再戦
次の日、俺はギルドへ向かう道をいつものように歩いていると
「キャー!」
何かが起こった。それが簡単にわかるような甲高い声が俺の耳に届いた。
直後、俺はその方向へと走り始める。この行動もまた、父に吹き込まれ続けた、弱きものを守れる勇敢な男になれという言葉から来るものだった。
俺の向かう方向から人の波が押し寄せる。俺よりも年上で冒険者に見える人ですらその波に混じっている。
まるで森であの巨大なモンスターと戦った時の逃げるモンスターたちのようだ。
俺は自己暗示を使い、スピードを高めて走る。
さらにグラビティコントロールで自身を軽くし、前に跳躍することで人の波を回避する。
・・・・・・あれは!
跳躍し、高い位置へときた俺の視界に映ったのはあの時森で戦った巨大なモンスターの姿だった。
なんであいつが街中に!?いや、あの時は森で戦ったがあいつは本来あの森にいないモンスターらしい。
ならば本来いない街にいるのもおかしい話ではない・・・・・・かな?
いやおかしいな?なんで街に入って来れてるんだ。
しかもあそこはこの街の中心の方だ。こんなモンスターが街に入ってきているならばもっと前に叫び声でも上がっていないとおかしい。
まあ考えても俺が分かるはずもないか。
そして俺はそいつの前に着地する。
「サイコエンチャント! ねんりき!」
直後、俺は悲鳴の主なのかは分からないが腰を抜かして座り込んでいる人にモンスターが振り下ろそうとしている大きな手にねんりきを打つ。
モンスターの手は座り込む人に振り下ろされることはなく、そしてモンスターの視線がぐるりとこちらへ向けられる。
「早く逃げてください!」
まずやるべきことは残っている人の避難の時間を稼ぐことだ。
幸い俺以外にもやつと対峙する冒険者はいるようだ。俺がやることは彼らの動きに合わせながら時間を稼ぐこと。遠近両刀の俺ならそれができる。
酷い・・・・・・周囲の建物が倒壊し、埋もれている人もいるようだ。
悲鳴から俺が来るまでのちょっとの間でここまでできるとは。
とりあえず倒壊した建物に埋もれてしまっている人を助けなくては。モンスターの相手は他の冒険者がやってくれているからな。
そして俺はグラビティコントロールで倒壊した建物の瓦礫を軽くし、どかすことで埋もれた人を救出し続ける。
これでみんな逃げることができたかな。
周囲を見渡す限り、このモンスターと対峙している人以外に人はいなさそうだ。
「グラビティコントロール!」
このスキルを使い、自身の身体を極限まで軽くすれば1度のジャンプでほとんど空中に浮き続けることができる。こうすれば他の冒険者の邪魔にならず俺も加勢することができるだろう。




