絶望
「後4人か」
魔法使いを倒して、そのまま残りも敵も倒しに行こうと思ったが、自己暗示が切れてしまっていた。
とりあえず俺は敵3人の足元にサイコクラッシュを放ち、相手の意識をそれに向けて一度距離を取る。そして、俺はのこりの相手の分析を始める。
(残りは……剣士っぽいのが3人と、見た目からは天職が予想できないのが1人。気をつけるべきはそいつだな。あいつはつねに後方に陣取っている。そして何か攻撃をしてくる様子はない。となると……)
そのように俺が分析していると、目の前に2人の剣士が走ってくる。俺はそいつらに対してねんりきを放つが簡単に避けられてしまった。
そしてそいつらは俺に剣を振るう。そんな左右から迫り来る素早い剣を俺は身をかがめて避ける。
しかし俺の目にはもう1本の剣が迫っていた。どうやら残りの1人が俺が2人の剣士に気を取られているうちに接近していたらしい。俺はその真っ直ぐ迫り来る剣による突きを、こちらも剣を抜きその突きが俺に当たる前に、すばやく剣を振ってその剣士の足元にこちらの剣を当てる。すると剣士の動きが止まり、その突きが俺に届くことはなくなった。
そして俺は再び使えるようになった自己暗示で自身のスピードを向上させ、倒した剣士の方向へ走り、そしてそいつの足元にあった小石にサイコエンチャントを使う。
そんなことをしてる間に、2人の剣士はこちらへ向かってきて、俺に向けてそのスキルを放つ。
「高速切り!」
本来ならばそのスキルを俺はモロに受けてしまっていたくらいには早い斬撃だった。が、自己暗示でスピードをあげていた俺はその斬撃が届く前にそいつらとは反対の方向へ後転をして離れ、そしてそのスキルを放つ。
「パワー爆発!」
そのスキルは奴らの足元にあった俺がサイコパワーを付与した石ころのサイコパワーを爆発させた。そいつらはぐわあ!という情けない声をあげてその場に倒れ込んだ。残りは天職がわからないあいつだけか。
――――――
後方からそいつの戦闘を見ていた俺は今、絶望していた。目の前の、その男を囲んでいた4人は男にあっという間に倒されてしまった。
俺の天職は支援者。文字通り対象の人間を支援することができる。やつを囲んでいた4人は皆レベル20だったのだが俺のスキルによって実際はレベル35ほどのステータスとなっていた。そんなやつらを1人で圧倒?冗談じゃない。このイベントに出られる最大のレベルは30。エントリーの時に冒険者カードを見せてレベルを確認されるため不正はありえない。いくらレベル30とはいえ35相当のやつ4体を1人で相手できるだなんて。一体どんな天職なんだよ。そんなことを思いながら俺は近づいてくる目の前のそいつに何も抵抗できずに切られ、そして意識を落とすのだった。




