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劣化天職で最強  作者: 春の天変地異
モンスターの文明『自然の文明』編
116/134

カタコトで喋るモンスターさん②

 「さあ、どんどんスキルを浴びせてやろう! サイコブースト! サイコクラッシュ! サイコショット!」

 俺は威力を2倍にしたスキルでモンスターを攻撃する。しかしそれらはしっかりとモンスターに命中したため、やつはダメージを負ってはいるが、致命傷にはなりえていない。

 そのうえそいつの足は、切断面がグングン再生されてゆく。


 「足が……! 面倒だな……」

 

 「ソノヨうナコウゲキ……ワがアシニトッテは、ヘデモなイ」


 「カタコトのくせに、頭良さそうな言い回しをするなぁ……。けど……! この足はやっぱり厄介だ……! なっ……!」

 俺は剣で足を斬って抵抗をするが、背後から攻撃をしてきた足をくらい、ついにダメージを受けてしまった。

 「ぐあっ……!」

 その足に吹き飛ばされた俺は地面に手をついてしまう。立ちあがろうとする隙にも足は俺に向かってくる。

 (マジかよ……ぱっと見向かってくる足は6本か……! 立ち上がりながら全て斬るしかないな。そうなると……これを使うか)

 そうして俺は、その足を範囲に入れるようにその『ユニークスキル』を発動する。

 「遅延っ!」

 瞬間、文字通り範囲内のさまざまな動きを遅延するそのスキルの効果でモンスターの足の動きは大幅に遅くなる。

 それはつまり、俺の元へ足がたどり着くのも遅くなるわけで、余裕が生まれた俺は立ち上がりながらその足をスパンスパンと全て切断する。

 (遅延は俺の魔力が上がるにつれて遅くする力も上がるからな。これくらいのスピードの足ならかなり遅くすることができる。今なら街を襲ったアイツ、サイクロプスだったか。アレ程度ならめちゃくちゃ遅くできるんじゃないか? それこそ、あの頃の俺でも余裕を持って攻撃を回避できるくらいに)


 「遅延のおかげで足が再生する速度も遅いようだな。というわけで今ならお前の攻撃も苦戦するほどのものじゃあない。あとは全力で攻撃するだけだ!」

 

 「キサまのコウゲキで、ワガニクたイヲキずツケるコトはフカ……デキナいコトダ」

 ヤツは俺のことを見下ろしながらそんなことを言う。


 (確かに今までの俺の攻撃で、ヤツの身体についた傷は微かなモノ。だけどまだ使っていないスキルもあるし、最悪ちまちまと攻撃し続ければいつかは倒れるだろう。それでもダメだったら『切り札』だってある。どうとでもできるさ!)

 そんなふうに俺はモンスターの倒し方を考え、そして実行し始める。


 「まずはやっぱり、刺し穿つ数多の飛翔剣(ヌメラス・エア)ッ!」

 ギャンッと音を立てながら、無から現れた数々の剣はモンスターの元へと突き進み、そして突き刺さる。

モンスターの肉体から、ダラっと黒い液体が剣により生み出された傷口から流れ始める。

 「ナ、ニ」

 そんな声が黒い液体がドロドロと身体中に流れているモンスターの口から溢れる。

 そんなモンスターの姿を見て俺は声を出す。

 「ははっ……! ついてるじゃないか、傷」

 「キサマ……」

 今の今までトーンが変わらなかったモンスターの声が、やや低くなってまるで怒っているようだ。そんなそいつに対して俺はさらに攻撃を仕掛ける。

 「ねんりき!」

 液体の流れでる傷口に向けてそのスキルを俺は放つ。モンスターは切断されていない足を使ってそれを防御する。が、モンスターはグラっと。傾いて姿勢を崩す。どうやら身体を支えるには2本の足が必要なようで、まだ6本が再生中のなか、防御にさらに1本使用した。結果、地面に接している足が1本だけになってしまった。

 ダッ と地を蹴り、俺はモンスターを攻撃するため走る。しかし、ついに遅延の効果が切れて再生し終えた足が、俺の背中を襲い始める。

 

 「ぐあっ……!」

 振り向き、対処しようとしたものの間に合わず、俺は地面に叩きつけられる。

 「―――っ! 反射!」

 すぐに俺は次々に遅いくる足から身を守るためにスキルを使う。足は俺の周りの見えない壁に阻まれる。

 

 「ナッ……」

 

 「ふう、危なかったな」


 俺は反射のおかげで無敵のあいだにゆっくりと腰を上げて、起き上がる。そんな時、俺の視界には『レベルが133になりました』と文字が映し出される。

 (お、分身が経験値を獲得してくれてるのか)

 そうしてもう一度攻撃に転じるため俺はスキルを発動する。

 「自己暗示」

 瞬間、高まったスピードを最大限に活かして俺は走る。剣を握り、遅いくる足を全て斬りながらモンスターの元へと突き進む。そうしてモンスターの正面まで来た時、俺は空中へと飛び上がる。そんな瞬間を狙い、足が一気に飛びついてくる。


 「転送!」


 そんなスキルの発動により、俺の身体はモンスターの背後へと移動した。

 「ナニッ……!」

 

 「くらえっ……! ダウンコントロールっ!」

 俺の素手から放出された球体が見事モンスターに命中した。その瞬間にモンスターの足がグダリと地面に落ちて動かなくなり、()()()()()()()()()()()()()()。つまり俺は、そいつから意識を奪ったのだ。

 「さて、こうしてられる時間は少しだけだからな。とりあえず、弱点とか、そういうのがあったら喋ってくれ」

 俺はそいつの身体にそんな行動をするよう操る。

 「ジャクテンハ、目ニアルコア」

 あいも変わらずカタコトでモンスターは自身の弱点を俺に教えてくれる。

 「なるほどな。それじゃあ自分でそのコアを潰してくれ」

 俺がそう命令をくだした瞬間、モンスターの足が2本持ち上げられていき、そして二つの目に突き刺した。それによって、グシャアという音と共に黒い液体が大量に流れ始める。そんなそいつの頭を俺は剣で斬りつけるのだった。

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