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劣化天職で最強  作者: 春の天変地異
モンスターの文明『自然の文明』編
129/134

VS麒麟 作戦フェーズ1 ①

 「構えろッ! 来るぞ!」

 そう大翔(たいが)が叫んだ人瞬間、ふっと麒麟はその場から消えた。

 (あの自分の姿を隠す麒麟の力。あれは相当な脅威だ。だが前の戦いから考えるに、攻撃を仕掛ける時は姿を現す。現さなければならないのだろう)

 俺はすでに皆にその情報を伝えている。なんとか対応して欲しいものだ。

 「ひとまず、サイコエンチャント!」

 俺はそれに対応するため、黄金の剣にそのスキルを使う。これにより黄金の剣は桃色のプラズマを纏い、魔力の力で攻撃が可能となった。

 同じように大翔も「加熱」で武器のフライパンを強化する。

 そしてすぐに麒麟は姿を現した。そんなそいつのツノは光り輝いていて、現れた場所はリコの真後ろであった。

 「リコッ!」

 俺がそう叫ぶと、リコは瞬時に反応して後ろに振り返る。と同時にリコは何かを取り出してそいつの前に放り投げた。

 「ラバーシールド!」

 直後、麒麟の目の前で大きく開いたラバーのそれはヤツのツノを受け止める。

 (……っ! あれはマズイな)

 俺はその様を見てそう感じた。同じように思ったものはいたようで、スファリエが叫ぶ。

 「ガラポーユさん! 破られますっ!」

 瞬間、俺はスキルを発動した。

 「引き寄せっ!!」

 それにより俺の手から放たれた紐のようなものはリコにつながり、俺は彼女をこちらは引き寄せて救出する。

 「ありがとう」

 直後、攻撃をからぶった麒麟の背後に回り込んだ大翔がそのフライパンをおおきく振りかぶって……ヤツを叩くッ!

 「くらえッ!!」

 それにより、バコンッ! と大きな音が鳴って、麒麟は小さくのけ反った。

 瞬時に麒麟は体制を戻し、ツノで大翔を攻撃する。それを大翔は腰にかけられていたナイフを引き抜き、防ぐ。

 そこから大翔と麒麟の激しい攻防が始まった。


 (よおし……とりあえずは作戦通り。大翔がヤツを抑え、スファリエが弓で援護射撃。あの弓は魔技によるものじゃあないみたいだからな。リコも同じように援護が役割だ。錬金術で生み出されたものはネイチャーランスとかと違って消されないようだからな。まあ作戦を立てる段階じゃあそれも憶測だったが……結果としては消されてないみたいだから問題なしだ!)

 俺はその攻防を眺め、麒麟の隙を探る。

 (俺の役割は隙をついて剣で攻撃すること。それが作戦の第一フェーズにおける俺の役割だ)

 第一フェーズで行うことはとにかく麒麟を消耗させることだ。

 

――――――


 (それにしてもこいつは消えるうえに素早いせいで俺のところに留めるのは大変だなっ!)

 俺はナイフで麒麟の攻撃を捌きながらそんな思う。直後、麒麟はスッと姿を消した。この瞬間もやつは移動をしている。それも相当のスピードで。行き先はリコか、スファリエか、それとも智也の元か。だが俺はそれをさせるわけにはいかない。

 「消えても……直感で意外と場所はわかるもんなんだけどなっ!!」

 そう俺はびびっと来た場所にフライパンを振るった。

 カァァァンッ! という音と共に麒麟は姿を現し、そしてそのフライパンはツノで受け止められていた。そんなツノは激しく光を放っていて、まるで近距離で懐中電灯を見ているようだ。

 「はっ!! 俺のフライパンを破壊しようってか!? 悪いがこれはかなりいいもんで作られていてな……半端な攻撃じゃ破壊されねェよッ!! ってあ……!」

 瞬間、その発光するツノによってフライパンの持ち手以外が消し飛ばされた。

 「あちゃー……」

 「ちょ、嘘だろっ!?」

 その光景を見ていた智也がそう声を発する。

 「ま、大丈夫だ! 予備があるからなっ!」

 そうして俺は自身のアイテムバッグから予備のフライパンを取り出し、そして持ち手だけとなったフライパンをリコの方は放り投げる。

 「リコっ! 悪いがこれ修復……いや、補完しといてくれ! できるだろ?」

 「ええ……まあできるけど。補完錬金」

 リコの手によってそのフライパンは元通りの、消えた部分はない完全な状態となっていた。

 「もう一回悪いがそれ預かっててくれ! 欲しくなったら言う!」

 「はあ……分かった。収納」

 瞬間、リコの作り出した空間にそのフライパンは収納される。

 「便利ですね……」

 それを見るスファリエはそう呟いた。

 

 「そんで麒麟は……なんかだんだん速くなってないか!? まあこっちもまだまだ加速できるけどな!」

 前、智也と戦った時の麒麟は手加減をしていた。それも相当の。それは今回も変わってなかったのか、前回よりはマシとはいえやはり手加減していた。だが俺との戦いでそいつはどんどん力を発揮し始めた。まるで俺のことを試すかのように。

