モンスターのスキル
カァァァン! という音が鳴り響き、それと同時にドラゴンの体が大きくのけぞり、後方へ下がる。
「タイミングよくってこれでいいのか!」
喜んでた俺に向かって体制を立て直したドラゴンが炎を吹く。
「グラビティコントロール!」
一直線に押し寄せる炎を俺は自身を軽くしてジャンプすることで長時間空中に滞在して回避する。
「解除! ねんりき!」
俺は炎が消え去った地面にねんりきを打ちながら着地する。
「まるで弱ってないな。他の人も攻撃してるんだけどなあ……」
俺以外にも様々な冒険者がやつを攻撃している。
なのにあいつは今も怯んだような素振りを一度のぞいて行わない。
「今んとこ反射でしかまともなダメージ与えられてないんだよなあ……」
俺以外にエスパーはいないのか? 他にも反射を使える人がいればより多くダメージを与えられそうなんだけどなあ。
「グオオオオオ!」
そんな咆哮とともにドラゴンは再度俺に向かって突進をしてくる。
「よっし! 反射!」
さっきと同じようにその突進を直撃の寸前で反射した。
つもりだったのだが俺の体は吹っ飛ばされていた。
「ぐああっ!」
周囲に俺の血と破れた防具の茶色い布が飛び散る。
「まさか反射が反応しない位置で停止して、タイミングをずらして攻撃してくるだなんて!」
俺は備えていた回復薬を使用しながら体制を整える。
「回復薬がなくなった……」
俺が所持していた回復薬はたったの二つ。
すでにその二つを使用してしまったのだ。
そんな俺の気も知らないでやつは炎を吹く。
「グラビティコントロール!」
さっきのように宙に飛びそれを回避する。
あの炎ってスキルかなんかなのか?
てかモンスターってスキルを使えるのか?
宙に浮かぶ俺に頭にそんな疑問が浮かぶ。
「あれがスキルならもしかしたらコピーを使えるかも! あいつのスキルを使えるならダメージを与えられるかも知らないな」
そして俺はグラビティコントロールを解除し地上に降りる。
さっきのようにあいつは突進を仕掛けてくる。
「自己暗示!」
俺はあいつの動きに合わせられるようにスピードを高める。
あいつはさっきのように俺の反射を予想したのか動きを止め、直後動き出す。
「反射!」
カァァァン! という音とともにドラゴンが吹っ飛ぶ。そんなドラゴンに向かって俺は走り出す。
吹っ飛ぶドラゴンに俺は追いつき、そしてその真っ赤な肉体に触れてスキルを発動する。
「コピー!」
直後俺の前から炎の煙が現れて、ドラゴンに向かって一直線に突き進むのだった。




