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劣化天職で最強  作者: 春の天変地異
モンスターの文明『自然の文明』編
115/135

番外:リコ・ガラポーユの錬金物語

 「これで完成。レシピは記録済みだしこの素材なら量産もできそうだし、商品にもできるかな。さっそくたくさん素材をとりに行かないと」

 私、リコ・ガラポーユは錬金術によって作り上げた『超回復薬』と名付けた、今までこの世には存在しなかった、文字通り超がつくほどの回復薬を量産しようと考えていた。


 「素材はストロンガースライムとビュティアローゼスを数体倒せばいい。出かける準備をしないと」


 そうして私はストロンガースライムとビュティアローゼスが同時に生息する場へと足を運んだ。


 「見たところストロンガースライムは4匹、ビュティアローゼスは2匹か。これだけじゃまだまだ商品にできるほど量産は不可能ね。残念」

 そう言いながら私はそのモンスターたちにスキルで攻撃をする。


 「攻撃錬金」

 私は手に握っていた、50個程度の宝石のかけらを全て媒体にして錬金をする。すると私の正面に50を超える量の黄色く輝く光弾が浮き上がる。

 直後、それらはモンスターたちの元へと高速で飛んでいき、命中する。


 「とりあえずスライムは全滅。あとはビュティアローゼスだけ。少し高い宝石を使って終わらせよう……うん。これにしよう。攻撃錬金」

 そうして私は青白く輝く宝石を媒体に錬金をする。刹那、無数の鋭利な氷でできたツララのようなものが2体のビュティアローゼスを襲う。

 それらはビュティアローゼスに、見事な針地獄を味合わせて仕留めるのだった。

  

 「これで終わりだけど……用のないモンスターまで来ちゃったか。仕方ない。あれも処理して素材を回収しよう。何か新しいものが作れるかもしれないしね」

 

 2体のビュティアローゼスまでも仕留めた私の元に、白い毛でふさふさな、4つ足の狼のようなモンスターが訪れた。そいつはどうやら私を獲物だと見ているよう。さっそくそいつは私にかなりのスピードで飛びかかる。


 「攻撃錬金!」

 私は黄色の宝石を媒体に錬金を始める。すると、見事そのモンスターにイカズチが降り注ぐ。


 「あつ……やっぱり雷は煙が出るし嫌だな。とりあえず今のうちに……捕縛縄」

 私はかつて自身の錬金術で作り上げた便利なアイテムを取り出す。それは何かを捕縛する縄。かなりの強度を誇り、それに捕えられたモンスターは抜け出せていないようだ。


 「よし。もう一度、攻撃錬金」

 今度は真っ赤に輝く宝石を媒体に錬金をする。するとモンスターは天に昇る炎に飲み込まれる。

 数秒後、その炎が消えると網のせいで回避ができないそいつはモロに炎を受けてしまったようで、こんがり焼けてしまっていた。


 「こんな火力の炎でもこの縄は燃え尽きない。やっぱり便利だよね、これ。さてトドメを刺そう」

 そうして私がスキルを使おうとした瞬間、捕らえていた縄がやつの力によって破られる。


 「嘘っ!? っ……ラバーシールド!」

 私は咄嗟に襲いくるモンスターの爪から身を守るため、これまた自身の錬金術で誕生した製品、ラバーシールドを使用する。文字通りラバー素材でできているそれは投擲することで大きく展開することができ、攻撃から身を守ることができる。

 強い衝撃であろうと、なかなか頑丈なこれは受け止めることができる。


 そうしてモンスターの攻撃を防いだそれは、弾性を持っているため、受け止めた強い衝撃を使ってモンスターは跳ね飛ばす。直後、モンスターは瞬時に姿勢を戻し、私に飛びついてくる。


 「また同じ行動を……ラバーシールドっ」

 モンスターの同じ行動に、私も同じ方法で対処しようとする。しかしモンスターはそれを学習したようで、シールドにぶつかる寸前で大地を踏み締め、シールドを回避して回り込んでくる。


 「……っ 仕方ない……防御錬金!」

 私はそんな、媒体を錬金することで盾とか、シールドとか、攻撃が防御できる何かが生み出されるスキルを使用する。今回の媒体は青く光る宝石。

 すると私の前に波が発生した。それは飛びついてくるモンスターを前方に押し流し私を攻撃から守る。


 「今のうちに……捕縛縄っ!」

 私はそれを押し流されたそのモンスターの元に投げつけ、縄に閉じ込める。


 「今度こそ終わりにしよう。かなり痛い出費にはなるけど仕方ない」

 そうして私は媒体用に赤、水色、黄色の三種類の宝石を一つずつ取り出し、錬金を始める。


 「三種融合攻撃錬金!」

 瞬間、その宝石は混ざり合い、そして一つの輝きを放つ。直後、その光はモンスターの元へと向かっていき、そしてそれは炎、氷、雷の三種類の攻撃となりモンスターを襲った。モンスターを炎が燃やし、氷が貫き、雷が動きを封じる。そんな攻撃によってようやく私はそのモンスターを仕留めることができたのだった。


 「はあ……思ってたよりもすごくめんどくさいモンスターだった。それにアレを受けても骨どころか肉もしっかりついて毛まで残ってるし。まあおかげで素材にしそびれることはないから良かったけど」

 私は倒れたモンスターを見下ろしてそんな感想を口にする。


 「そうだ。鑑定」

 私はそんなスキルをモンスターに触れて使用する。すると私の視界にはそのモンスターの名が映し出された。


 「フェンリル……か。昔話か何かで聞いたことがある名前。まあ別になんでもいいんだけど……とりあえずこの素材でどんなモノができるのかが楽しみ」

 


 そうして倒したモンスターの素材を回収した私は、家に戻りまた錬金をする。それが終わればいつも通り自身の経営する店を開くのだった。

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