1回戦
1時間たち、ついに本戦が始まろうとしていた。
「俺の本戦の相手は6番の人か。一体誰なんだろう」
本戦は最初に1番と2番の試合、次に3番と4番の試合、5番と6番の試合というように進んでいく。そして待つこと数十分。ついに俺の試合の番がきていた。俺は先ほどのお姉さんの元へ行き、そして闘技場へと誘導されて入場する。
「予選の時は気にならなかったけど観客席なんてあったんだここ」
周囲を見回すとその席が埋まるほどの観客がそこにはいた。そして俺の反対側の道から俺の相手らしき人物が現れた。その相手は一目で天職がわかるような格好をしていた。多分魔法使いなんだろうな、天職。目の前の相手は童話に出てくる魔法使いのような大きな先っぽを折り曲げた三角形を頭に被ってた女性。ただリコもそんな服装をしてたけど天職は錬金術師だったし、それに予選を通過してくるやつだ。予選では見た目で判断することもあったが本戦では俺が知らない天職のやつがいるかもしれない。見た目で判断してはいけないだろう。
そんなことを考えていたら大きな声が耳に入ってきた。
「試合開始っ!!」
その瞬間、目の前の女は俺にスキルを放つ。
「ファイアボール!」
俺に向かって名前通りの炎の玉が一直線に向かってくる。
「ねんりき!」
俺はその炎の玉に向けて自身のスキルを放つ。桃色の波と炎の玉がぶつかり合う。が炎の玉は波を飲み込みそのまま俺に向かってくる。俺はスキルで相殺しようとする。
(おっと忘れていた。相手の天職が魔法使いだと仮定するならば俺の天職エスパーは魔法使いの劣化だ。スキルで相殺できる可能性は低いとみてもいい)
そんな考えが頭に浮かんだ俺は、寸前で身を逸らしてその玉を避ける。
「サンダー」
俺が避けた時にはすでに次のスキルが放たれていた。女のスキルで放たれた紫色の電撃が俺に直撃する。
「くっ!」
(痛い! けどまあ、前の巨大なモンスターの攻撃ほど痛くはないな。……あれって一応かすっただけだよなあ。あいつが強すぎたのか、それとも俺が成長したのか……どっちだろうな)
そんなことを考えながらも俺は体制を整える。
(スキルだけでの戦いは不利みたいだな。となると……)
俺は自己暗示を発動し、スピードを高める。そのまま腰の剣を引き抜き、その剣にサイコエンチャントでサイコパワーを付与する。
俺は高められたそのスピードで一気に距離を詰める!
(スピードならばエスパーの方が上だろう! なんたってスキルを使ってまで高めているんだからな! ただの劣化ではないってところを見せてやろう!)
そう意気込んでいたのも束の間、目の前まで近づいた瞬間に俺の体は風に吹き飛ばされていた。
「ウィンド!」
「な……ぐわあ!」
俺はその風に飛ばされて尻もちをつく。
(ははあ、なるほど。さすが遠距離戦闘が得意な魔法使いの……いやまだ推定か。まあそこはどうでもいいが、やっぱりそういう天職だからか距離をとる手段は持ち合わせているのか)




