カタコトで喋るモンスターさん
自然の文明に訪れた俺はさっそくどこで争いが起きているかを探し始める。
(あっちの方だな。モンスターたちの叫び声みたいなのがたくさん聞こえてくる。よし)
場を見つけたため、俺はスキルを使って高スピードで走り始める。
「自己暗示!」
俺はギュンッ! と風を切って走る。だんだん争いの音が大きく耳に入るようになってきて、そして視界にたくさんのモンスターたちが見えてくる。
「よし、やるか! サイコエンチャント! そしてミラージュステップ!」
(まだ出してない分身は残り5体だから……とりあえず3体! 剣を使って混沌のモンスターたちを倒せ!)
スキルの力によって生み出された3体の俺の分身は、俺と同じようにサイコエンチャントの効果がついた黄金の剣を握って混沌のモンスターの元へと走り始めた。
「よしよし。分身はスキルを使えないけど前に戦った時、剣だけで十分混沌のやつらを倒せてたからな。俺が3人もいればかなり有利になるだろう。さて、本体の俺はもっと強そうなやつを倒しに行こうか」
分身を使わせた俺は戦場において猛威をふるっているであろう強い混沌のモンスターを狙うことにした。
「グラビティコントロール!」
自身の身体にかかる重量を減らすことで、俺は跳躍距離をかなり伸ばし、そのまま跳躍をして上空から戦場を見回す。
「あのモンスターとか強そうだな。倒しに行くか。解除!」
俺は8本の足を持った巨大なモンスターを標的に定め、グラビティコントロールを解除してそいつの元へ向かう。
『レベルが132になった』
向かう最中に俺の視界にそんな文字が映し出された。
(あれ? 今俺、何も倒してないよな。ということはこれは……分身が倒した分でレベルが上がったってことかな……。そうならかなり便利だなあ。戦場でほうっておくだけでレベルが上がっていくんだから)
「まあとりあえず俺の目的はあのでっかいモンスターだけだ」
そういう俺はついにそのモンスターのところに辿り着いていた。
「キサ……マは……ニンゲン……?」
俺のことを認識したそのモンスターは口を開いてそんな問いかけをした。
「お、喋るモンスターか。だいぶカタコト……みたいだけど。まああんたのいうとおり俺は人間だ」
「……ニンゲン、だろう……と、コロすの……ミ……」
モンスターは相変わらずカタコトで自身の意思を告げる。
「カタコトだろうと言っていることは物騒だなあ。まあいいや。お互いやることは同じみたいだし……さっそくねんりき!」
俺はそんなヤツに対してスキルで攻撃を始めた。俺の放つ桃色の光線はヤツの身体を微かに傷つける。
(うーん。思ってたほどダメージになっていないな。こいつ、なかなか強いのかもしれない)
「ソのよ、ウナ攻撃……キきハシナい……」
そんな読み取りづらそうな感じで話してくるそいつは8本の足のうちいくつかをギュンと伸ばして俺に攻撃をし始める。
(これくらいなら回避は容易だ。が……厄介な足だなあ。いや、もしかしたら腕なのかも。まあどっちでもいいけど、とにかく厄介だ。かなり威力は高いみたいだが当たらなければそれも脅威ではない。ただ……)
俺はその地面をも砕くほどの威力を持ち、俺を狙うその足をみながらそんな感想を抱く。そしてその足は、ある特徴を持っていた。それは伸びるというもの。ただ伸びるだけじゃない。無限に伸び続けるのだ。つまりその足は俺を仕留めるまで追いかけてくる厄介なものとなってしまっていた。
(さあて……どう対処しようか。モンスターをひたすら攻撃するか、この足を剣で斬ってみるか……)
それへの対処法を考え、俺はとりあえず実行してみる。黄金の剣を引き抜き、素早い動きで俺を襲う数本の足を一瞬にして斬りふせる。
「……アシヲ……」
「よかった。これやっぱり足だったんだな。さあ、反撃でもしよう!」
俺は自身を襲う攻撃を対処し、反撃に移るのだった。