 (ちょっと変則的にやるか)

 俺は右、軸となる足にグッと力を込める。瞬間ぐるりとそれを軸に回転し、左で麒麟に回し蹴りを仕掛ける。麒麟はそんな足をツノで切断しようと頭を振るう。

 そしてそれは俺の左足を受け止めた。いや、切断できなかったのだ。

 「どうだ? 俺の足は硬いだろ!?」

 その体制のまま俺は左手で持っていたフライパンでそいつの頭を叩く。

 想定外であったのか、麒麟は消えもせずそれをモロに受けた。瞬間、スファリエの矢がそいつを突き刺し、智也は飛び出していた。


―――――

 その隙を見た俺は一歩踏み込み、自身の速度を大幅に上昇させるスキルを発動した。

 「自己暗示!」

 『俺のスピードは光よりも速い……まさに"神速"である』!!

 そんな想像の自分を今の俺であると、俺は自身の身体に暗示をかける。そんな俺のスピードはすでに風を超えていた。その圧倒的なスピードにより、瞬きする間もなく俺の剣は麒麟に届いていた。

 「はぁぁっ!」

 シュンッ! という風を切る音と共に俺の剣はヤツを斬りつけた。それによりヤツの白い毛の中に、赤色が生まれるのだった。


 瞬間、麒麟はその場から姿を隠す。

 「大翔! 見つけれるか!?」

 俺が大翔にそう呼びかけると、すぐに彼は答えた。

 「上だ! 上空っ! 防御を準備をしておいた方がいいぞ!」

 そんな言葉と共に俺たちが顔を上げると、そこに麒麟がふっと現れ、そしてヤツのツノがまるで太陽のように光っていた。

 「キュオォォォッ!!」

 初めて聞くヤツの甲高い雄叫び。それと同時に天空から白い光弾がいくつも降り注ぎ始めた。

 「―――っ!! なんて量……」

 リコがそれに対してそんな感想を口にした。

 「撃ち落とすか相殺か、それとも防御か、とにかくどうにかしましょう!」

 スファリエがそう叫んだ瞬間、各々がそれに対する対処を始めた。

 「ヌメラス・エアッ!」

 俺はその技によって生み出したいくつもの黄金の剣を、念動力のスキルの力で光弾から俺を守るように空中で動かし続ける。それはたった3秒間しかこの世にあり続けられないが、俺は光弾を、あれだけの量とはいえ凌ぐには3秒で充分だと思った。むしろ他の、リコやスファリエ、大翔に振る光弾を防ぐ余裕すらもあった。

 しかしそうはできなかった。

 (くっ……アイツがあそこに居続ける限り光弾が増え続けるみたいだな……。となるとあの状態のアイツをどうにか止めないとだが……ねんりきやサイコショットはアイツに掻き消されるだろうな。すると剣に念動力を使ってアイツのところまで飛ばすか? いや、念動力はまだクールタイムか……。引き寄せもあそこまでは届かないだろうし……だったら)

 そうして俺はスキルを発動する。

 「グラビティコントロール! そして反射!」

 瞬間俺にかかる重力がうんと軽くなった。そのうえ俺は今から5秒間、あらゆる攻撃を反射する。

 「何をする気?」

 そんな俺に、攻撃錬金で無数の弾幕を撃ち光弾を相殺しつつラバーシールドで防御までしていたリコがそう聞いた。

 そんな問いを俺は脚に力を入れながら答える。

 「パッと言うとアイツを空中から引きづり下ろす!」

 そう言った瞬間、俺は全力でジャンプした。と同時に身体から力が、もっと正確に言うとまた別の力が湧き上がった気がした。

 「支援錬金! これであなたの魔力を上昇させたから。効果は10秒だから!」

 リコは上空へ向かっていく俺に大声でそう伝えた。

 「それだけあれば充分だ! ありがとう!」

 俺の身体はグングン上空へ昇って行く。ついでにあの光弾を反射しながら。そうして俺はそいつに届くところまで来たことで、剣を振るった。

 キィィンッ!!

 それはツノによって防がれたが、そいつが俺に対応したことで降り注ぐ光弾が追加されることはなくなった。さらに俺は目的を、そいつを地面に引きづり下ろすため、次のスキルを発動する。

 (ああ、そうだ。さっきなら使えなかったけど……この距離なら届く!)

 「よぉし! 引き寄せッ! そんでグラビティコントロールを解除!」

 一度引っ掛けて仕舞えばその紐は伸び続ける。そして俺はドォンッ! という衝撃音と共に煙を撒き上げながら地面に着地する。

 「ちょ、そんな着地して大丈夫!?」

 リコはそんな俺を見てそう言うが、全く問題はない。

 「大丈夫だ。いっぺん落ちてみれば分かるさ! それよりもアイツを落とすぞ!」

 俺はそう言いながら紐が繋がっている右手をグイッとこちらに引っ張る。瞬間、俺の目の前には麒麟の顔があった。

 「任せた! 大翔!」

 「ああ! 任せろっ!!」

 瞬間、その上から大翔がフライパンで麒麟を打つ。こうして俺たちの地上戦は再開するのだった。

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