料理
「そうなんだよ。だから私の考えも予想の域を出ることはない。だがこの事件の原因はまだ判明していないから結局はどれだけ色々な考えがあってもそのどれもが予想の域をでることはできない。それだけこの事件は不透明なものなんだ」
「それじゃあなんでこの話を俺に?」
「別にそんなに意味はないよ。ただ一度この事件に深く関わった君に私の考えを聞いてみて欲しかったというだけだ。それで、君は私の考えをどう思った?」
一度か……。領主さんは前に俺が森でサイクロプスと戦っていたことを知らないのか。
まあ、あの戦いで知れたことなんて特にないから関係ないけどな。
それどころか今回の戦いで知れたことも特にない。
だからどう思ったかって質問に答えようがないんだよなあ。
そう考えた俺は考えたことをそのまま答える。
「今のところ何も情報がないから可能性の一つでしかないとしか言えませんね」
「やっぱり君でもそう思うよなあ」
領主さんは俺の言葉を受けながら扉の方を見つめる。
「おっ、料理がきたようだな」
領主さんが言葉を発すると扉がパカリと開き、俺の目には、数々の料理を乗せたお盆を持った人たちが映る。
そのお盆から机へ料理は次々と移されてゆく。
その一つ一つが食べたことのない料理だった。
料理が全て机に移され、領主さんが口をひらく。
「さあ、是非好きなものを食べてくれ。いっそ全部食べてしまっても構わないぞ」
「さすがにそれは遠慮しておきます。多分俺の腹に入りきりません」
俺はうっすらと笑いながらそう答える。
そして俺はそのタダ飯を満喫するのだった。
「ごちそうさまでした。すっごいうまかったです」
「満足してくれたようでなりよりだよ。それじゃあ君が帰るための馬車を用意するよ」
「ありがとうございます」
「それじゃあ家が建った頃にまた迎えにゆくよ。色々家の中とか君につける従者とか紹介しなきゃならないからね」
「色々本当にありがとうございました」
そうして俺は馬車に乗り込み宿へと送られるのだ。




