘルバードを倒したでしょ。その時に持ってたナイフを微かにヘルバードに当てたの。それで少しレベルが上がったってこと」
なるほど。俺が倒したヘルバードに少しでも攻撃を当てていて経験値が貰えているならそのくらいにはなるのか。
だがそれくらいでしかレベルを上げたことがないやつがなぜ今レベルを上げようと思うのだろう。
「そういうことか。けどなんで今更レベルを上げようと思ったんだ?」
頭で思っていた疑問をそのまま口にする。
「あぁ、それは……前にこの街の近くにモンスターの群れが来たでしょ。あれは街の前で倒されたけどいつかこの街がモンスターによって滅ぼされるようなことがあった時に、少しでも戦えないと逃げれないなって思ったから」
「それだけなのか? 別に問いただして意味のあることでもないとは思うが、それだったらこの前街にサイクロプスがでた時にもそう思うんじゃないか?」
「まあ、主な原因はさっき言ったのだけどもう一つ原因があって……」
そうしてリコが俺にもう一つの原因を話し出す。
「智也にあげた貰える経験値が2倍になる魔石あったでしょ? それがもう一つ錬金術で作れたの。それで、さっき1回でも攻撃しておいたら経験値が貰えるって言ったでしょ。あれって討伐した人よりも貰える経験値が少なくなるの。だからその少ない経験値でレベルを上げるのは厳しいと思ったから今までやろうとは思わなかったんだけど、そんな少ない経験値でも2倍になったらそこそこレベル上げはしやすくなると思ったから今レベルをあげようと思ったってわけ」
「そういうことか。ちなみに手伝うって言っても俺はどうやって手伝わせて貰えばいいんだ?」
「智也がいつもやってるクエストについて行かせて。それで私にモンスターを軽く攻撃させて」
それだけでいいのか! 内容によっては金でもいただこうかと思ってたがそんくらいならその必要はなさそうだな。
「分かった。それじゃあ明日からさっそくついてくる?」
「そうさせてもらおうかな。あなたは普段何時からクエストをやってるの?」
「確か10時くらいかな。たまにこれより早い日もあるけど大体10時だよ」
「分かった。それじゃあ明日10時くらいにギルドで待ってる」
それを聞いた俺は了解と言って店を出るのだった。




