自然の文明の入り方
「ありがとうございました」
勝負が決したため、俺はその男に礼をする。
「お礼を言うのはこっちの方だ。ありがとう。俺はまだまだみたいだなあ。あぁそうだ。これ5000ゴールドな。それじゃあ俺はこれで。じゃあな」
男はそう言って俺に約束の5000ゴールドを手渡し、手を振ってその場をさる。
「やった。こんなところで一気に金が稼げたぞ。てかこんなところでのんびりしてちゃダメだな」
(今回の俺の目標はモンスターの文明だ。ただ……途中でこの国の飯を食べていくのはアリだな……)
そんなことを考えながら俺はこの国を歩いてゆく。いずれ日が暮れてきた頃に俺は思う。
(普通に歩いて国を横断するのって……すごい時間かかるんじゃないか!?)
そう考えた俺は、以前購入した『いろんな国の観光スポット! 最新版!』という本をミラージュステップを活用してとってきた。
「よし、これにのってる場所で、自然の文明に一番近い観光スポットにとぼう。これとか良さそうだ。徒歩5分でもう自然の文明。やったね」
そうして俺はその見つけた観光スポットに転送を使用して移動をした。
「うん、しっかりと狙いの場所に移動できたな。あとはちょっと歩くだけで自然の文明の入り口だ。楽しみだなあ。モンスターが作る文明ってのは一体どんなもんなんだろう」
俺は自然の文明というものにワクワクしながらグラメスから出て、少し歩く。すると大きな門と塀のようなものが現れた。
「すごいなあ……! モンスターがここまで大きな建築物を作れるのか! ぱっと見人間の作るものとそっくりだ。よし、早速入らせてもらおう」
それを見た俺はさらに好奇心が掻き立てられ、もともとは近くまで行こうと思っていただけであったのに、結局中に入ることにしてしまう。
「そうだ。さすがにバレないように動かなきゃだよな。門の方には門番がいるだろうし……とりあえず入るまでは強化した自己暗示でどうにかするか」
そうして俺は、多少草だの木だのに隠れながらついに門の前へと到着する。
(いるなあ……門番が二人。それに塀の上にも弓兵みたいのがいる。てか自然の文明のモンスターってあんなのなんだな。見たことないようなモンスターだ。まあいいや、とりあえず一気に突撃しよう。自己暗示!)
俺はそうして自身に暗示をかける。その他人の認識にすら影響を及ぼすそのスキルで。
『俺は俺から関わらないと誰にも認識されない』
そんな暗示を自身にかけて、俺は門をくぐるのだった。




