ドラゴン
「なんだあれ?」
レベルが54になるほどの量のモンスターを切り続けていた俺の視界の奥に大きな飛行するモンスターのようなものが見えた。
直後俺の視界に映っていたモンスター達が一気に真っ赤な煙に飲み込まれる。
「危なかった……」
幸いその煙がここまで辿り着くのが遅かったため、俺は煙が届かない位置まで逃げることに成功する。
そのうち煙が晴れると、先程まで大量にいたモンスターはいなくなっており、地面は燃え盛り、そしてその地面には灰のようなものが積もっていた。
「なんだこれ……」
その光景に唖然としていた俺の前に真っ赤な体をし、羽を生やした巨大なモンスターが着地する。
「うわあっ!」
そのモンスターが着地した時の羽ばたきで俺の体は後方に吹き飛ばされる。
「なんであんなやつがここにいるんだあ!?」
「うわあああ!」
俺の耳にそんな悲鳴や驚愕の声が届く。
「あれは……ドラゴンか……?」
昔父がよく大きな羽を巨大な体につけた恐ろしいモンスターのドラゴンってのがいるって話していたがそれがこいつなのか?
「グオオオオ!」
そんな声と共に視線の先にいたドラゴンは炎を口から放出する。
「自己暗示!」
俺は自己暗示でスピードを高めて横に移動することでその炎からのがれる。
「ねんりき!」
炎を未だ吐き続けるそいつに俺は攻撃をする。
そんじゃそこらのモンスターなら簡単に貫いていたねんりきだが、ドラゴン相手じゃあそうはならなかったようで、俺のねんりきはやつの体を貫くことはなく、微かな傷を与えただけだった。
それを受けたドラゴンは俺の方向へ振り向く。
「エアカッター!」
が、その言葉と同時にすぐに別の方向へ振り向いた。 周囲の別の冒険者がやつに攻撃をしたようだ。
「そっか。今回は他の冒険者もいるのか」
そのことに気がついた俺はようやく周りに冒険者が何人もいることに気づく。その中には最近何度も出会ったセツナも含まれていた。
(まあ突然あらわれたサイクロプスの討伐にきていてギルドに堂々と貼られていた緊急クエストに来てないわけないか……)
俺はそんなふうにセツナがいることに一人で勝手に納得した。
(ただサイクロプスの時と明らかに違うのはみた感じセツナの攻撃ですらダメージがあまり入ってなさそうなとこか。今回のはサイクロプスよりも強敵って訳か。はあ……ますます勝てる気がしなくなってきたな)
俺はその簡単にわかる自分とドラゴンの差にため息をついてしまう。そんなことを考えているうちに周囲の冒険者が次々とやられていく。
「うわぁぁああ!」
「きゃぁあアああア!!」
そんなやられた冒険者たちの悲鳴があたりに響く。そして、冒険者が減ってきたためかドラゴンの視線が俺に向けられる。ドラゴンの気を引くものが減ってしまったため仕方ないことだ。
「ねんりき!」
飛び立とうとするドラゴンの翼をねんりきで打つ。
が、そいつはまるで平気な感じで俺に向かって突進してくる。
「よし、使ってみるか! さっきのスキル!」
(タイミング良くってのがよく分からないけどとりあえず当たる寸前とかで使えばいいか)
そして俺はそいつの突進が当たる直前にスキルを使用する。
「反射ッ!」




